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SoC(システムオンチップ)の意味や語源とは?特徴やメリットを分かりやすく解説!

2023.10.06更新

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この記事を書いた人

機電系専門ライター Div.長谷川

長谷川

FREE AID編集部 機電系専門ライター Div.
アナログ回路設計・営業を経験した後ライター&ディレクターとして独立。
電気電子・ITジャンルを得意とし、正確で分かりやすい情報の発信を行っています。

パソコン、スマホ、家電、工場用機械など、今では半導体を使った製品を見かけないことはほとんどありません。そんな半導体製品において、単一の機能を持ったトランジスタやダイオード、ICなどに対し、単体で複数の機能を持ったシステムチップをSoCと呼びます。

今回は半導体製品の高集積化や高機能化に欠かすことのできないSoCについて、使用メリットや課題点にも触れながら解説していきます。

SoCとは

SoCとは「System on a Chip」の略語で、チップに搭載されたシステムという意味です。名前にシステムが入っている通り、CPUやメモリ、I/Oといったシステムに必要な要素全てが1つのチップに集約されています。なお、1つのチップに複数の機能を搭載した素子と聞いて、マイクロコントローラやLSI、ICなどを想像する方も多いと思いますが、これらはCPUやメモリのいずれか1つの機能しか搭載していません。

そのため本当の意味でシステムと呼べる機能を持たせるには、複数の素子を組み合わせて回路を構築する必要があります。これに対し、チップ1枚でシステムの要素全てを網羅したのがSoCとなります。

SoCの歴史と今後

SoCの歴史は半導体集積回路の発展の歴史でもあります。1940年代に誕生したダイオードやトランジスタなどの半導体素子は目覚ましい速度で進歩し、1950年代に現代のICやLSIの前身となる集積回路が誕生します。その後もムーアの法則が示す速度で回路の集積度は向上し続け、1980年代に大規模集積回路が、そして1990年頃に現在のSoCが誕生し、現在も様々な用途で活躍しています。

単一でシステムを構築できるSoCは、デジタルトランスフォーメーションを促進する上で重要な役割を持つ可能性があります。例えば、様々なセンサーをあらゆる物に取り付けて情報収集するIoT技術では、データを測定するセンサー、測定データを保持するメモリ、データに対する演算処理を担うCPU、他のデバイスとデータをやり取りするI/Oなどの機能が必要です。SoCであればこれらの機能を単一の汎用素子で実現できるため、高機能なセンサーとして素早く大量製造できる可能性があります。

SoCを使う主なメリット

これからのデジタル時代に欠かすことの出来ないSoCについて、その活用メリットを具体的に5つ解説していきます。大規模集積回路との比較も交えながら解説してくので、詳しく知りたい方は必見です。

基板の小型化と軽量化が実現可能

まず1つ目のメリットとして、基板の小型化と軽量化が実現可能な点が挙げられます。既に説明したようにSoCは単一の素子にCPUやメモリ、I/Oインターフェースなど複数の機能が搭載されています。同等の機能を大規模集積回路で実現しようとすると、各機能を持った素子同士を互いに接続する通信機構や部品毎の電源機構、各素子同士の形状によって生まれる配置上の無駄などが発生します。

これに対し、既に単一で完成しているSoCであれば、余計な通信機構は不要なうえ、内部素子の配置や形状も最適化されているため小型で軽量なチップを作ることができます。

大量生産時のコストを抑えられる

SoCを使えば半導体製造にかかるコストも抑えられます。大規模集積回路でシステムを構築する場合、必要に応じて複数のIC素子を購入し、工場などで組み立てる必要があり、ICなどの部品費の他に部品輸送費や組み立て作業費などのコストも発生します。一方でSoCを使えば、これらの費用を掛けずにシステムを構築できます。

また、素子の形状や大きさが毎回変わる場合は組立ラインやソフトウェアの設定も複数必要ですが、単一で完結するSoCであればその心配もありません。

使用する部品が減らせる

SoCを使えば回路設計に必要な部品も減らせます。通常の集積回路であれば機能毎にIC素子を用意しなくてはなりません。部品の増加は製造工程において管理する対象が増加する上、製品としての故障点の増加や各部品同士の仕様適合性を確認する必要性が発生します。

特に多数の部品を使った大規模設計では、販売終了や世界情勢の変化などの理由でたった1つの部品でも手に入らないとシステムを作ることができず、製作遅延や設計の見直しを余儀なくされます。同様にSoC自体が手に入らない可能性もありますが、単一でシステムが完結する以上、他社製品を使用するなどの代替案を容易に実行できるのも強みと言えるでしょう。

消費電力を抑えられる

SoCには消費電力が少ないメリットもあります。集積回路では、各部品が待機中であっても発生する待機電力や、回路内を流れる電流によるジュール損失などの余計な電力が常時消費されています。待機電力は待機中の部品への電源供給を止めれば防げますが、個別に電源を抱える集積回路では電源の管理が複雑になりがちです。

また、通信によるジュール損失も回路線の長さで変わるものの、集積回路では各部品同士の配線は極度に短くすることは困難です。これらに対し、単一素子のSoCであれば、1つの電源でシステム全体を動かすため高効率の電源管理も容易な上、部品間を繋ぐ回路配線も不要なため回路電流によるジュール損失も最小限に抑えることができます。

高速な動作が可能

集積回路より高速に動作する点もメリットです。すでに説明したように、大規模な集積回路では機能ごとのICチップを互いに繋ぎ合わせて回路を構築します。回路を流れる信号は光速に近い速度で伝搬しますが、複数の演算を多数同時進行させると通信ラグによる遅延が発生するようになり、集積回路の配線が複雑になるほど遅延は顕著になります。

一方のSoCではシステムの構成機器が全てチップ内に収められているため、信号伝搬距離に起因する遅延はほとんど発生せず、集積回路よりも高速な動作が実現できます。

SoCに残された課題

これまで説明したように、集積回路に比べて様々なメリットを持つSoCですが、実際には集積回路に劣る課題点も存在します。まず、SoCは複数の機能を搭載したシステムチップであるため、各種機能同士のちょっとした仕様変更や不具合が他の機能に影響を及ぼす恐れがあり、単一機能だけ実装する集積回路などに比べて製造期間が長くなりがちです。

コスト面でも集積回路を集めてシステムを構築するのに比べれば安価に抑えられる反面、シンプルなシステムであれば集積回路の方が安上がりの可能性もあります。更に単一でシステムとして完成しているため、ユーザーのニーズに合わせた性能変更や、部品の部分的なアップグレードなどの拡張性にも向いていません。これらの理由から受注生産などの小規模な生産や販売には向いていません。

まとめ

今回はシステムとして完成した半導体チップ「SoC」について解説しました。大規模集積回路の存在は知っていても、単一チップでシステムを構築できることまでは知らなかった方も多いのではないでしょうか。半導体集積回路の集積度はムーアの法則が示す通り今後も一定のスピードで向上していく可能性が高いので、より小さく、より高機能なSoCが登場するのも時間の問題です。

今後のデジタルトランスフォーメーションを実現する上でも欠かすことのできない存在になると思われるため、今後の発展に引き続き注目していきましょう。

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