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OCRES(オークレス)とはどんな資格?

2024.04.20更新

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この記事を書いた人

機電系専門ライター Div.長谷川

長谷川

FREE AID編集部 機電系専門ライター Div.
アナログ回路設計・営業を経験した後ライター&ディレクターとして独立。
電気電子・ITジャンルを得意とし、正確で分かりやすい情報の発信を行っています。

家電や工業機械など様々な電子機器において、特定の機能を実現するのに特化した「組み込みシステム」。そんな組み込みシステムの設計・実装・開発に携わるエンジニアの実力を示す資格としてOCRESをご存知でしょうか。今回はOCRESについて、基本的な資格の概要や難易度、取得した後のキャリアイメージなどを解説していきます。

OCRESとはどのような資格?

はじめにOCRESという資格について、試験の概要やレベル感、具体的な対象者などを解説します。

資格の概要

OCRES(オークレス)は、オブジェクト指向などソフトウェア技術の総合的な標準を開発する国際標準化団体:OMG(Object Management Group)が管轄する資格試験です。試験はおよそ130カ国以上の国で実施されており、日本では2007年から試験が実施されています。
複雑なシステム開発では、システム仕様を分かりやすくするためモデリング言語と呼ばれる言語ルールを用いて開発が進められますが、その基本的な知識と利活用レベルを認定するのがOCRESというわけです。OCRESでは世界標準のモデリング言語であるUML、BPM、MBSE&SysMLを対象に3つのコースに分かれています。

各級のレベル

OCRESの試験はいずれのコースであっても、初級(ファンダメンタル)・中級(インターエディメント)・上級(アドバンス)の3段階に分かれており、SysMLコースに限っては初級の下にモデルユーザーというレベルが用意されています。試験の合格率は明かされていないものの、いずれのレベルも比較的難易度が高く、例えばBPMの初級レベルではビジネスモデリングやビジネスプロセスの管理、様々な業務フレームワークなどの知識が求められます。

また中級レベルでは更に、チームメンバーの能力やスキルを把握する管理能力や、仕様書や設計書などのドキュメントを開発する能力、そして実務上のテストやメンテナンスなどの評価を行う能力が求められます。そして上級レベルではプロジェクトの最高責任者として、コースで特化している言語以外の仕様や概念も理解し、会社の目標に沿った開発や軌道修正を行うのに必要な広範な知識とスキルが要求されます。

各級の対象者

OCRES初級レベルの対象者は組み込みシステム開発の実務を担うエンジニアとなります。実際、初級試験の合格者は各コースの言語の基礎を理解し、生産的かつ効率的な開発業務を担えるレベルと言われているため、プロジェクトチームに所属するエンジニアとして十分な活躍を見せつつ、将来的にマネージャー的ポジションを狙いたい人が受験候補と言えるでしょう。

続く中級レベルはプロジェクト内の小規模チームのリーダー的ポジションに就こうとする人が、上級レベルはプロジェクトの最高責任者となろうとする人がそれぞれ受験対象として挙げられ、それぞれのポジションに就く上で必要な能力を有していることを証明したい人に役立ちます。

OCRESを取るには?

組み込みシステム開発に携わる人がOCRES認定を得るにはどうすれば良いのか、試験の対策や取得までの具体的な流れなどを解説していきます。

試験の対策方法

OCRESは他の資格試験に比べると、試験対策を目的に執筆された図書類が少なく、特に翻訳された物はほとんどありません。そのため数少ない日本の書籍に頼り切るのではなく、海外の書籍やサイトも活用しながら勉強すると良いでしょう。また、他の受験者と意見交換したりコミュニティに所属するなど、情報交換やアウトプットを行う環境を増やすのも、より広い視点で知識が身につけられるためオススメです。

加えて実務で既にシステム開発に携わっている人であれば、目の前の仕事をこなすだけでなく、プロジェクト全体として最適化するにはどうすれば良いか意識するのも良いでしょう。

申し込みから資格取得までの流れ

OCRES試験を受験するには、試験代行サイトのピアソンVUEにて予約が必要です。サイト上でOMGと検索してヒットする「OMG認定資格試験」のページから、UML・BPM・SysMLのいずれかの種別を選択して申し込みましょう。受験日の1営業日前まで試験予約が受け付けられていますが、OMG公式サイトの会員登録が必要だったり、申し込みページが英語表記だったりと時間の掛かる要素が多いので、なるべく余裕を持って申し込むと良いです。

試験が終了すると、その場で試験結果を確認することができ、テストセンターの受付に行けば書面でも試験結果をもらうことができます。合格していれば数週間程度で認定証が届きますが、現時点では認定証の有効期限は5年で失効するため、認定を継続したければ再度受験して合格する必要があります。

OCRESが活かせる職種は?

OCRES試験に合格したらどのような職種で役立つのか、代表的な3つの職種を解説していきます。

組み込みシステムエンジニア

まず最も分かりやすく役立つのは、組み込みシステムの開発を行うシステムエンジニアです。いずれの言語コースでも初級レベルは各言語の基礎を理解し実務に活用できるレベルとされているため、初級で培った知識はそのまま実務に活かせます。また中級の試験ではプロジェクト内の小規模チームにおけるリーダー的ポジションに必要な知識が求められるため、ある程度の経験を積んだエンジニアは中級試験を活かしてキャリアアップを狙うこともできるでしょう。

プロジェクトマネージャー

続いて役立つ職種は開発プロジェクトの責任者として、人員や工程、品質などに全ての責任を負うプロジェクトマネージャーです。OCRESの上級試験合格者は組み込みシステム開発に関する技術的な知識だけではなく、プロジェクトを取り巻く周辺の技術や最新動向に関する広範な知識などを持っていることが証明できるので、マネージャーとして十分な力量を持っていることが対外的に伝わりやすいです。またOCRES試験勉強の過程で外部コミュニティとの繋がりを得られた場合、自身が担当するプロジェクトにコミュニティの人員を投入するなどの副次効果も期待できるでしょう。

システムコンサルタント

3つ目の職種はシステム開発を行う企業に対し、技術的な内容を含む様々な知見を与えてサポートするシステムコンサルタントです。システムコンサルタントは自身が直接開発を行う仕事ではないものの、誰しもがシステム開発の過程で悩むであろう問題に対して的確なアドバイスを行う技量が求められます。そのためOCRES認定を持っていることが伝われば、顧客の信頼を獲得し仕事が取りやすくなるのです。またOCRES試験は5年で認定が失効するため、OCRESを継続的に受験・合格し続けることで、常に最新動向を踏まえた知識を身に着けていることの証明にも役立てられます。

OCRESを持っていることで活きること

今回は組み込みシステム開発者向けの国際資格、OCRESについて解説しました。日本では知名度の高い資格とは言えないものの、組み込みシステム開発について国際的に活躍できる資格です。現場で活躍するエンジニアやマネージャーだけでなく、一線を退いた人でも活躍の機会が得られる資格ですので、気になった人はぜひ詳しく調べてみると良いでしょう。

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