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組み込みOSとは?汎用OSとの違いや主な種類などを解説!

2023.10.09更新

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この記事を書いた人

機電系専門ライター Div.長谷川

長谷川

FREE AID編集部 機電系専門ライター Div.
アナログ回路設計・営業を経験した後ライター&ディレクターとして独立。
電気電子・ITジャンルを得意とし、正確で分かりやすい情報の発信を行っています。

組み込みシステムに関わる仕事をしていると、必ず「組み込みOS」という名前が登場すると思います。ただ、OS(オペレーティングシステム)については聞いたことがあるものの、なぜ組み込みという名称がつくのか気になる方も多いのではないでしょうか。そこで本記事では、組み込みOSが一般的なOSと違う点や特徴などを詳しく紹介します。

組み込みOSとは

組み込みOSとは、その名の通り組み込みシステム用に最適化されたOS(オペレーティングシステム)のことです。OSはコンピュータにおいて最も基本となるプログラムのことで、一般的なコンピュータにはWindowsなどの「汎用OS」が多く使われています。

しかし、組み込み機器は一般的なコンピュータと異なる環境・条件での動作を行うことから、汎用OSがそのまま使えません。そのため、組み込みOSが別途開発され使われています。

組み込みOSの特徴

続いて、組み込みOSが持つ具体的な特徴を紹介します。

少ないリソースで動作する

家電や産業機器などの組み込み機器は、コンピュータのように高性能な演算処理を必要としないうえ、厳しいコスト削減が求められます。そのため、演算に使えるマイコンは最低限 の性能しか持たないことが多いです。

このような低スペックなマイコンでも問題なく動かせるよう、組み込みOSは最低限のリソースで動作するように工夫して設計されています。

リアルタイム性が高い

もう一つの特徴は、リアルタイム性の高さです。汎用OSはさまざまなタスクを高速に処理するため、イベントドリブン型の処理方法を行っています。

しかし、この処理方法はタスクのタイムリミットが明確にできないため、一定時間以内に動作を止めるなど、確実な安全性が求められる組み込みシステムには向いていません。そのため、組み込みOSではタスクの優先度を明確にし、必ず一定時間以内に処理が終わる「リアルタイム性」を持たせることで、この問題を解決しています。

リアルタイム性についてより詳しく知りたい方は「リアルタイムOSとは?汎用OSとの違いや特徴を紹介!」をご覧ください。

組み込みOSの主な種類

続いて、組み込みOSの主な種類について解説します。

Linux

Linuxは、サーバーや各種コンピュータ、組み込みシステムなど、幅広い用途で世界で最も普及しているOSの一つです。オープンソースソフトウェアで誰でも無料で使えることや、機能性の高さ、Linuxを扱えるエンジニアが多いことなどから徐々に人気を集め、主流の組み込みOSの一つとなっています。

なお、組み込み用ではリソースを制限して動作するように設計されており、特に一定以上の高機能が求められるシステムに多用されています。リアルタイム性を持たないという欠点もありましたが、最近では「RT Linux」という、リアルタイム性を向上させたソフトウェアが開発されたことで改善されています。

Android

スマートフォン向けのOSとして登場したAndroidも、組み込みOSとしての利用に注目が集まっています。こちらもオープンソースで使用料がかからないこと、利用実績が非常に多く利便性・セキュリティに優れるメリットを持っています。

組み込みOSとしては機能が多すぎるという短所がありますが、最近ではスマートデバイス化に伴って組み込み機器の機能が増加していることから、利用の幅が広がっています。

FreeRTOS

その名の通り、リアルタイム制御に特化した組み込みOSです。2017年にAMAZONが開発会社を買収した後、オープンソースで公開されています。名前にもあるように、非常に軽量で動くリアルタイムOSであり、AWSとの連携が行えるなどのメリットが認知され、一気に普及が進んでいます。

派生したOSとして、SafeRTOS、OpenRTOSという2種類のOSがあります。自動車など安全性を重視する用途はSafeRTOS、商用利用したい場合はOpenRTOSといったような使い分けを行います。

ITRON

1980年代に日本人技術者が開発した、歴史の古いオープンソースのカーネル仕様のことです。家電など、特にリソースが限られている簡易的な組み込みシステムにおいて、今でも日本国内で数多く用いられています。

ITRONは様々な仕様が考案され、今では低スペックな機器でも実用的に使える「μITRON」が代表的な存在となっています。

まとめ

今回は、組み込みOSの特徴や主な種類について解説しました。組み込みOSは組み込み機器に使うため、低スペックなマイコンでも動き、かつリアルタイム性を確保して高い安全性を持つことに特化したOSです。

組み込みOSの種類としてはさまざまなものがありますが、Linuxを使うのが現在では主流となっています。ただ、組み込み機器の高性能化に伴ってAndroidなどが使われるようにもなってきています。

組み込み機器の設計は産業用など限られた領域でしか使われませんが、IoTの普及などに伴い存在感が増している領域でもあります。これを機に組み込みOSについてしっかりと理解してみるのはいかがでしょうか。

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