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  • ブリーダ抵抗とは?役割や用途をわかりやすく解説!
  • ブリーダ抵抗とは?役割や用途をわかりやすく解説!

    2024.09.18更新

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    この記事を書いた人

    機電系専門ライター Div.長谷川

    長谷川

    FREE AID編集部 機電系専門ライター Div.
    アナログ回路設計・営業を経験した後ライター&ディレクターとして独立。
    電気電子・ITジャンルを得意とし、正確で分かりやすい情報の発信を行っています。

    アナログ電子回路を設計していると時々登場する「ブリーダ抵抗」。その役割を知らない方も多いのではないでしょうか。そこで本記事では、ブリーダ抵抗がどのように活躍しているかをわかりやすく解説します。

    ブリーダ抵抗とは

    ブリーダ抵抗とは、一言でいうと「電子回路を正常に動作させるため、回路と並列に入れる抵抗のこと」です。電子回路では、回路の動作が外部機器の接続などで変わった時に、さまざまな不具合を起こす可能性があります。ブリーダ抵抗は、その中でも電流が流れない、もしくは流れすぎてしまうことで生じる不具合を防ぐため、電流を流す経路を増やす目的で入れられます。なお、ブリーダ抵抗という名前は役割に対して呼ばれる内容であり、実際に使われるのは一般的なチップ抵抗です。

    ダミー抵抗と呼ばれることも

    電子回路でよく出てくる用語に「ダミー抵抗」というものがありますが、ブリーダ抵抗もダミー抵抗と呼ばれることがあります。どちらも似た用語ですが、ダミー抵抗のほうがより広い用途を持つことが多く、その一部がブリーダ抵抗と呼ばれる、と理解しておくとよいでしょう。なお、ダミー抵抗はブリーダ抵抗の持つ役割とは別に、終端抵抗としての役割も含むほか、電子回路の修正をやりやすくするため、仮で入れるゼロオーム抵抗のことを指す場合もあります。

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    ブリーダ抵抗が必要な場面

    それでは、ブリーダ抵抗がどのような場面で活躍するかを、もう少し詳しく解説しましょう。

    負荷切断時における不具合の阻止

    まず一つ目は、負荷を切断した際に、電流が急に流れなくなることで生じる不具合を防ぐ役割です。例えばリレースイッチを入れた回路において、コイルなどインダクタンス成分があると、回路を切断した瞬間に高電圧が発生し、部品が故障する可能性があります。ほかにも、電源回路では無負荷状態だと過電圧が発生するなど、動作が不安定になることがあります。そんな時にブリーダ抵抗を入れて一定の電流が流れるようにすれば、これらの不具合を防ぐことができます。

    漏れ電流による誤動作の阻止

    もう一つは、漏れ電流をブリーダ抵抗に逃がすことで、電子部品の誤動作を防ぐ役割です。電子回路においては、ICやセンサーなどの出力にトランジスタやフォトカプラなどを繋ぎ、さまざまなON/OFF制御を行うことがあります。このような回路ではON時に電流が流れ、OFF時には全く電流が流れないことが理想ですが、実際には内部回路の動作によって一定の漏れ電流が生じています。

    ここで漏れ電流が大きいと、制御先の部品が漏れ電流によって閾値を超えてしまい、誤動作する可能性があります。このような場合には、漏れ電流自体を阻止することは不可能なので、電流をどこかに逃がさなければなりません。そこでブリーダ抵抗を使い、部品外に電流が流れる経路を作ることで、誤作動を防ぐことができます。

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    ブリーダ抵抗がよく使われる部品

    続いて、ブリーダ抵抗がよく使われる電子部品の例を紹介します。

    リレー

    リレーを使った回路では、多くの場合OFF時でも漏れ電流によってリレーが動作してしまうため、ブリーダ抵抗をリレーと並列に入れて漏れ電流を逃がすことが多いです。また、リレーはインダクタンス成分も持つので、スイッチやトランジスタなどで回路を切断する場合は、高電圧を逃がすためのブリーダ抵抗も必要になります。

    フォトカプラ

    フォトカプラは入力側にフォトダイオードが接続されており、微小な電流でも動作してしまう場合があります。ダイオードの閾値はアナログで、予想外の所で動作し不具合につながる可能性が高いので、予防としてブリーダ抵抗を入力端子間に入れるのが一般的です。フォトダイオードの閾値電圧・電流を超えないよう計算を行った上で、微小な抵抗値を持つブリーダ抵抗を入れると良いでしょう。

    平滑コンデンサ

    スイッチングレギュレータなど、ON/OFF制御によって電圧を作る電源部品では、出力電圧を安定させるために平滑コンデンサが入れられます。ただ、このコンデンサは容量が大きいので、電源OFF時に電圧が下がるのが遅くなるといったデメリットがあります。そこで、コンデンサと並行にブリーダ抵抗を入れることで、コンデンサの放電速度を上げて迅速に電源をOFFするといった対策を行います。

    トランジスタ

    少し用途は異なりますが、トランジスタの「電流帰還バイアス回路」において、ベース端子に接続される2つの抵抗のことをブリーダ抵抗と呼ぶこともあります。電流帰還バイアス回路は、ベース端子と電源・GND間に抵抗を入れ、ベースに流れる電流より十分大きな電流を流すことで、トランジスタの増幅率に関わらず安定的な動作を実現できる回路のことです。ベース端子につなぐ抵抗があることで動作が安定することから、これらの抵抗をブリーダ抵抗と呼んでいます。

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    まとめ

    今回は、ブリーダ抵抗のことを知らない人に向けて、役割やよく使われる電子部品などについて解説しました。ブリーダ抵抗は電流を流す経路を増やすことで、電子回路の動作を安定化させるために入れられる抵抗のことを指します。主に負荷切断時に高電圧が発生する場合や、漏れ電流が不具合につながる場合などに使われますが、他にも多種多様な用途があるので、活用する際はその用途をしっかりと理解しておくようにしてください。

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