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  • 積層セラミックコンデンサとは?仕組みや特徴を分かりやすく解説!
  • 積層セラミックコンデンサとは?仕組みや特徴を分かりやすく解説!

    2024.08.27更新

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    この記事を書いた人

    機電系専門ライター Div.長谷川

    長谷川

    FREE AID編集部 機電系専門ライター Div.
    アナログ回路設計・営業を経験した後ライター&ディレクターとして独立。
    電気電子・ITジャンルを得意とし、正確で分かりやすい情報の発信を行っています。

    電子回路の実装部品において、必ず大量に使われている積層セラミックコンデンサ。なぜここまで使われているのか、気になる方もいるのではないでしょうか。そこで本記事では、積層セラミックコンデンサの基本的な情報を分かりやすく紹介します。

    積層セラミックコンデンサとは

    そもそもセラミックコンデンサとは、酸化チタンなどのセラミック材料を誘電体として使い、両端に電極を挟んでコンデンサとしての機能を持たせた製品のことです。このセラミックコンデンサは製造しやすく安定性に優れるといった特徴がありますが、単純に2枚の電極で挟んだだけでは静電容量が小さすぎて活用できません。

    そこで、セラミックの中に微細な電極を大量に入れて積層構造のコンデンサにすることで、小型ながら大容量のコンデンサを実現しているのです。この構造から「積層セラミックコンデンサ」という名前が付けられています。

    積層セラミックコンデンサは小型・大容量化が進んでいる

    積層セラミックコンデンサの特徴として、小型・大容量化がすさまじいスピードで進んでいる、というのが挙げられます。セラミックコンデンサは加工が容易なので、内部の微細構造がより細かく、精密に作られるようになっています。その結果、低容量の0.1μFであれば0201サイズ(0.2×0.1mm)という目では形状が判別できないレベルにまで小型化が進んでいます。また、大型サイズでは基板実装用でも1000μFといった大容量の製品が量産されています。

    この小型・大容量化はムーアの法則に従うほど加速度的に進んでいるため、今後もさらなる進化が見込まれます。特に小型化はプリント基板の省スペース化に対するニーズが強いため、今後は目に見えないような極小サイズも開発されるでしょう。

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    積層セラミックコンデンサの特徴と注意点

    続いて、積層セラミックコンデンサがどのような特徴を持つのかを、注意点も含めて解説します。

    小型・大容量で安価

    積層セラミックコンデンサは前述したように小型で大容量を実現しているうえ、安価に購入できるので利用の幅が広い、という特徴があります。抵抗値の調整が簡単でラインナップが豊富なこともあり、基板実装用のチップコンデンサはほとんどが積層セラミックコンデンサになっています。

    高周波特性・熱耐性に優れている

    周波数特性や熱耐性に優れている点も、積層セラミックコンデンサの見逃せない特徴です。コンデンサはインダクタンス成分により高周波信号が減衰するため、扱いには注意が必要となります。また、コンデンサは高温で使用できないものが多く、使えても寿命が極端に短くなるなどのデメリットを持ちます。その点、セラミックコンデンサは周波数特性が良く耐熱性も非常に高いので、信号周波数や環境温度を気にせず利用できます。

    DCバイアス特性・温度特性は悪い

    このように、優れた特徴の多い積層セラミックコンデンサですが、欠点も持っています。まずDCバイアス特性が悪いので、電源ラインなど直流電圧が流れる回路で使用すると静電容量が激減してしまいます。また温度上昇によっても静電容量は減るので、特に大容量が求められる用途では、使うシーンに注意する必要があります。

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    積層セラミックコンデンサの製造プロセス

    次に、積層セラミックコンデンサがどのように作られるのか、製造プロセスの概要も説明しましょう。製造プロセスには印刷工法とシート工法がありますが、より微細な構造が高品質に作れるシート工法が主流になっています。

    シート工法は誘電体をシート状に作り、積層させて加圧し、チップコンデンサの形にする工法のことです。工程を大まかに分類すると、薄い誘電体シートに電極ペーストを塗布して積層させる工程、積層したシートをプレス後カットして形を整える工程、焼結して外部電極を取り付け、めっきを施す工程に分かれます。

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    積層セラミックコンデンサのサイズ表記に注意

    セラミックコンデンサの特徴からは少し外れますが、設計においてコンデンサを選定する上では、サイズ表記に注意しなければなりません。通常、チップコンデンサは「1608」といったようなサイズ表記が行われています。この表記はJIS規格により「mm」単位での表記であることが定められており、1608であれば長辺が1.6mm、短辺が0.8mmとなります。

    しかし、欧州の規格であるEIA規格では「inch」単位で同様の表記が定められているため、サイズが違うのに表記が同じ、といった状態になります。日本で見かけることは多くありませんが、inch表記のほうが2.5倍ほど実際のサイズが大きくなるので、選定の際は注意しましょう。

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    まとめ

    今回は、積層セラミックコンデンサについて知りたい方に向け、特徴や製造プロセスなどの解説を行いました。積層セラミックコンデンサは小型で大容量、かつ性能がよく安いといった特徴を持つため、チップコンデンサとして圧倒的に使用されているコンデンサです。

    非常に薄い誘電体セラミックと電極が幾重にも重ねられることで性能を向上させており、製造技術の進化に伴って今なお小型化・大容量化が進んでいます。直流バイアス特性や温度特性が悪いといった注意点もあるので選定時には注意しなければなりませんが、今後もより活用の幅が広がることが期待できます。

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