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  • ディスクリート部品(半導体)とは?種類やモジュールとの違い、市況について
  • ディスクリート部品(半導体)とは?種類やモジュールとの違い、市況について

    2025年9月5日更新

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    ディスクリート部品(半導体)とは?

    ディスクリート部品(半導体)とは、電子回路で使用される、単一の機能を持った電子部品(素子)のことです。抵抗やコンデンサ、ダイオードなどが該当し、樹脂でパッケージングされ、電子回路に接続するための端子を取り付けた状態で販売されています。

    ディスクリート部品とは

    ディスクリート部品は基本的な機能しか持たないので、単体では製品として成り立ちません。しかし、複数のディスクリート半導体を組み合わせれば自由自在に電子回路の機能を生み出せるため、多くの製品に採用され使われています。1つの回路に数十個以上使われるため、部品は大量生産によって作られており、各メーカーでパッケージや機能が共通化されていることが多いです。

    ちなみに、「ディスクリート半導体」はダイオードやトランジスタなど、半導体を使った能動素子を指すのに対し、「ディスクリート部品」は抵抗やコンデンサなどの受動素子も含んだ素子全体を指します。

    モジュールとの違い

    ディスクリート部品と対になる電子部品は、モジュールと呼ばれます。モジュールは、単一の目的を実現するため、複数のディスクリート部品を組み合わせ、一つの部品にパッケージングした部品(IC)のことです。モジュールはディスクリート半導体のような自由度はなく、目的に合致したものしか使えません。ただその分サイズが小さくなるほか、モジュールとしての性能が担保されるので、設計にかかる手間が大きく減らせます。

    近年はモジュール部品の微細化が進んでおり、ナノメートル単位のディスクリート半導体が大量に内蔵された製品が数多く登場しています。コストやサイズ上のメリットが大きいため、モジュールを可能な限り採用し、モジュールの採用が難しい所はディスクリート部品を使うといった設計が一般的になっています。

    ディスクリート部品の種類

    ディスクリート部品の種類

    続いて、主なディスクリート部品の種類を紹介します。

    抵抗

    抵抗値の高い金属を使い、流れる電気エネルギーを熱として放出するディスクリート部品です。最も基本的な部品であり、電源の分圧、電流の制限、電流値を測るシャント抵抗など、幅広い用途で利用されています。

    コンデンサ

    コンデンサは金属板を平行に配置し、間に絶縁体を挟むことで、電荷を貯えるディスクリート部品です。蓄電、電圧変動の抑制、サージ吸収などの用途として、抵抗と同様にあらゆる電子回路で使われています。交流電流は通し、直流電流は絶縁する機能も持っており、ハイパスフィルタとしても使えます。

    コイル

    コイルは、導線を何重にも巻いた形状のディスクリート部品です。巻線に電流を流すと磁界が発生することから、電気エネルギーを磁束に変換して蓄積できるのが特徴です。また、交流電流が流れると、発生した磁束が電流を妨げるように作用するため、ローパスフィルタとしての役割も担います。電源を昇圧・降圧するためのスイッチング電源で必ず使われるほか、抵抗・コンデンサと組み合わせてフィルタ回路としても用いられます。

    ダイオード

    ダイオードは、回路の電流を一方向にのみ流し、逆方向の電流をさえぎるために使われるディスクリート部品です。順方向電流のみを取り出す整流回路に使われるほか、電波から音声信号を取り出す検波回路などに使われます。また、電流を光に変換するLEDや、逆電圧を一定に保つツェナーダイオードなど、特殊なダイオードもあります。

    トランジスタ

    トランジスタは、信号のスイッチングや増幅器として働くディスクリート部品です。電子回路の小型化に大きく貢献した部品であり、今ではIC内部にナノメートルサイズのトランジスタが形成されるまでに至っています。主にバイポーラトランジスタ、MOSFET、IGBTに分類されており、用途に応じて使い分けを行います。

    水晶振動子

    水晶振動子は、特定の周波数を持ったクロック信号を出力するディスクリート部品です。非常に安定した周波数の信号を出せるのが特徴で、ICを適切に制御するためのクロック源として欠かせない存在であり、電子回路に必ず一つは使われます。

    ディスクリート部品の市況

    ディスクリート部品の市況

    このように、ディスクリート部品・半導体は昔からある一般的な部品ばかりですが、部品の需要は伸び続けており、技術開発も盛んに継続されています。そんなディスクリート部品の市況についても紹介します。

    小型化が進みつづけている

    ディスクリート部品は、マウンターや人の手により実装を行うことや耐熱性の問題から、ある程度のチップサイズを有しているのが通常です。しかし、電子回路の小型化・高密度化への要求は高まっており、今では米粒より小さなチップサイズの部品も多数登場しています。また、今後もさらなる小型化が進むことが予想されます。

    ディスクリート部品の市場は成長中

    ディスクリート部品は目立たない存在ですが、半導体市場において堅実に成長を続けています。その理由には、あらゆる製品が高機能化するのに伴って、製品あたりの部品点数が増え続けていることがあります。

    特に顕著なのが、AIや5G通信の発展に伴って、日々やり取りされる情報量が爆発的に増加することです。データを蓄積するデータセンターや、モノのインターネットと呼ばれるIoTデバイスの需要が非常に増加するため、ディスクリート部品の需要もそれに合わせて増加しています。

    パワー半導体の成長が顕著

    ディスクリート部品の需要が増加している分野の一つに、電気自動車や電力など大電力を扱う業界がありますが、これらの分野ではパワー半導体の需要が特に高まっています。パワー半導体とは、SiCやGaNなどの材料を使い、大電力分野の性能を向上させた半導体のことです。主にバイポーラトランジスタ、パワーMOSFET、IGBTとして使われています。

    パワー半導体はまだまだ発展途上の技術であり、今でも世界中の企業が開発に力を入れています。現在は日本勢が世界トップのシェアを持っていますが、各国が性能向上とコスト低減に取り組んでいるため、これから電気自動車や電力、通信、産業機器から家電まで、さまざまな電子機器に搭載され、消費電力の低減が実現すると期待されます。

    まとめ

    今回は、ディスクリート部品の意味や、該当する部品の種類を中心にお伝えしました。ディスクリート部品は一つの機能しか持ちませんが、その分汎用的に電子回路を設計できることから、電子回路の設計には欠かせない存在です。ディスクリート部品は需要が高まり続けており、更なる小型化や、パワー半導体による効率向上など、さらなる技術革新も期待されます。最新の動向を把握し、最適な部品選定を行いましょう。

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    この記事を書いた人

    機電系専門ライター Div.長谷川

    長谷川

    FREE AID編集部 機電系専門ライター Div.
    アナログ回路設計・営業を経験した後ライター&ディレクターとして独立。
    電気電子・ITジャンルを得意とし、正確で分かりやすい情報の発信を行っています。

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