加速度センサーとは?種類ごとの原理や主な用途を紹介!
2024.09.09更新
機電系エンジニア必見!!貴重なフリーランス案件はこちら ▶物体の速度変化や傾きを測定できることから、幅広い用途で用いられている加速度センサー。名前は聞いたことがあっても、どのような原理で動いているか、どんな用途で使われているかなどは意外と知らない方が多いのではないでしょうか。そこで本記事では、加速度センサーの基本的な知識を分かりやすく紹介します。
加速度センサーとは?
加速度センサーとは、物体にかかる加速度を計測できるセンサーのことです。そもそも加速度とは、物体が加速したり減速したり、また動きの方向が変わった時に生じる「動きの変化」を表す単位のことを指します。加速度の変化は様々な要因によって生じるので、動きの変化はもちろん、衝撃や傾き、重力なども測定できるのが特徴です。
加速度センサーの種類ごとの原理
加速度センサーは幅広い用途で使える分、昔から様々なセンサーが開発され、活用されてきました。その中でも主に使われているセンサーの種類と、その動作原理を紹介します。
静電容量式
静電容量式は、コンデンサとして働く2枚の金属平行板の片方に、ばねを取り付けた形状をした加速度センサーです。センサーに加速度が加わると、ばねが引っ張られて変位するため、平行板間の距離が変化します。すると、平行板が持つ静電容量が変化するので、その差をもとに加速度を計測することが可能となります。温度特性がよく全体的に精度が高いので、多岐にわたる用途で数多く使われています。
圧電式
センサー内部に圧電体とおもりを取り付けた構造をしている加速度センサーです。圧電体はひずみが加わると電圧を発生させる特徴を持っています。圧電式のセンサーは加速度によりおもりに力が加わると圧電体に歪みが生じる形状をしており、加速度が電圧変化に変換されることで加速度の変化を検知できます。圧電式は少し精度に劣りますが、構造が簡単で安価に作れるため、比較的精度を要さない小型機器に使われています。
周波数変化式
周波数変化式の加速度センサーは、センサー内部に水晶振動子を取り付け、その共振周波数の変化を検知することで加速度を測るセンサーです。水晶振動子は応力を加えると、共振周波数が変化することが知られています。加速度センサーでは水晶振動子を音叉型にすることで振動数の変化を顕著にし、高精度に加速度を検知しています。周波数変化式は他のセンサーよりも高精度なのが特徴で、地震検知などの振動センサーとして主に用いられています。
熱加熱式
熱加熱式の加速度センサーは、センサー内部に封入したガスをヒーターで加熱し、加速度によって発生する対流の変化を検知し、加速度を測るセンサーです。機械的な駆動部がないため衝撃などに強く耐久性に優れるほか、構造が簡単なので価格が安いといったメリットがあります。一方で検出周波数が低いデメリットがあるため、過酷な環境など特殊用途で数多く使われています。
加速度センサーの用途
加速度センサーはその汎用性の高さから、非常に多岐にわたる用途で使われています。分野別の用途例をいくつか紹介します。
自動車
自動車には、急ブレーキを検知して動作するエアバッグを始め、ブレーキ時にタイヤのロックを防ぐABS、車両の姿勢制御を行うESCなど、操作性や安全性に関わる用途で加速度センサーが用いられています。他にも、カーナビの位置補正や開発時における振動・衝撃試験など用途は多く、自動車には欠かせない存在となっています。また、現在技術発展が進んでいる自動運転においても加速度センサーのデータが必要です。
スマートフォン
私達が普段使っているスマートフォンにおいても、加速度センサーが役立っています。スマートフォンの向きを検知することで縦画面・横画面を切り替える機能や、傾きによってスリープモードを解除する機能、万歩計などのヘルスケア機能などは全て加速度センサーの情報を用いて実現されています。
インフラ・設備の劣化検知
加速度センサーは道路などの社会インフラや、各種機械・設備の劣化検知、故障予知にも用いられています。機械や設備、道路などのインフラは故障前に異常な振動を示すことがあるため、その振動を検知することで劣化度合いを検知し、事前に修理を行えるようにします。
設備であれば機械の故障を防ぐことで生産ラインが止まってしまうのを防げるため、コスト改善に大きく貢献できます。また、インフラの劣化をセンサーで検知することで、検査の手間を大きく減らし、メンテナンスの頻度も最小限にできるというメリットが得られます。
加速度センサーはMEMS化が進んでいる
このように、様々な用途で活躍している加速度センサーですが、特にスマホなどの小型化が求められている用途においては、センサーのMEMS化が進んでいます。MEMSとは「Micro Electro Mechanical Systems」の略で、センサーでいうとセンサー素子の部分をICチップ内部に組み込んだICのことです。
従来はセンサー素子と駆動用のICが別だったところを、一つのICに統合することで、更なる小型化を実現することができます。加速度センサーでは、静電容量式や圧電式などがMEMS化されて実際に使われており、電子機器の小型化に役立っています。
まとめ
今回は、加速度センサーの役割や種類別の原理、用途などについて解説しました。加速度センサーは物体の加速度を検知できるセンサーで、自動車やスマートフォンなどの動作や傾きを測定し、様々な機能に役立てています。これまでいくつもの種類の加速度センサーが開発されており、MEMS化によって超小型のセンサーも増えているなど技術が発展し続けているので、今後もさらなる進化と多様な活用例が増えていくと期待できます。気になる方はぜひ技術動向を詳しく調べてみて下さい。
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