シリコンサイクルとは?起きる理由をわかりやすく解説!
2024.08.28更新
機電系エンジニア必見!!貴重なフリーランス案件はこちら ▶半導体業界には、シリコンサイクルと呼ばれる需要の波があることをご存じでしょうか?本記事では、シリコンサイクルとは何かや、起きる理由などを分かりやすく解説します。
シリコンサイクルとは
シリコンサイクルとは「産業のコメ」とも言われる半導体に起きる、景気の波のことを指します。半導体は主にシリコンを使って作られることから、シリコンサイクルという名前が付けられています。この現象は過去の経験則によって得られたもので、実際に20年以上にわたり、半導体業界はシリコンサイクルに則りながら成長を続けています。
シリコンサイクルが生まれる理由
それでは、なぜシリコンサイクルという好不況の波が生まれるか、好況・不況それぞれの原因をお伝えします。
新技術の登場による需要の増加が好況に
半導体業界では、各会社が積極的に新技術の開発を進めており、非常に速いスピードでより高性能な製品が登場しています。半導体の性能向上は電子機器の性能アップや小型化などに直結するため、新製品が出ると一気に需要が高まり、各メーカーからの注文が殺到します。しかし、新しい半導体設備は構築に非常に高いコストがかかる上、時間もかかるので、すぐに供給を増やすことができません。これにより、半導体メーカーは価格を上げて強気に販売できることから、売上が向上し好況につながります。
生産数が増えると在庫が増えて不況に
供給が不足し好景気が生まれると、半導体メーカーはこぞって設備投資を行い、新しい生産設備を整えて供給を増やします。すると、各社の設備が完成した時点で供給が一気に増え、供給不足が一気に解消されます。一方、そのころには電子機器メーカーもある程度半導体の在庫を確保できているので、需要は減退していきます。すると、好況の時とは逆に供給が需要よりも多くなるので、半導体の売り上げが減少します。
とはいえ完成した設備を動かさないと損失となってしまうため、各半導体メーカーは販売価格を下げてでも製品を売ろうとします。その結果売上がさらに下がる要因となるため、半導体業界が不況に陥ってしまいます。この不況の状態は次の技術革新まで続き、新技術が開発されるとまた好況に変わっていきます。
半導体業界の需要自体は増え続けている
このように、半導体業界における需要の波がシリコンサイクルになることを説明しましたが、半導体業界の需要は全体として増えているということにも言及しておかねばなりません。SIA(米国半導体工業会)およびWSTS(世界半導体市場統計)による半導体市場の統計では、成長率には波があるものの、1996年から2023年までの間、半導体市場は長期的は右肩上がりに成長を続けているのが分かります。
出典:SIA(米国半導体工業会)
半導体はあらゆる業種において使用量が増え続けていることから、この流れは今後も変わらないと予測されています。今後もシリコンサイクルを続けながら、成長していくと考えておけばよいでしょう。
シリコンサイクルは短くなっていく
なお、今後はシリコンサイクルの波が短くなっていく、という予測もされています。その理由は、半導体の技術革新のスピードが速くなっていることと、サプライヤーが少なくなってきていることによる需給バランスのコントロールの迅速化が挙げられます。実際に、従来のシリコンサイクルは4年ほどの周期をもっていましたが、2年程度に短くなる兆候も見えてきています。
さらに、サプライヤーと電子機器メーカーで生産計画を調整することで、シリコンサイクルによる変動の幅も抑制するような努力も行われているため、今後はシリコンサイクルが大きな影響を与えることが無くなるかもしれません。
スーパーサイクルが起きるという意見も
「今後の半導体業界はシリコンサイクルではなく、スーパーサイクルになる」という話を聞いたことがある方もいるのではないでしょうか。スーパーサイクルとは、半導体業界の活況が4年を超え、中~長期的に成長し続ける現象のことを指します。実際に2017年ころから半導体の市場規模が急成長したことから「スーパーサイクルに入った」との論評が行われていました。
実際は2019年の新型コロナウイルスの影響や2023年の需要の低下により、常に成長している訳ではありません。しかし、今後も「スーパーサイクルが起きるのではないか」という意見はたびたび出てくること、そして技術の動向によってはそれが起きる可能性もある、ということには留意が必要です。
まとめ
今回は、半導体業界の需要の波を示す「シリコンサイクル」について、起きる理由などを分かりやすく解説しました0ですが、全体でみると半導体市場は成長し続けており、今後は周期が変わる可能性もあることに注意が必要です。今後半導体市場がどのように変化していくか、気になる方はぜひ動向をチェックするようにしてください。
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