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太陽光発電の仕組みとは?必要な設備や費用も合わせて解説!

2023.10.11更新

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機電系専門ライター Div.長谷川

長谷川

FREE AID編集部 機電系専門ライター Div.
アナログ回路設計・営業を経験した後ライター&ディレクターとして独立。
電気電子・ITジャンルを得意とし、正確で分かりやすい情報の発信を行っています。

最近はいたるところに設置され、身近な存在となってきた太陽光発電。東京都では新築住宅への搭載が義務化されるなど、私達の生活への関わりも増えているため、仕組みなどを詳しく知りたい方は多いのではないでしょうか。そこで本記事では、太陽光発電の仕組みを中心に、私達が知っておくべき知識についてお伝えします。

太陽光発電とは何か

太陽光発電とは、半導体を使った太陽光パネルを設置し、日光のエネルギーを吸収して電気を作る発電機のことです。元々は宇宙用の発電システムとして開発された技術ですが、1970年頃のオイルショックを機に地上での利用が推進され、今では重要な発電手法の一つとなっています。

太陽光発電の大きなメリットは、クリーンなエネルギーを生み出せること、場所を選ばず発電できること、そして災害時にも安定して電力を生み出せることです。カーボンニュートラルを目指す取り組みが加速していることもあり、最も期待されている発電方法といえるでしょう。

太陽光発電の仕組み

太陽電池が発電する仕組みは、「光電効果」と「PN接合」によって説明できます。これらの現象について解説しましょう。光電効果は、物質に光を当てた際、光のエネルギーによって周回電子が原子の束縛から逃れ、自由電子になる現象のことです。太陽光パネルに使われている半導体は、光電効果によって太陽光のエネルギーで自由電子が大量に生じる特性を持っています。

また、PN接合はドーピングを行うことで半導体内部に作り出す電子構造のことです。半導体でPN接合を作ると、エネルギー準位の傾きにより、内部の自由電子はP型半導体からN型半導体に向かって流れるようになります。これらの組み合わせにより、半導体は日光を吸収して自由電子を生み、生じた自由電子が一方向に流れていくため、電流として取り出せるようになるのです。

太陽光発電に必要なパーツ・部材

それでは、太陽光発電を実際に利用するには、どのような設備が必要なのでしょうか。必要となる主なパーツについてお伝えします。

モジュール(太陽光パネル)

モジュールとは、太陽電池を複数個まとめて、一枚のパネルにしたものです。大きさは縦横約1メートル程度であり、その中に太陽電池本体である「セル」が数十枚並んでいます。セル1枚で発生する電圧は低いため、何枚ものセルを直列に接続して出力電圧を上げるのが一般的です。また、性能や耐久性を向上させるため、パネル周辺の構造を工夫し、樹脂や強化ガラスなどで覆った形をしています。

接続箱

接続箱は、複数のモジュールで発電した電気を1つにまとめる機器のことです。電気を集約してパワーコンディショナーに送る回路が入っているほか、回路中に電磁開閉器などのブレーカーや、落雷などによる故障を防ぐ保護回路などが組み込まれています。

また、大規模な太陽光発電システムを運用する場合は、接続箱だけでは電圧が足りないため、複数の接続箱の電力をまとめる集電箱を使うこともあります。

パワーコンディショナー

太陽電池で発電された電気は直流信号なので、家庭で使用したり、電力会社に送電したりするには、交流信号に変換しなければなりません。そんな時に、電力の変換を行ってくれるのがパワーコンディショナーです。

パワーコンディショナーにはインバータが搭載されており、直流信号を効率的に交流信号に変換できます。また、太陽電池は発電量を最大化するため、日射量の増減にあわせて電流・電圧を調整する必要がありますが、パワーコンディショナーは電流・電圧を自動調整する機能も持っています。

太陽光発電の接続タイプ

発電後にどのような活用先をもつかによって、太陽光発電システムは独立型、系統連系型という分類が行われます。

系統連系型

系統連系型は、太陽光発電のシステムと電力会社の送電網を接続して使うシステムです。余剰電力を販売するには系統連系型のシステムが必要なので、住宅用で採用される太陽光発電は基本的に系統連系型が採用されます。系統連系型を採用する場合、太陽光発電の電力と電力会社の送電系統を干渉させないためにパワーコンディショナーが必須となります。

独立型

独立型の太陽光発電は、発電した分を全て自家消費し、電力会社に販売しない場合に採用するシステムです。設備が電力会社の送電網と独立していることから名付けられました。電力線の届いていない山小屋など、特殊な環境で採用されます。

独立型の場合、発電量が家庭での電力消費量を超えた時に電力を備蓄できるよう、バッテリーが必要です。また、パワーコンディショナーは不要ですが、代わりにバッテリーが適切に充放電できるようにするチャージコントローラーと、直流を交流に変換するインバーターも必要です。

太陽光発電設備の施工費用

最後に、住宅用に太陽光発電システムの導入を検討されている人に向けて、施工費用の概要をお伝えしましょう。

経済産業省によると、新築住宅において太陽電池を屋根に搭載した際、平均で28.6万円/kwの費用がかかるとの統計が出ています。家庭の屋根に乗せられるモジュールは3~5kW程度なので、合計費用は85~140万円程度が平均になると考えておきましょう。また、導入費用を設備ごとに見ると、以下の通りとなります。

設備名 kwあたりの費用
モジュール 17万円/kw
パワーコンディショナー 4万円/kw
架台 2万円/kw
工事費 5~6万円/kw

ちなみに、国や都道府県、市町村で、それぞれ太陽光発電設備設置のための補助金制度が設定されているため、実際の導入費用は安く抑えられます。売電による収入も期待できるため、電力の使用状況を含めた実際のコストを調べてから、導入するかを検討しましょう。

まとめ

今回は、太陽光発電の導入を検討している方に向けて、太陽電池の仕組みや必要な設備、価格など、重要な情報をお伝えしました。太陽光発電はPN接合を行った半導体を日光に当て、光電効果によって生じた電気を取り出すシステムです。生じた電力を家庭用で使えるよう、パワーコンディショナーなどの設備を入れ、交流信号に変換して送電します。

太陽光パネル以外にも複数の設備が必要であり、導入費用は100万円を超えることもあります。しかし、補助金の交付や売電によって費用が回収できる場合もあるため、費用対効果を計算して導入するか検討してみると良いでしょう。

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