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  • ロボマシンの種類・役割・構成とは?ロボットとの違いも解説!
  • ロボマシンの種類・役割・構成とは?ロボットとの違いも解説!

    2025年6月14日更新

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    この記事を書いた人

    機電系専門ライター Div.長谷川

    長谷川

    FREE AID編集部 機電系専門ライター Div.
    アナログ回路設計・営業を経験した後ライター&ディレクターとして独立。
    電気電子・ITジャンルを得意とし、正確で分かりやすい情報の発信を行っています。

    工場などで使用される工作用機械に「ロボマシン」という製品があることを知っているでしょうか。今回はロボマシンの具体的な種類や役割、構成部品などを中心に解説します。ロボットとの違いやロボマシン事業に力を入れている企業についても紹介しているので、ぜひ最後まで読んでみてください。

    ロボマシンとは?ロボットとの違いも解説

    ロボマシンとは?ロボットとの違いも解説

    ロボマシンとは、超精密加工分野で使用される工作機械のことです。産業用ロボットと一体化した構造をしており、無人で加工や組み立てなどを行えるといった特徴を持っています。通常の産業用ロボットより精密な加工を得意としており、製品により細かい仕様は異なるものの、製品品質の向上や加工時間の短縮といったメリットが得られます。また、インターフェース部が内蔵されている製品が多く、ロボットアームに比べて扱いやすいのも特徴です。

    ロボマシン事業に力を入れる企業は?

    ロボマシン事業に力を入れる企業は?

    引用:FANUC

    ロボマシン事業に特に力を入れている企業として、1972年に設立されたファナック株式会社が知られています。2010年代前半、iPhoneの加工を担う電子機器受託生産サービス企業(通称EMS企業)に対して大量のロボドリルを納品したことで、ロボマシン事業の大手として知られるようになりました。

    同社はロボマシン事業の他に、CNC(コンピュータ数値制御)やサーボ、レーザなどの製品を扱うFA事業と、産業用機械を扱うロボット事業にも力を入れており、FA事業で培った技術がロボマシン事業を支えていると言われています。

    ロボマシンの種類と役割

    続いて4種類のロボマシンについて、具体的な役割を中心に解説していきます。

    切削加工に使用するロボドリル

    ロボドリルは日本語で小型切削加工機とも呼ばれ、名前の通りアルミや鉄などの金属材料の穴あけや切削加工の用途で使用される機械です。非常に優れた加工性能を有しているにも関わらず機器サイズが小さく、他の機械に比べて設備の設置面積を小さくできる上に、使用エネルギーが抑えられる利点があります。

    ファナック株式会社が取り扱う代表的なロボドリル製品としては、アルミ材料の加工に特化したROBODRILL α-D21MiB5ADV+DDRiBや、鉄の加工に特化したFANUC ROBODRILL α-D21MiB5ADVなどがあり、実際にロボドリルによって加工した部品としては、腕時計用のベゼルや自動車過給機用のインペラ、航空機用のタービンブレードなどが挙げられます。

    射出成形に使用するロボショット

    ロボショットは射出成形を行う機器で、日本語では電動射出成形機とも呼ばれます。射出成形とは、密閉された金型に溶融した樹脂を注入し冷却することで、部品を成形する技術のことです。ロボショットによって作られた主な製作部品としては、スマートフォン用のレンズや医療部品、自動車部品などが挙げられます。

    射出成形において成形部品のクオリティを左右するのは、樹脂を注入する際の金型の型締力と樹脂の注入圧力のバランスです。そのため、ロボショットでは型締力と注入圧力の両方をモニタリングしながら最適なバランスで射出成形を行い、成形部品のクオリティを高めています。また、注入する樹脂の量を最適化しつつ逆流防止の機構を設けるなど、成形部品に不要な樹脂が付く糸引きや、金型内部の汚れを最小限に抑える工夫もなされています。

    切断加工に使用するロボカット

    ワイヤ放電加工機とも呼ばれるロボカットは、名前の通り上下に延びたワイヤ電線に電気を流し、材料を溶断しながら加工するロボマシンです。0.1mmオーダーの線径のワイヤを使用し、ワークの位置や室温変化による熱変位などを正確に測定しながら加工するため、μmオーダーのピッチ径で加工できる特徴があります。またワーク対象を斜めに切断するテーパ加工や、高精度な真円加工も可能です。

    溶断の原理上、導電性のワークしか加工できず、加工に時間がかかるデメリットはありますが、他の加工方式より精密に加工できることから、様々な金属部品の精密加工に使用されています。また最近では、自動運転を支える高精度な結線技術が確立された製品や、ワークとノズルを離して加工できる製品なども販売されています。

    超精密加工に使用するロボナノ

    ロボナノは名前の通りnmオーダーの加工が行えるロボマシンで、最新型式では0.1nmオーダーの加工が可能です。加工の精密さという点ではこれまで紹介してきたどのロボマシンよりも優れるものの、一般的には部品の成形ではなく特殊な表面加工に使用されることが多いです。
    具体的な加工の例としては、超硬材料の表面に曲率が少ない凹みをつけたり、脆性材料が破壊されないよう加工したり、金属材料の表面に微細な意匠性のある微細な加工を施す加工が挙げられます。これらの微細な精密加工では、個体軸受の摩擦による引っ掛かりや、油軸受部の発熱による歪みといった僅かな誤差要因ですら問題となるため、空気軸受の使用など様々な工夫がされているのが特徴です。

    ロボマシンに欠かせない部品について

    ロボマシンに欠かせない部品について

    全てのロボマシンに共通する機構として、CNCやサーボ機構を欠かすことはできません。それぞれの役割や求められる性能などを解説していきましょう。

    CNC(コンピュータ数値制御)機構

    CNCとはセンサから得られる情報などを頼りに、駆動部となるサーボ部に対して様々な制御信号を出力する部分のことです。一般的には作業者が操作や状態監視を行うインターフェース部分も含めてCNCと呼ぶことが多く、高性能なパソコンと考えると分かりやすいでしょう。

    最新のCNCが行える制御の例として、複数の温度センサを利用して周囲の温度変化をリアルタイムに監視し、温度変化に起因する金属材料の変位をAIで予測して補正を行う機能が挙げられます。また切削加工において軸の回転速度を僅かに変動させることで、工具とワーク対象の共振によって生じるビビり振動を抑制する機能を持つ製品もあります。ロボマシンの種類によってCNCに求められる機能は異なるものの、一貫して高性能な制御性能が求められると覚えておきましょう。

    サーボ機構

    ロボマシンにおいて、工具やワークを正確に動かす駆動部となるのがサーボ機構です。具体的には、CNCから送られてきた信号を増幅するサーボアンプ、実際に駆動するサーボモータ本体、サーボモータの位置や速度などを検出するエンコーダを組み合わせた機構一式を指しています。

    サーボ機構単体でも高性能かつ安定した動作が求められ、加工負荷や周囲温度の変化に対しリアルタイムで補正を行ったり、加工の際に生じる切り屑を工具の振動を利用して裁断する機能を持つ製品などがあります。また、優れた保守性を有している製品も多く、モータ自体の故障を事前に検知して知らせたり、モータが故障してもワンタッチで取り替えられる製品もあります。

    まとめ

    今回は通常の産業用ロボットに比べ、一段と精密な加工が行えるロボマシンについて解説してきました。通常のロボットとの違いや種類などはもちろんのこと、精密加工を実現するための特殊な技術や機構なども理解できたのではないでしょうか。ロボットに比べると用途が限定的で製品のバリエーションも少ないですが、精密さを高めるための技術が結集したマシンでもあるので、興味がある人はぜひ詳しく調べてみると良いでしょう。

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