FREE AID

機電系フリーランスエンジニア求人情報サイト「フリーエイド」

">>
  • ハードウェア記述言語の種類やメリットとは?プログラミング言語との違いも解説!
  • ハードウェア記述言語の種類やメリットとは?プログラミング言語との違いも解説!

    2025年5月10日更新

    機電系エンジニア必見!!貴重なフリーランス案件はこちら ▶

    この記事を書いた人

    機電系専門ライター Div.長谷川

    長谷川

    FREE AID編集部 機電系専門ライター Div.
    アナログ回路設計・営業を経験した後ライター&ディレクターとして独立。
    電気電子・ITジャンルを得意とし、正確で分かりやすい情報の発信を行っています。

    FPGAの設計などに使用されるハードウェア記述言語を聞いたことはあるでしょうか。今回はハードウェア記述言語の代表的な種類や使用するメリット、プログラミング言語との違いなどを中心に解説していきます。ぜひ最後まで読んでみてください。

    ハードウェア記述言語(HDL)とは

    ハードウェア記述言語(HDL)とは

    ハードウェア記述言語(HDL)とは、デジタル回路をプログラミング言語のような言語を用いて設計するためのツールのことです。デジタル回路はトランジスタなどを多数用い、論理回路を組み合わせることで作られます。そのため、従来は論理回路をもとに回路図を作って設計を行っていましたが、ICの大規模化により人手での設計が難しくなりました。

    一方、ハードウェア記述言語なら、大規模な回路でも容易に設計でき、設計内容を検証するためのシミュレーションも簡単に行えます。このメリットにより、今では大規模なデジタル回路は全てハードウェア記述言語を使って行うようになっています。

    プログラミング言語との違い

    テキストを用いて設計する様子から、プログラミング言語とハードウェア記述言語は類似のものと思われがちですが、実際には目的や処理方法が異なります。まずハードウェア記述言語はICチップの回路設計を行うのが目的であるのに対し、プログラミング言語は内部で動作するソフトウェアを設計するのが目的です。

    簡単に言えば、ハードウェア記述言語によってIC自体の動作や役割を決め、ICを使って何をするかをプログラミング言語によって決める、というイメージです。また処理の進め方に違いがあり、プログラミング言語は一部の種類を除き、記述された内容が上から順次実行されるのに対し、ハードウェア記述言語は全ての処理が同時並行的に実行されます。

    ハードウェア記述言語を利用した設計の流れ

    ハードウェア記述言語を利用してIC設計を行う流れとしては、回路構成の設計、コーディング、回路シミュレーションとデバッグ、実装といった流れで行われます。従来の設計方法と大きく異なる点として、回路設計の途中段階で挙動のシミュレーションを行い、不具合箇所の特定とデバッグが行える点が挙げられます。

    また回路の実装段階では、論理合成という操作により結線情報が付与されたネットリストが生成されます。論理合成とは論理ゲート素子数や論理段数などを最適化しながら、テキストで設計された仕様を実際の論理式や論理回路へと変換する操作のことで、イメージとしてはプログラミング言語におけるコンパイルに近いです。

    ハードウェア記述言語を使用するメリット

    ハードウェア記述言語を使用するメリット

    ハードウェア記述言語を用いたIC設計には、従来の設計方法と比べて優れたメリットが幾つかあります。順番に解説していきましょう。

    効率的な回路設計が可能

    従来のロジック回路図を用いる設計では、回路動作を全て論理回路の形で表現する必要があるため、ベン図や論理式を用いて論理設計しながら、論理ゲートの選定から回路構成の設計まで行う必要がありました。
    これに対しハードウェア記述言語を用いた設計では、回路動作をテキストによって抽象的に設計できるため、設計者が個々の論理ゲートの選定や回路挙動を気にする必要はありません。また開発環境によっては途中の記述ミスを教えてくれたり、自動的に補正してくれる機能もあるため、細かいヒューマンエラーに悩まされることも少なく、総合的に回路設計にかかる労力を大幅に削減できるのです。

    設計データの再利用や共有が容易

    従来の図面を用いた設計では、図面上に書き起こされた論理回路に設計情報が盛り込まれているため、情報の保管に場所を取ってしまうだけでなく、他人へ情報を共有するのも困難でした。また情報の検索性も悪く、過去に設計した情報の再利用もあまり現実的ではありません。

    一方でハードウェア記述言語を用いた回路設計では、設計情報は全て電子データに保管されているため、データの保管や共有、検索などが容易です。特に設計情報の共有がしやすい特徴から、働く場所の制限を受けずに設計が行えたり、複数の開発者同士で意見を出し合うことでシナジーが生まれるといったメリットにも期待できます。

    実装前にデバッグが行える

    図面上で回路設計を行う従来の方法では、実際に回路を実装して動かしてみるまで回路の挙動が分からず、仮に不具合が見つかったとしても、原因追及には人力で図面を隅々までチェックする方法しかありませんでした。また不具合修正には図面の書き直しが必要なため、修正範囲によっては修正作業が開発工程全体のボトルネックとなる恐れもありました。

    これに対しハードウェア記述言語を使用した開発では、シミュレーション機能を利用して回路の設計段階でデバッグが行えるため、不具合の早期発見が可能です。また、不具合修正もテキストを変えるだけで済むため、ハードウェア記述言語を用いた開発では、不具合修正が工程のボトルネックになる可能性は低いです。

    直感的でわかりやすい

    ハードウェア記述言語による回路設計では、回路の挙動が直感的に理解できるのも強みです。従来の図面を用いた設計では、処理内容が複雑になるにつれて論理ゲートの数や繋がりも複雑になり、設計者以外には全体像が分かりづらいという問題がありました。また過去の設計情報を再利用する場合であれば、設計者本人であっても回路動作を思い出すのに時間が掛かる可能性が考えられます。

    ハードウェア記述言語を用いた設計では、使用する言語の文法さえ理解できれば動作の内容が抽象的に理解できるため、設計者本人はもちろんのこと、開発に携わる全ての人に回路内容が直感的に伝わります。特に類似のプログラミング言語に精通している人であれば、比較的短い期間でハードウェア記述言語のルールに馴染めるのも、メリットと言えるでしょう。

    代表的なハードウェア記述言語

    代表的なハードウェア記述言語

    続いて世の中で知られているハードウェア記述言語について、代表的な3種類について解説していきます。

    Verilog HDL

    Verilog HDLは1980年代に開発され、後にIEEE 1364として標準化された言語です。アメリカのゲートウェイ・デザイン・オートメーション社が、電子回路のシミュレータを行う際のシミュレータ言語として開発されたのがきっかけで誕生しました。構文が読みやすく書きやすいとされ、C言語やPascalに似た文法であるのが特徴です。豊富なライブラリを持ち採用実績も多いことから、主流の言語として現在でも様々な用途に使われています。

    VHDL

    VHDLは1987年にIEEE 1076として標準化された言語で、米国の国防総省によって1981年に提唱されたのが誕生のきっかけです。当初は特定の用途向けに設計された集積回路ASICの動作内容を分かりやすく記述することを目的に生み出され、プログラミング言語のAdaと似たような構文である特徴を持っています。Verilog HDLと比較すると曖昧さがなく厳密な原則を持つのが特徴で、複雑な回路設計やシミュレーションを行うための構文も多く持っているため、主に軍事分野や航空宇宙分野など高い信頼性が要求される分野で人気が高い言語です。

    SystemVerilog

    SystemVerilogはVerilog HDLとVHDLの両方に互換性がある言語で、Verilog HDLの上位互換的な位置付けとして誕生しました。Verilog HDLにおける記述の曖昧さを減らすことで記述量が削減されており、オプジェクト指向プログラミングの要素やシミュレーション、検証機能などが新たに組み込まれています。2005年にIEEE Standard 1800として標準化もされており、大規模で複雑なシステム設計を中心に使用されています。

    まとめ

    今回はFPGAの設計などに使用されるハードウェア記述言語について、メリットや種類などを中心に基本的な内容を解説しました。プログラミング言語と似て非なる存在であることが理解できたのではないでしょうか。ハードウェアに強くなりたい人は、習得を目指してみては如何でしょうか。

    当サイトFREE AIDは、機電系を始めとしたエンジニアのフリーランス専門求人を扱っています。
    機電系フリーランスエンジニア求人はこちら

    また、フリーランスエンジニアとして働きたい方に合った案件探しや専門アドバイザーの活動サポートも無料で行っています。
    フリーランス無料支援に興味がある方はこちら

    フリーランス×機電系エンジニア!高単価求人はこちら ▶
    ハードウェア記述言語の種類やメリットとは?プログラミング言語との違いも解説!のページです。エンジニアにまつわるお役立ちの最新情報を発信しています。電気電子設計や製造技術や機械設計・生産技術などはもちろん、 フィールドエンジニアやITシステム開発まで、機電系エンジニア業界での働き方や年収、話題性の高い情報を細かく解説しています。 また、当サイトではフリーランス機電系エンジニア求人をご用意しています。 気になるエンジニア求人があれば、ご応募ください。 フリーランスの機電系エンジニア求人 なら【フリーエイド】
    • TOP>
    • 記事一覧>
    • ハードウェア記述言語の種類やメリットとは?プログラミング言語との違いも解説!

    応募完了いたしました。
    内容確認後、あらためて2営業日前後に担当者よりご連絡させていただきます。

    【貴重!】機電系フリーランス案件を見る
    【貴重!】機電系フリーランス案件を見る