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ETECとはどんな資格?

2024.03.22更新

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この記事を書いた人

機電系専門ライター Div.長谷川

長谷川

FREE AID編集部 機電系専門ライター Div.
アナログ回路設計・営業を経験した後ライター&ディレクターとして独立。
電気電子・ITジャンルを得意とし、正確で分かりやすい情報の発信を行っています。

組み込み系システムが急増している現代。組み込みシステム開発の技量を定量評価したいと考えているエンジニアも多いはず。そんな人にオススメの資格がETEC(組み込みソフトウェア技術者試験)です。今回はETECの基本的な試験概要や難易度、取得後の考えられるキャリアプランなどを中心に網羅的に解説していきます。組み込みシステム開発の道に進みたいと考える人にもオススメの内容となっているので、ぜひ最後まで読んでみてください。

ETECとはどのような資格?

はじめにETECとはどのような資格なのか、資格の概要や試験のレベルなどを中心に解説していきます。

資格の概要

家電やIT機器では用途別に必要な最低限の機能しか実装されていないことが多く、これらの機能を実現するのに特化して組み込まれたシステムを組み込みシステムと呼びます。昨今はシステム機能要求の高度化やIT機器自体の増加に伴い、組み込みシステムに特化したソフトウェアエンジニアの活性化を図る目的で生まれたのが、一般社団法人組込みシステム技術協会(JASA)が管轄するETEC(組み込みソフトウェア技術者試験)です。ETECでは通常の資格と違って点数によって合否判定が下されるのではなく、受験者全員に試験の点数がスコアとして記された証明書が発行されます。

各級のレベル

ETECにはクラス1とクラス2の2種類の難易度が用意されており、難易度はクラス1の方が高いです。エントリレベルと呼ばれるクラス2では組み込みソフトウェアに関する技術的な知識が求められ、受験者全体の平均点は800満点中400点〜500点代、エントリレベルに要求される知識を充分に保有していると評価された人は、最も人数が多い経験年数30年以上の層でも3割程度しかいません。

またミドルレベルと呼ばれるクラス1では、ソフトウェア開発者として持っておくべき能力を問われる問題が中心となり、試験の評価はAからCまでの3段階のグレード評価のみとなります。中でも自立してプロジェクトを統括・遂行できると判定されたグレードAを獲得した人は受験者全体で見ても数%程度で、試験の難易度が非常に高いことが伺えます。

各級の対象者

クラス2の試験は受験資格が不要で、問われる問題も組み込みシステムに関する技術要素や開発技術、通信、管理技術といった基礎的な内容が中心です。そのため受験者対象者は上位者の支援や指導を受けながらプログラミング作業ができるか否かというレベルの人で、具体的にはソフトウェア開発の知識や経験がほとんど無い初心者エンジニアや、大学や専門学校等でソフトウェア教育を受けた学生などが挙げられます。

一方のクラス1試験は受験資格としてクラス2の試験で500点以上を獲得する必要があります。最も低い評価であるグレードCでも、上位者の支援を受けながらプロジェクトを管理・遂行できる潜在能力が認められると評価されるため、前提として単身で組み込みソフトウェア開発をこなせる技量を持っている中級以上のソフトウェア技術者が受験対象となります。

ETECを取るには?

続いてETEC資格を受けようとする人に向けて、具体的な試験の対策方法や資格取得までの流れについて解説していきます。

試験の対策方法

ETEC試験の一般的な対策方法としては、過去問や市販の問題集、動画教材などの活用が挙げられます。すでに触れたように合格という概念がない資格のため、どれだけ勉強すれば良いか悩む人も多いと思いますが、クラス2の試験である程度の成績を収めるには50〜100時間程度の勉強時間が必要と言われています。

クラス1の試験で好成績を収めたければ、ETEC試験で発行されるレポートを基に実際の開発現場の中で苦手な能力を磨いていくのが一番でしょう。クラス1の試験で問われる分析力や理解力、表現力、マネジメントスキルなどを自身で客観的に評価するのは困難です。そこでETEC試験を受験し、正答率評価やスコアレポートなどで能力を数値化し、不足している能力を意識的に鍛えていくのがオススメです。

申し込みから資格取得までの流れ

ETECの試験はテストセンターで受験するCBT方式が採用されています。初めて受験する場合はJASAの公式サイト上で受験者登録ETECの受験者登録を行った上で、ピアソンVUEテストセンターの予約サイトから都合の良い試験日時及び会場を選択して予約しましょう。またETEC試験にはバウチャーと呼ばれる事前購入受験チケットが用意されており、まとめ買いすればディスカウントが効きます。企業や学校などでまとめて申し込む場合はぜひ活用しましょう。

試験終了後は受験会場で受験結果の控えとなるスコアレポートがもらえる他、試験の約1ヶ月後には登録した住所宛にグレードやスコアが記された証明書が郵送されます。クラス1試験の受験者には更に小さいカードサイズの証明書も発行されるので、併せて大切に保管しましょう。またETEC試験はクラスや受験回数に応じた日数を空けると再受験できるため、自身のスキルアップを狙う人は継続的に受験するのがオススメです。

ETECが活かせる職種は?

資格で有りながら実力証明的な位置付けのETEC。実際に受験して発行されたスコアレポートを活かすことができる職種はあるのか、具体的な活用イメージにも触れて解説していきます。

組み込みソフトウェアエンジニア

ETECが活かせる職種といえば、組み込みシステムのソフトウェア設計や開発、テストといった実務を行う組み込みソフトウェアエンジニアを外すことはできないでしょう。特にETECのクラス2試験では、組み込みソフトウェアエンジニアとして必要な技術的知識が要求されるため、単に試験勉強を重ねるだけで組み込みシステムエンジニアとして成長できるのはもちろんのこと、高得点を獲得すれば高い技術力と知識を兼ね備えたエンジニアであることが証明できます。また、昨今話題を集めているIoTデバイスなども組み込みシステムが搭載されている機器であるため、新たにIoTデバイス開発に携わりたいと考えている人にともETEC試験はオススメです。

組み込みシステム開発のプロジェクトマネージャー

ETECのクラス1試験を受験した人であれば、組み込みシステムをプロジェクト単位でまとめ上げるプロジェクトマネージャーにも活かすことができるでしょう。クラス1受験者は既にクラス2試験で500点以上の成績を収めていることが受験資格であるため、受験した事実だけで組み込みソフトウェアに関する知識を持っている証明になります。加えてクラス1の試験ではコストや品質、時間、リスクなどのマネジメント能力が問われるため、高得点を収めていれば、現場のリーダーとして確かな実力があると証明できるのです。

システムコンサルタント

ETECの試験はクラス1、2共にグレードA取得の難易度が高く、特にクラス1でグレードAを取れば業界の中でも一目置かれる存在となるでしょう。そのため、ETEC試験で高得点を収めた人であればシステムコンサルタントとして活躍する道も考えられます。特にシステム開発序盤の顧客要求仕様の確認や要件定義は開発の肝となるため、多少のコストを支払ってでも正確に行いたいと考える開発会社は多いでしょう。そこでクラス1の試験で培った分析力や理解力、表現力などをフル活用し、システムコンサルタントとしてサポートする道が考えられるのです。

ETECを持っていることで活きること

今回は組み込みソフトウェア開発に関する能力を証明する資格、ETECについて解説しました。ETEC資格はエンジニアとしての実力証明はもちろんのこと、強みや弱みを把握して共有するのにも役立つ資格です。グレードAを取得するのはかなり困難なので、フリーランスとして活躍するなど、高い待遇を求めるエンジニアに最適です。我こそはというエンジニアは受験を検討してみては如何でしょうか。

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