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電子回路設計の入門!基礎知識から回路の組み方まで分かりやすく徹底解説!

2021.10.19更新

電子回路設計と聞くととっつきにくそうな感じがしますが、最近では電子工作キットや工具などが市販されており、産業分野だけでなく趣味としても電子回路に触れることができます。この記事では、電子回路設計に興味がある幅広い方々に向けた入門として、勉強の進め方や基礎知識などについて大まかに説明していきます。

超入門:電子回路の基礎知識

電子回路とは?

電子回路とは?

電子回路は電気を通す導線と、さまざまな役割を持つ「素子」と呼ばれる部品で構成された回路のことです。電気の通り道に素子を置き、電気の動きや性質をコントロールすることで、さまざまな機能を持った装置や機械を作ることができます。

電子回路は身の回りにある家電やスマートフォン、産業用ロボットなど、社会や生活を支える幅広い機械に組み込まれ、それらを制御する神経のような役割を担っています。

「電気回路」との違い

電子回路に似たものとして、電気回路があります。どちらもよく似た言葉ですが、回路を構成する素子や電気の扱い方に違いがあります。

まず素子には、流れてくる電気をそのまま利用する受動素子と、電気の性質(電圧や周波数、電流など)を変化させることができる能動素子の2種類があります。

電子回路では電気を「信号」として扱い、能動素子と受動素子で構成されているのに対し、電気回路では電気を「エネルギー」として扱い、受動素子のみで構成されています。

電波を信号として扱うようなテレビやラジオは電子回路、電気をエネルギーとして扱うような懐中電灯(白熱灯)は電気回路、といったイメージになります。

デジタル回路とアナログ回路

電子機器の基盤

電子回路は電気信号の扱い方の違いによって、さらにデジタル回路とアナログ回路に分けられます。

デジタル回路

デジタル回路では、信号を1と0の非連続的(離散的)な値で表します。連続的な値をとるアナログ信号にしきい値を定め、信号に含まれる情報の切り上げや切り捨てを行うことで、1と0のデジタル信号にすることができます。

信号が簡単なので記憶や情報処理、回路設計が簡単である一方、たくさんの情報を伝えるのに時間がかかるなどの欠点もあります。

アナログ回路

アナログ回路では電圧や電流などの物理的な量を信号とし、信号は連続的な値をとります。情報が1か0で表される単純なデジタル回路と比べると、連続的な値を情報とするアナログ回路は考慮する要素が多く複雑になるため、理解や回路設計が難しくなります。

しかし、たくさんの情報を短時間で伝達したり、デジタル回路ではできない機能を実現させることができる、といったメリットもあります。

電気理論入門

電球

電子回路の組み方を勉強する前には、まずは基本的な電気の知識を身に着ける必要があります。小学校や中学校で習った内容も電子回路を学ぶ上で必要な知識になりますので、ここで簡単におさらいしておきましょう。

オームの法則

電流と電圧、抵抗の関係を表した法則です。電圧の大きさは電流と抵抗(電気抵抗)の大きさに比例し、電圧=抵抗×電流 で表すことができます。

右ねじの法則

電流の向きと磁場の向きの関係を表した法則です。導線に電気が流れると、その周りに磁場が発生します。このとき、磁場の向きは電流が流れる方向を向いて右回り(時計回り)になります。

この現象をねじを締めるときの様子に重ね合わせ、電流の方向をねじが進む方向、磁場の方向をねじを回す方向として考えると、ねじを回して締めるときと同じになります。また電流の方向をねじを回す方向、磁場の方向をねじの進む方向にしても同じです。

左手の法則

電流と磁場、力の向きの関係を表した法則です。導線を流れる電流に外から磁場がかかると力が生まれます。この法則では左手の親指を力、人差し指を磁場、中指を電流の向きとして表し、3つの力は互いに垂直方向に作用しています。

直列つなぎと並列つなぎ

導線のつなぎ方のことです。複数の電源(電池)や出力先(豆電球など)を導線上で一直線につなぐ方法を直列つなぎ、一本の導線から枝分かれさせてつなぐ方法を並列つなぎといいます。直列と並列どちらでつなぐかによって、電気を消費する速度や電力の大きさが異なります。

素子入門:電子回路設計で使う部品

コイル(インダクタ)

電子回路では、電流の流れを制御するために様々な部品が使われており、これらを「素子」と言います。電子回路設計を適切に行うには、それぞれの素子の役割や特徴を理解しておく必要があります。

コンデンサ

電気の貯蓄や放出を行う素子で、電気の貯蔵や放出ガスや樹脂、セラミックなどの絶縁体を2枚の金属板で挟んだ構造をしています。充電や放電を行うことによって電源として働くほか、電圧の変化を吸収したり、電気信号のノイズを取り除く働きもあります。

コイル(インダクタ)

導線をらせん状に巻いたもので、電気を流すと右ねじの法則によって磁界が発生し、磁石のような性質を持ちます(電磁石)。発生した磁界は電気と相互作用し、互いの変化に逆らう性質があります。

こういった性質から、電流の安定化や電圧の変換、一時的なエネルギー(磁気エネルギー)の貯蓄などの目的で利用されます。

抵抗器

電流に抵抗を与えて流れにくくする素子で、回路に流れる電流を制限、調整する役割があります。回路に過剰な電流が流れないようにすることで、ショートなどを防ぎます。

ダイオード

半導体を利用して、電流を一方向にしか通さない素子です。しかし、逆方向から一定以上の電圧がかかり続けると電気が流れるようになり、この逆方向の電圧は電流が増えても変化しない性質があります。

こういった性質から、電流の逆流防止(整流作用)や電圧制御、ラジオなどの電波から音声信号を取り出す(検波)といった目的で利用されます。

トランジスタ

半導体を利用して電気の流れや大きさをコントロールする素子です。電気信号を増幅する機能や、回路のON/OFFを切り替えるスイッチ動作の機能があります。

ラジオなどの微弱な電波を増幅したり、電気信号のON/OFFを切り替えるといった目的で利用され、あらゆる機器に組み込まれています。

IC:集積回路

トランジスタや抵抗、コンデンサなど、さまざまな素子をシリコンでできた基板上に集積させたものです。電子基板に素子を差し込み、配線して作るようなもの(鉱石ラジオなど)に比べると、集積回路は場所をとらないという利点があります。

ICチップなどにして小型化することが可能で、これによって様々な機能を搭載できるようになります。電子回路でよく耳にするオペアンプは、微弱な電気信号を増幅する機能を備えた集積回路です。

受動素子と能動素子

先述したように、素子は受動素子と能動素子の2種類に分けられます。

受動素子は与えられた電力の消費や放出、蓄積を行う素子で、コンデンサやコイル、抵抗器が該当します。

能動素子は与えられた電気の性質(電圧や周波数、電流など)を変える機能を持つ素子で、ダイオードやトランジスタ、集積回路などが該当します。

電子回路設計入門

電子基板

電子回路設計の学習にあたって、知識や理論をしっかり勉強してから実践に移る方法と、実際に回路を設計しながら組み方を勉強する方法があります。一人一人やりやすい方法で勉強するのが良いですが、実践しながら勉強したい方にはRaspberry Pi(ラズベリーパイ)がおすすめです。

Raspberry Piとは

Raspberry Piは、工学分野の教育を目的としてイギリスで開発された小さなコンピューターです。価格も30ドル程度とリーズナブルで、趣味で電子工作を楽しむ人だけでなく、エンジニアが仕事で使うことも少なくありません。今日までにさまざまなモデルが発売されており、サーバーや小型の電子工作など、多様な使い方ができます。

Raspberry Piは基本的にデジタル信号を扱うので、「知識はあまりないけど、回路を組みながら勉強したい!」という方におすすめです。

Raspberry Piを使った電子回路の組み方

まず、Raspberry Piを電源としてLEDライトを点灯させるような簡単な回路を組んでみましょう。まずRaspberry Piとブレッドボード、LED、抵抗器、ジャンパーワイヤーを準備します。

Raspberry PiにはGPIOと呼ばれる40本(モデルによっては26本)の端子が搭載されており、端子それぞれに番号が振られています。番号ごとに役割があり、電源の+側と-側になる端子、デジタル信号の入出力を行う端子などがあります。

今回は電源の端子を使います。+側の端子番号は1、2、4、17番、-側(Ground、GND)の端子番号は6、9、14、20、25、30、34、39番の端子です(モデルによって違うこともあります)。

ブレッドボード上にLEDと抵抗器を差し込み、これらをジャンパーワイヤーでRaspberry Piの電源端子と直列でつなぎます。このとき、電源の+、-とLED(LEDはダイオードなので極性があります)の+(アノード)、-(カソード)を合わせましょう。

また、LEDには推奨される電圧があり、電圧を調整するために抵抗器を使います。

例えば、電源の+極に電圧3.3Vの1番端子、順電圧(点灯に必要な電圧)2VのLEDを使う場合を考えるとき、3.3Vー2V=1.3Vを抵抗器で吸収する必要があります。Raspberry PiのGIPOを使う場合は、回路の電流を最大16mAにする必要があるため、オームの法則より抵抗器の抵抗は、1.3V ÷ 0.016A= 81.25Ω 以上にする必要があります。この場合は100Ωほどの抵抗器を使うと良いでしょう。

LEDなどを使う場合は、ちゃんと電圧を計算したほうが良いです。こういった実験を繰り返して一通り慣れてきたら、Raspberry Piにプログラミングしてみるなど、少しずつできることを増やしましょう。

電子回路設計の入門 まとめ

今回は電子回路設計に必要な基礎知識や勉強法、便利なツールなどについてお話ししました。

現代の日本では若い世代の理系離れが進み、機電系の技術を持った人材も減ってきていると言われています。機電系の技術職は不況時でも就職率が高く、まさに手に職を付けられる職業の一つなので、男女関係なくおすすめの職業です。

大学などに進んで専門的に勉強するも良し、趣味の範疇で楽しむも良しですが、電気は命を脅かすこともある危険なものですので、知識はしっかりと身につけましょう。

電子工学・電気工学の専門知識が欲しいときは

電子回路の知識や組み方を勉強し、自分でものづくりができれば良いですが、知識や技術を身に着けるまでにはやはり時間がかかります。しかし、機電系のエンジニアは会社に属していることが多く、頼みづらいと思うこともあるのではないでしょうか。

電子工学や電気工学の専門的な技術・知識が欲しい!という方におすすめなのがFREE AIDです。

 

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