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  • ノーマルモードとコモンモードの違いとは?特徴や対策方法を含め解説!
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    2024.08.20更新

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    この記事を書いた人

    機電系専門ライター Div.長谷川

    長谷川

    FREE AID編集部 機電系専門ライター Div.
    アナログ回路設計・営業を経験した後ライター&ディレクターとして独立。
    電気電子・ITジャンルを得意とし、正確で分かりやすい情報の発信を行っています。

    電子機器のノイズ対策を行う上で「ノーマルモード」「コモンモード」の違いを知ることは非常に重要です。しかし、なぜこのような違いがあるのかや、それぞれの対策方法は理解しづらく、困っている方も多いのではないでしょうか。そこで今回は、モードによるノイズの違いと対策方法を詳しく解説します。

    ノイズの種類とは

    まず前提として、ノイズになぜ種類があるのかを解説しましょう。ノイズとは、電子機器において必要な信号以外に受信してしまう、あらゆる電気信号のことを指します。電気信号は電子機器などの人工物から発生するのはもちろん、さまざまな自然現象によっても発生します。これらのノイズの要因は幅広いため、それぞれの違いは判別できませんが、ノイズが流れる経路ごとで「放射ノイズ」と「伝導ノイズ」の2種類に分類できます。

    伝導ノイズは電線や電子回路のパターンを通して入ってくるノイズのことです。雷サージを始め、非常に強いノイズが入ることがありますが、ノイズの侵入経路が分かりやすく対策が行いやすいという特徴があります。ノーマルモードノイズ、コモンモードノイズはどちらも伝導ノイズの一種です。

    一方、放射ノイズは空間を通して入ってくるノイズのことです。ノイズの侵入経路が分かりにくく、対策が難しいという側面があります。なお、放射ノイズの方はEMC(電磁両立性)という形で規格が定められています。より詳しく知りたい方は「EMC(電磁両立性)とは?規制の種類や対策方法などの概要を伝授」をご覧ください。

    ノーマルモードとコモンモードの違い

    それでは、最も気になるであろうノーマルモードとコモンモードの違いを紹介しましょう。一言でいうと、ノーマルモードとコモンモードは「電流が流れる経路が違う」ことにより分類されます。ノーマルモードは「電源から流れたノイズが、GNDを通って帰ってくる」ノイズのことです。一方、コモンモードは「電源とGNDで同方向に流れるノイズが、外部のGNDを通って帰っていく」ノイズのことを指します。

    違いは非常にシンプルですが、ノイズの経路が異なると対策方法も大きく変化するため、非常に重要な違いだといえます。

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    ノーマルモードノイズの特徴と対策

    続いて、ノーマルモードノイズがどのような特徴を持つかや、対策方法などを解説します。

    ノーマルモードノイズの特徴

    ノーマルモードノイズは、信号線を通って入ったノイズが、GNDを通して帰っていくノイズのことです。ディファレンシャルノイズとも呼ばれます。ノイズ強度は強いことが多いですが、ノイズの侵入経路が分かりやすいため、対策が比較的簡単というのが特徴です。

    ノーマルモードノイズの対策方法

    ノーマルモードノイズの場合、対策部品を信号・GND線に入れるのが一般的な対策方法です。具体的には、バイパスコンデンサなどのC成分や、また、フェライトビーズなどのL成分を組み合わせ、フィルタ回路を作ってノイズを平滑化することが多いです。

    ただ、これらの方法では必要な信号も劣化させてしまうという欠点もあります。特に周波数の高い信号を扱う場合は、設置個所や定数を慎重に選ぶ必要があるでしょう。また、フィルタ回路にオペアンプなどを入れることで、ノイズを抑制しつつ信号を増幅させるアクティブフィルタにすることも可能です。特に信号強度が弱い場合に使えます。

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    コモンモードノイズの特徴

    続いて、コモンモードノイズの特徴や対策方法についてお伝えします。

    コモンモードノイズの特徴

    コモンモードノイズは、信号やGND線を通って入ってきたノイズが、他の経路を通って帰っていく形のノイズです。ノイズ強度はノーマルモードノイズより小さいことが多いですが、どの経路を通ってノイズが流れているかが非常に分かりづらく、的確な対策を打つのが難しいといった特徴があります。

    また、コモンモードノイズは信号・GND線に等しく入るため、それぞれのインピーダンスが等しい場合には悪影響を及ぼさないこともあります。そのため、設計変更や設置場所の変更など、小さな変化で機器に与える影響が変わる可能性があることにも注意が必要です。

    コモンモードノイズの対策方法

    コモンモードノイズの場合、ノイズの経路を明確にするのが難しいうえ、根本的な対策を行うのも難易度が高いです。そのため、ノイズが入りやすいケーブルのシールド性能を向上させるなど、基本的なノイズ対策を行い、効果を確かめていく必要があります。

    また、コモンモードチョークコイルやフェライトコアを使うのも有効です。これらの部品は、信号・GND線をコイルとして磁石に巻きつけた構造をしており、コモンモードノイズのみを除去できます。ノーマルモードに対しては影響を与えず、必要な信号を劣化させないというメリットもあるため、コスト面に問題がなければ使ってみると良いでしょう。

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    まとめ

    今回は、ノイズ対策で名前がよく挙がる「ノーマルモードノイズ」「コモンモードノイズ」について解説しました。これらのノイズはケーブルから伝わる伝達ノイズの一種で、ノイズが入る経路の違いによって分類されています。

    どちらのノイズに対しても、フィルタ回路やフェライトコアの挿入など、一般的な対策方法はいくつかあります。しかし、入ってくるノイズの特徴は環境により大きく変わるので、単純な対策では解決できないことが多いです。ノイズ対策を行う際は、基本的な対策を一つずつ効果を確かめながら行うようにしてください。

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