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筐体設計技術者ってどんな仕事?必須スキルや知識を詳しく徹底解説!

2021.10.19更新

製品の外形デザインや機能を決める「筐体設計」。目的や用途によって必要となる知識は様々であり、どこから勉強を始めていいか分からない人も多いのではないでしょうか?そこで今回は筐体設計の基礎や作業内容、設計者に必須な知識やスキルを紹介します。これから筐体設計の業務に携わる人は是非参考にして下さい。

筐体設計の基礎知識

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筐体とは?

「筐体」とは、その内部に動力を持つ「機械」の外装の総称です。PCやスマホなどの身の回りの家電だけでなく、広いくくりの中には飛行機や自動車の外板やボディも含まれます。英語では「ボディ(Body)」、「ケース(Case)」、「ハウジング(Housing)」などと呼ばれます。

筐体の役割

筐体は外装部品であるため、その内部の機械要素を保護・保持する役割があります。要求される性能には「耐久性能」、「防水性能」、「防塵性能」、「防音性能」、「耐衝撃性能」、「耐熱性能」、「耐振動性能」など、様々な種類があり、製品によってはこれらの性能が複数要求されることもあります。

筐体設計とは?

筐体設計は製品の使用目的や環境によって要求される外装の機能や形状を設計することです。また外装部品である筐体は実際に目に触れる物であるため、内部の機械要素の保護だけでなく、操作性やデザイン性なども要求されます。これら多くの要求を満たすため、筐体設計者には非常に幅広い知識や知見を持つことが必須条件です。

筐体設計技術者の具体的な作業内容とは?

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製品の開発プロセス

筐体設計は一般的に「企画」、「構想設計」、「詳細設計」、「試作・評価」、「量産」の手順で開発を進めていきます。また「量産」以外の各段階の終わりに、不具合を未然に防ぐために図面を確認する作業である「DR(デザインレビュー)」を行われることが一般的です。

企画

「企画」の工程では製品の性能や仕様を決めます。例えばスマホやPCなどの家電であれば重量、用途、利用場所、大きさ、販売先などを、他社製品や販売先のニーズを調査して決定します。

構想設計

「構想設計」の工程では企画で決められた性能や仕様を満たすための全体のレイアウトや重要機能部品の構想を決定します。その際には品質、コスト、スケジュールなどを考慮します。

詳細設計

「詳細設計」の工程では、構想設計で定めたレイアウトを元に、部品の材料や寸法といった詳細形状を設計していきます。最近ではCAE(Computer Aided Engineering)を使って要求性能を満たしているかを確認・検証します。

試作・評価

「試作」は実際に製品を小数作り、定めた要求性能を満たしているかを評価する工程です。現代の多くの企業でCAEを使ったコンピュータ解析を用いた設計が主流となっていますが、全ての製品の性能を完全に予想することはほぼ不可能です。実際に物を作ってみると予想外の性能を示すことがあるため「試作・評価」の段階は欠かせません。

量産

量産の工程では試作の結果を盛り込んだ図面から、販売する製品を製造します。量産のための組立・生産ラインの設計や品質管理体制などを構築し、製品の量産体制を作っていきます。

筐体設計技術者の具体的な作業内容

筐体設計技術者は、製品の外装部品の「構想設計」から「量産」までの設計作業を担当します。ただしある程度大きな企業では、要求性能を満たすかどうかを確認する部署が別にあるため、設計技術者は作成した部品形状を各解析部署に展開して要求性能を満足するかどうか判断してもらうことになります。

従って設計技術者の主な作業としては、各解析部署からの回答をまとめて「企画」決められた製品の要求仕様を実際の部品に落とし込む作業となります。

筐体設計技術者に必須な知識とは?

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4力学の基礎

4力学は「材料力学」、「流体力学」、「熱力学」、「機械力学」の4つの力学の総称です。設計技術者は原則としてこの4力学を用いて製品の設計を行います。

例えば製品の静強度が不足している時には、材料力学や機械力学といった知識を用いて製品の形状変更や材料の選定を行います。CAE(Computer Aided Engineering)などのシミュレーションによる設計が主流となった現代でも、形状や寸法などの方向性を決定する上で設計技術者にとっては必須の知識です。

製図・機械要素

図面は開発に携わる様々な人が見るため、それを描く設計者は決められたルールを覚えておく必要があるため、その際に必要な知識に製図があります。製図は主に2D図面(紙)の知識ですが、3D図面が主流となった現代でも2D図面を扱う企業は多く、自社で2D図面が無くても他社とのやり取りで図面を見る機会もあります。

筐体で覆われた機械はボルトや歯車といった「機械要素」が多く含まれる集合体の総称です。ボルトなどの、設計で多用される機械要素はJIS規格等によって寸法や材料が決められています。外装形状は内部の機械要素を元に設計するため、頻繁に使用するこれらの規格を把握しておく必要があります。

材料の知識

筐体には防塵性能、防水性能、耐衝撃性能など様々な種類の性能が要求されます。中でもコストと重量(軽さ)や重量といった仕様はどのような製品にも求められる条件です。これらの要求を効率的に満たすため、設計者には様々な材料の知識が必須です。

加工・組み立ての知識

筐体の加工方法には大きく分けて「板金加工」と「樹脂加工」があります。加工方法によって実現できる形状や材料が異なるため、設計技術者はそれぞれのプロセスや原理を知ることが必須です。

また筐体は内部の機械要素を組付ける箱であるため、内部部品の組み立て作業を知ることでより効率的に間違いのない設計が出来るようになります。業務経験が少なく、組み立ての知識が浅い技術者は実現不可能な形状を作ってしまいがちなので気をつけましょう。

筐体設計技術者に必須なスキルとは?

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コミュニケーション力

筐体設計技術者にとって最も重要なスキルはコミュニケーション力です。

「設計」と聞くと一人で図面を描いている姿を想像する方が多いですが、現代の設計者の主な業務は関係部門や下請けとの調整です。要求性能をCAEなどの解析で確認することが主流となった現代では「設計」と「性能確認(解析)」部門は分離され、設計技術者が一人で形状を決めることはほとんどありません。

特に大企業の設計部門は関連部署や下請けから出される性能確認の結果から、要求される形状や材料を調整し、一つの部品に落とし込む作業が主業務となります。従ってコミュニケーション力の向上は設計技術者にとっては必須条件といえます。

ロジカルシンキング

ロジカルシンキングとは「論理的思考」のことです。ロジカルシンキングの目的は「①問題の解決、②解決策の論理的な説明」であり、問題に直面した時にそれを解決・説明するために必要なスキルです。

設計技術者は様々な部門とやり取りするため、「直面する問題とその解決策」を予備知識の無い部門の技術者に説明する機会が非常に多くあります。また各性能評価部門から挙げられる要求性能を形状に落とし込む際にロジカルシンキングのスキルを持っていると、問題点や解決策が明確となるため多部署間の調整がスムーズになります。

CADの実務経験

3D図面が主流となった現代では、CAD(図面描画ソフト)を用いて図面を描くことが一般的です。実際に図面を描かない設計者でも、実際にどうやって図面を描いているかを知ることは重要であるため、筐体設計技術者にはCADを使って実際に図面を描く技術は必須条件といえます。

ただCADソフトを使って図面を描くだけの「オペレーション業務」が出来るだけでは、設計者には不十分です。何故なら設計者には「要求性能を形状に落とし込む」スキルの方が重要であり、且つこのスキルを得るには実務経験が必要不可欠です。その為設計技術者には設計現場での実務経験が非常に重要となります。

筐体設計技術者にお勧めの資格とは?

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技術士(機械部門)

「技術士」は技術者の資格の中では最難関とされる国家資格です。試験は第一次と第二次試験に分けられ、一次は大学の工学部レベル、二次は専門知識や経験といった総合的な技術力を問われます。

二次試験の受講には一次の合格後、修得技術者に登録してから4~7年の実務経験が必要です。公益社団法人日本技術士会の統計情報によると、令和元年の合格率は、一次試験:49.3%、二次試験:19.4%となっており、非常に難易度の高い資格です。

二次試験には面接等もあり、技術的な課題を論理的に説明する能力も問われます。技術者の資格の中では最難関とされる国家資格であり、機械技術者として幅広い知識が問われる資格です。

機械設計技術者試験

「機械設計技術者試験」は一般社団法人日本機械設計工業会が行っている民間の資格です。1級から3級があり、1級は機械設計の指導レベル、2級は機械設計の担当レベル、3級は大学の機械工学科修了レベルとなっています。

試験では実用的な設計に関する知識が必要であり、中でも1級は記述問題もあるため論理的な記述能力も問われる内容となっています。難易度が段階的に設定されているため、自分のスキルレベルの確認として受講することがお勧めです。

CAD利用技術者試験

「CAD利用技術者試験」は一般社団法人コンピュータ教育振興協会が行っている民間の認定試験です。CADに関する知識やスキルを評価するための試験です。

試験は2次元CADと3次元CADに分かれており、業務で利用するCADを選択することが出来ます。それぞれ1級・準1級・2級に分かれており、CADで図面を描く実技試験もあるためより実務的な能力を問われる資格です。

機械・プラント製図技能士

「機械・プラント製図技能士」は、都道府県職業能力開発協会が主催する国家資格である技能検定制度の一種です。試験は学科と実技に分かれており、図面作成時に必須な機械的・設計的な知識を問われます。

試験は1級から3級まであります。いずれも手書きによる製図作業が含まれており1級は5時間の試験時間が設定されています。より専門的な製図の知識が必要な点が特徴です。

まとめ

今回は筐体設計者の作業内容や必須スキル・知識を紹介しました。筐体設計技術者は幅広い知識が必要であり、新しい工作機械や材料、規格、法律などが出る度に知識を更新する必要があるため一生勉強していく職業です。これから筐体設計技術者を目指す人や、勉強したいと思っている方は是非今回の記事を参考にしてみて下さい。

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