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電気主任技術者とはどんな資格?

2024.03.22更新

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この記事を書いた人

機電系専門ライター Div.長谷川

長谷川

FREE AID編集部 機電系専門ライター Div.
アナログ回路設計・営業を経験した後ライター&ディレクターとして独立。
電気電子・ITジャンルを得意とし、正確で分かりやすい情報の発信を行っています。

電気に関する資格の中でも登竜門的な存在と言われる電気主任技術者。電気の分野を志す学生はもちろん、キャリアアップを狙う社会人にとっても役に立つ資格です。今回はそんな電気主任技術者資格について、資格の概要や対策、活かせる場面などを解説していきます。是非最後まで読んでみてください。

電気主任技術者とはどのような資格?

はじめに電気主任技術者資格について、資格の概要や種類、対象者などを中心に解説していきます。特に電気に関する資格に興味がある方は、しっかりと理解しておきましょう。

資格の概要

電気主任技術者とは発電所や変電所、工場、ビルなどに設置された事業用電気工作物の保安・監督業務を行うのに必要になる国家資格です。事業用電気工作物は扱う電圧が高く危険な電気設備のことで、具体例としては発電機や配電盤、変圧器、送電線などが挙げられます。

電気主任技術者は第3種から第1種の3つの種別に分かれていて、試験科目は第3種が電力、法規、理論、機械の4科目、第2種と第1種の試験では上記科目に電力・管理と機械・制御の2科目を加えた計6科目です。比較的高難易度な資格なため科目毎の合格点に調整が入ることがあり、一定年数以内であれば合格科目が免除される科目合格制度や、一定以上の学歴や実務経験を積むことで免状が交付される認定制度なども用意されています。

各級のレベル

試験のレベルは第3種が最も低く、第1種が最も高いです。第3種の試験は高等学校卒業程度の水準とされており、出題される問題は高校で習う数学や物理の公式を使えば解くことができます。ただ実際には覚える公式の数が多く、試験範囲の広さや科目数の多さも相まって試験難易度は非常に高く、近年の平均合格率も10%前後程度で推移しています。

また第2種の試験では二次試験として更に記述式の2科目が追加され、一次試験科目で問われる知識も向上していることから、第3種と比べても飛躍的に難しいと言われています。そして第1種試験にいたっては毎年の試験合格者が100人前後しかおらず、国家資格の中でも上位に位置するほど高難易度な試験です。

各級の対象者

電気主任技術者は試験種別に応じて扱える電気設備の規模が異なるため、自ずと試験の対象者も変わります。例えば第3種電気主任技術者であれば、出力5千kW以上の発電所を除く電圧5万V未満の事業用電気工作物しか扱えないため、6kVで受電している比較的小規模な工場などの電気設備を保安・監督業務に携わる人が対象です。

また第2種電気主任技術者は電圧17万V未満の事業用電気工作物を扱えるため、60kVや140kVで受電している鉄道設備や大型工場などの主任技術者を目指す人が対象となります。そして第1種電気主任技術者は全ての事業用電気工作物を扱えるため、超高圧発電を行う発電所の保安・監督業務に就く人が対象です。また、いずれの試験種別も受験資格はないため、電気に関する知識を高めたい学生やキャリアアップを目指す会社員なども試験対象になるでしょう。

電気主任技術者を取るには?

電気に関する資格の中でも難易度が高いとされている電気主任技術者ですが、キャリアアップのために取得したいと考える人も多いはず。そこで、具体的な試験の対策方法や取得までの流れについて詳しく解説していきます。

試験の対策方法

電気主任技術者に確実に合格したければ、科目免除制度を最大限活かすのがオススメです。第3種電気主任技術者の全科目と第2種および第1種の一次試験では、合格した科目に限って翌年度と翌々年度の試験が免除される科目合格制度が採用されています。特に第3種電気主任技術者試験は2022年度から年2回開催されるようになったため、連続で受験して各試験1科目ずつ合格するペースでも問題ありません。

合格率を上げたければ1年で全科目に合格しようとせず、長期計画を立てて勉強すると良いでしょう。また、少ない勉強時間で効率的に合格したければ、テキストよりも過去問題集を活用して勉強するのがオススメです。電気主任技術者の試験科目は4ないしは6科目もあるため、出題される可能性がある内容を全て覚えようとすると膨大な量になってしまいます。そこで過去問集をひたすら解いて、解説を読んでも理解できないときにテキストを活用する、という勉強法を採用することで、出現頻度の高い問題から無駄なく覚えていけるのです。

申し込みから資格取得までの流れ

電気主任技術者の試験は書面とネットの両方から申し込み可能で、所定の申し込み用紙に必要事項を記入して申請します。前年度もしくは前々年度に合格した科目があれば科目免除制度が利用できるため、合格証明番号も忘れずに記載しましょう。また第3種に限りCBT方式での受験も可能なので、希望する場合は申し込み期間とは別に用意されている変更受付期間に変更申請が必要です。全ての手続きが完了し試験に合格したら、免状交付申請を行って免状を獲得しましょう。

また、電気主任技術者は学歴と実務経験を証明して取得することもできます。希望する場合は、卒業証明書や単位取得証明書など所定の科目を修めて卒業したことが分かる証明書に加え、実務経歴証明書などの必要書類を揃えて申請しましょう。なお、認定に必要な単位が足りない場合は該当する科目の試験に合格しなくてはなりません。通常の場合と同様に申し込みを行い、科目合格してから交付申請を行いましょう。

電気主任技術者が活かせる職種は?

最後に、電気主任技術者資格を取得したらどのような職種で役に立つのか、働き方のイメージも交えて解説していきましょう。

電気技術者

電気主任技術者資格の資格を活かせる職種として最も分かりやすいのが電気技術者です。工場やビルの電気主任技術者として保安・監督を行う仕事で、具体的な業務としては電気設備の保全計画の立案や実行、不具合時の原因調査や対策の検討、設備の新設や更新に伴う設計などが挙げられます。ちなみに電気主任技術者の資格だけでは電線やケーブルの接続や配線、コンセントの設置などの電気工事そのものはできないので注意しましょう。

教員

電気主任技術者の資格が活かせる職種として、大学や専門学校、高専などの教員職も挙げられます。というのも、電気主任技術者の試験では電気に関する基礎理論から法律、応用技術まで網羅的に問われるため、資格試験の内容を十分に理解し教えることが出来れば、専門科目の教員としても活躍できるのです。また現役を退いた人や電気主任技術者として独立・開業している人であれば、非常勤講師として空いた時間を有効活用するケースも考えられるでしょう。

建物管理人

最後に紹介する職種はマンションやビル、病院といったの大施設の建物管理人です。電気主任技術者の任命が必要な設備には、600Vを超える電圧で受電している設備に加え、停電時の影響を抑えるために設置された一定出力以上の発電機も該当します。外部の電気主任技術者に保安・監督業を一任しても良いですが、所有する物件数が多いほど費用も嵩むため、建物の管理人自ら資格を取得し、建物の電気主任技術者になるケースが考えられます。

電気主任技術者を持っていることで活きること

今回は、電気業界において難易度の高い資格として知られる電気主任技術者資格について解説しました。電気主任技術者は、免状がなければ法的に従事できない仕事があるなど、社会的に高いニーズを持った資格です。特に電気技術者は資格と合わせて実務能力も磨き、高いスキルを示すことができれば、フリーランスとして働くなど様々なキャリアアップが可能になるので、ぜひ活用していってください。

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