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  • 金型設計とはどんな仕事?仕事の役割や必要な基礎知識・資格を把握しよう!
  • 金型設計とはどんな仕事?仕事の役割や必要な基礎知識・資格を把握しよう!

    2024.08.06更新

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    この記事を書いた人

    機電系専門ライター Div.長谷川

    長谷川

    FREE AID編集部 機電系専門ライター Div.
    アナログ回路設計・営業を経験した後ライター&ディレクターとして独立。
    電気電子・ITジャンルを得意とし、正確で分かりやすい情報の発信を行っています。

    機械の設計などに携わる人でなければ、金型設計という職種はあまり馴染みがないかもしれません。「金型設計ってどんな仕事?」「金型設計で何が作られるの?」と疑問に感じる方も多いでしょう。今回は、そんな金型設計の仕事内容や魅力、金型設計士になりたい人が知っておくべきことについて解説します。

    金型設計とは

    まずは、金型設計とは何かについて知りましょう。私たちの身の回りにはたくさんの電化製品、雑貨、インテリア用品などがありますが、これらは全て、大小さまざまなパーツ(部品)を組み合わせることで、1つの製品として成り立っています。

    これらのパーツは、金属やプラスチックを加工して作られています。溶かしたり曲げたりとさまざまな種類の加工方法がありますが、この際に用いられるのが「金型」です。金型を使うことでパーツを大量生産したり、精密な構造のパーツを作れたりと多くのメリットがあります。

    そして、この金型を設計して作るのが金型設計の仕事です。では、金型設計の仕事についてさらに深堀りしてみましょう。

    金型設計の仕事内容

    金型設計は、プラスチックやゴム、金属といった素材を流し込むための「金型」を作る仕事です。この金型に流し込んだ素材が冷えて固まることで、さまざまな製品に使えるパーツになります。

    金型設計の仕事の始まりは、「金型を作って欲しい」というクライアントからの依頼を受けることです。ほとんどがオーダーメイドで、パーツの用途・コスト面・機能性や強度を考慮して、クライアントの要望に沿った金型を設計します。

    また、見た目が重視される製品や、電子機器の内部に使用される部品の金型を作る際は精密さが問われるため、金型設計の実務経験が重要視される仕事です。

    金型設計の魅力

    金型設計士が製品の製造に使われる金型を作る仕事であることは理解できたでしょうか。そんな金型設計士の魅力は、さまざまなジャンルのモノづくりに携われることです。最新のパソコンやスマートフォンの製品・製作に携われるのは、ガジェット好きな人などにとって大きな魅力と言えるでしょう。

    また、金型の品質は製品の質に大きく関わります。そのため、クライアントからの要望を汲み取り、コストや効率を意識した設計をしなければいけません。    

    良質な金型を設計できる技術があるということは、良質な製品を世に送り出せることにも繋がります。「自らの仕事が高品質な日本製品を支えている」というやりがいを感じることもできるでしょう。

    代表的な4つの金型

    前の章で解説したとおり、金型は製品のパーツづくりにとって必要不可欠なものです。ここからは、この金型の種類について深く掘り下げて解説します。金型にはさまざまな種類があり、代表的な金型は以下の4つです。

    代表的な4つの金型

    • プラスチック用金型
    • プレス金型
    • 鋳造型
    • ダイカスト金型

    それぞれの特徴を順番に解説します。  

    プラスチック用金型

    「プラスチック用金型」は、テレビ、携帯電話、雑貨などさまざまな部品の製造などに使われる金型です。プラスチック用金型にはいつくかの成形法があり、代表的なものは「射出成形」「圧縮成形」「真空成形」の3つです。

    プラスチック用金型の成形方法

    射出成形 合成樹脂などを金型に流し込む成形方法。最も一般的な成形方法の1つで、大量生産に優れており、仕上げ加工が少なくて済むというメリットがある。ただし、形状に制約がある場合もあり、その際は型から抜けやすくするために手を加える必要がある。  
    圧縮成形 成形材料を金型に入れ、圧力と熱を加えて行う成形方法。金型の形が単純なため、金型自体の生産コストを抑えられるというメリットがある、複雑な形状には対応できないというデメリットもある。
    真空成形 加熱して柔らかくしたプラスチック板を用意し、金型とプラスチック板の間を真空状態にすることで、プラスチック板を金型に吸いつける成形方法。射出成形などと比較すると、大型で薄い部品の成形に向いている。

    プレス金型

    「プレス金型」は、自動車のボディの製造などに使われる金型です。材料である鋼板などを上下から挟み込むことで、形状を作ります。プレス加工には大きく分けて「せん断加工」「曲げ加工」「絞り加工」の3種類があります。

    プレス金型の成形方法

    せん断加工 材料にプレスを掛け、「パンチ」と「ダイ」と呼ばれる金型で切断や分離をする加工方法。穴をあけたり、切り抜いたりといった加工に対応しているものもある。シャーリング加工(Shearing)とも呼ばれる。
    曲げ加工 金属の板を「パンチ」と呼ばれる専用金型と、プレス機械を使って曲げる加工方法。曲げ加工の中にも「型曲げ」「押さえ巻き」「曲げ成形」「加工送り曲げ」といった様々な加工方法がある。
    絞り加工 1枚の金属板を圧力を加えてへこませ、容器状にする加工方法。切断・分離などをしないため、工数の削減に繋がる。ただし、加工時にヒズミやシワが出ることもあり、難易度は高い。

    鋳造型

    「鋳造型」は、自動車エンジン内のピストン部品や歯車などに用いられる金型です。溶かした金属を型に流し込んで、冷却するのが基本的な流れとなります。耐久性の高い金型を用意すれば、低コストで大量生産できるのが特徴です。鋳造型には「砂型」と「金型」があり、目的に応じて使い分けられます。それぞれの特徴は以下の通りです。

    鋳造型の成形方法

    砂型 型の作製自体は、コストがかからず複雑な形状にも対応できる。しかし、鋳造が終わったら壊して中身を取り出す必要があり、ランニングコストが高く大量生産には向かない。
    金型 型の作製自体はコストが掛かるが、一度型を用意すると部品の大量生産が可能。ただし、部品の形状が複雑だったり、大型の鋳物製作には向かない。

    ダイカスト金型

    「ダイカスト金型」は、鋳造法を発展させた「ダイカスト法」という加工法に使われます。デジタルカメラのボディー、電動工具のボディーなどの製造に使われる金型です。ダイカスト金型は、固定された型と可動式の型でできており、2つの型が押し合うことで1つの金型になります。中にアルミや亜鉛、マグネシウムといった金属を溶かして流し込み、金型の中で圧力を掛けて、金属が冷え固まるのを待ちます。

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    金型設計士になりたい人が知っておくべきこと4つ

    ここまで、金型設計士の仕事内容や金型の種類について解説しました。では、実際に金型設計士になりたい人は、どのようなポイントを押さえておくべきなのでしょうか。今回は、以下の4つにまとめました。

    金型設計士になりたい人が知っておくべきこと4つ

    1. 金型設計士の将来性
    2. 金型設計士に必要なスキル
    3. 金型設計士におすすめの資格
    4. 金型設計士の年収

    金型設計士の将来性

    まずは、金型設計士の将来性について解説します。結論から言うと、今後金型設計という仕事が無くなることはほぼ無いと言えるでしょう。

    パソコン・スマートフォン・車・家電などさまざまな新製品が開発される中で、精密な金型設計ができる力は重宝されます。一方で、時代の進歩に伴い製造業全体が自動化されつつあるのも事実です。また、コロナ渦の影響で製品開発が滞り、金型設計業に影響が出る可能性も考えられます。

    とはいえ、現代の暮らしを支えるために製品はこれからも生まれ続けます。確かな経験と知識を持った金型設計士であれば、将来性があり安泰であると言えるでしょう。

    金型設計士に必要なスキル

    金型設計士に必要なスキルは、大きく分けて「金型設計に関わるスキル」と「コミュニケーションスキル」の2つです。

    「金型設計に関わるスキル」は、2D・3DCADの実務スキル、金型や素材について見極めるスキルです。これらは実務経験を積むほど磨かれるスキルでもあるので、自ら勉強をしつつ、実務を通して知識を深める必要があります。

    「コミュニケーションスキル」は、クライアントや技術者とコミュニケーションを取りながら仕事を遂行するスキルです。クライアントからの要望をくみ取り、スケジュールを作成し、技術者とやり取りしながら納品まで仕事を進められれば、プロジェクト全体が円滑に回ります。主に、仕事全体を管理する人に求められるスキルですが、技術者側も上手くコミュニケーションを取れる力は重宝されます。

    金型設計士におすすめの資格

    金型設計士に必要なスキルについて解説しましたが、就職活動などでは資格も有効です。金型設計士におすすめの資格は以下の2つです。

    金型設計士におすすめの資格

    1. 金型製作技能士
    2. CADに関する資格

      それぞれの資格の特徴を順番に解説します。  

    金型製作技能士

    金型製作技能士」は、金型製作に必要な知識、技能を有していることを証明する資格です。特級・1級・2級の3段階に分かれており、どの階級も一定の実務経験が必要です。一番階級の低い2級の試験でも「金型の実務経験2年以上」が条件のため、ある程度経験を積んだら資格取得を検討してみましょう。

    CAD利用技術者試験

    CAD利用技術者試験」はCADの基礎知識・技能を有していることを証明できる資格です。2次元CAD、3次元CADについてや、建築・機械・トレースなどの分野に特化した試験を受けることができます。近年はCAD・CAMを使った製作が増え、CADの実務経験が必要な求人も見受けられるので、金型技能士としてステップアップするための転職を考えている方にもおすすめです。

    金型設計士の年収

    では、金型設計士の年収はいくらくらいなのでしょうか。  

    求人ボックスの調査によると、金型設計士の年収は約379万円です。月給にすると約32万円で、日本の平均年収と比較すると低い傾向にあります。ただし、関東地方に限定すると平均年収は400万円以上です。正社員全体の給与幅が279万円〜651万円と広いため、スキルや経歴で差が出ます。

    参考:求人ボックス 金型設計の仕事の年収・時給・給料

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    金型設計はあらゆる製品の土台になる仕事

    今回は、金型設計の仕事内容や金型の種類、金型設計士になりたい人が知っておくべきことについて解説しました。金型設計は、さまざまな製品の元となるパーツを作る重要な仕事です。日本のモノづくりに携わりたい方は、金型設計士を目指してみてはいかがでしょうか。

    また、金型設計士を目指すか悩んでいる方は、求人情報を見て市場の需要を確認することも大切です。FREE AIDの求人情報を見て、どういった設計士が求められているのかを調査しましょう。ぜひ今後のキャリア形成に役立ててみてください。

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