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EMC設計技術者資格とはどんな資格?

2024.02.25更新

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この記事を書いた人

機電系専門ライター Div.長谷川

長谷川

FREE AID編集部 機電系専門ライター Div.
アナログ回路設計・営業を経験した後ライター&ディレクターとして独立。
電気電子・ITジャンルを得意とし、正確で分かりやすい情報の発信を行っています。

EMC設計技術者という資格をご存知でしょうか。電子回路やプリント基板などを設計する技術者の技量を示す国際資格でありながら、その存在を知らない方も多いはず。今回はそんなEMC設計技術者の資格について、その内容や取得のコツ、取得後の活躍例などを中心に解説します。

EMC設計技術者資格とはどのような資格?

まず、EMC設計技術者資格の概要や具体的なレベル、対象者などの基本的な内容を解説します。

資格の概要

EMC設計技術者資格は、EMCの原理・原則を理解し適切な対応力を持っていることを証明する目的で創設された資格です。一般社団法人「KEC関西電子工業振興センター」と米国の非営利団体「iNARTE」が2011年に共同創設しており、国際的に通用する内容となっています。通常レベルの資格とより高度な知識が要求されるシニアEMC設計技術者資格の2種類が存在し、どちらも3〜5択の選択式の計50問で、70点以上の取得により合格できます。

各級のレベル

通常のEMC設計技術者とシニアEMC設計技術者では、基本的に出題される分野こそ同じものの、知識として要求されるレベルが異なります。基礎分野で言えば、通常版のEMC設計技術者では測定と解析に関して基本的な知識しか要求されないのに対し、シニア版では知識を活用できるレベルの知識が求められます。

他にも電磁気学やシールド、回路理論の知識であれば、通常レベルでは活用できる程度の知識が求められるのに対し、シニア版では専門家としての深い知識が要求されます。また、実応用分野においても、シニア版の試験では電子回路とパワーエレクトロニクス分野を除く全ての分野において深い知識が求められます。

各級の対象者

EMC設計技術者資格は電気電子回路やプリント基板、電子機器などの設計や実装といった実務に携わる人を対象としています。通常レベルのEMC設計技術者資格は受験資格として、学士以上の学歴またはEMC設計関連の分野における5年以上の実務経験が必要なため、EMC設計に関する知識や経験をある程度保有している人が対象です。

一方のシニアレベルでは、通常のEMC設計技術者資格を保有した後に追加で3年以上の実務経験が必要なため、プロフェッショナルとして現場の最先端で活躍している人や、すでに現役から退いたベテラン技術者など、EMCについてより専門的かつ広範な知識を身につけた人が対象となります。

EMC設計技術者資格を取るには?

これまでの説明を踏まえ、実際にEMC設計技術者を取得したいと考えている人も多いのではないでしょうか。ここからは試験の対策方法や実際に資格を取得するまでの流れなどを解説していきます。

試験の対策方法

EMC設計技術者試験はテキストやノートなどの持ち込みが可能な「オープンブック方針」を採用しているのが特徴です。そのため、通常の資格試験同様にテキストや問題集を利用した勉強はもちろんのこと、持ち込み資料を整理しておくことが重要となります。練習問題を解く上で必要になった情報にはマーキングなどを行い、本番試験でも活用できるようにしておくと良いでしょう。

また、KECの公式サイトには試験のイメージが掴める練習問題や参考図書類が公開されているため、実際に参考図書を活用しながら練習問題で訓練を重ねるのがおすすめです。さらにKECはEMC技術に関する技術講習会なども開催しているため、参加してEMC関連の知識を身につけておくのも有効です。

申し込みから資格取得までの流れ

EMC設計技術者資格を取得する具体的な流れは、受験申し込み、3つの事前資料の提出、本試験、認証料の支払いとなります。事前資料は申請書、推薦書、試験問題案が必要で、KECの公式サイトで公開されている申請書を記載し、上司などの業界関係者と教授などの学会関係者から計2名分以上の推薦状を用意し、更に試験問題案を2案以上提出しなくてはなりません。

ちなみに、優良な問題案は加点対象となるため、単なる事前資料と捉えず試験の一環として頑張りましょう。事前資料を全て提出して本試験を受験し合格すれば、認証書と認証料の払込書が郵送されてくるので、認証料を支払えばEMC設計技術者として認証されます。

EMC設計技術者資格が活かせる職種は?

EMC設計技術者資格を取得した場合、どのような職種で活躍できるのでしょうか。王道の活躍ルートとして具体的に3つの職種を解説していきます。

アナログ・デジタル回路設計

最も資格が役に立つのは、アナログ・デジタル回路設計職です。最近はEMC対策の必要性が非常に高まっており、ノイズ対策が行える技術者は重宝されます。資格の取得によりスキルレベルを客観的に示すことで、高い待遇が得られるようになるでしょう。

基板設計

電子回路のアートワークを行う基板設計エンジニアにおいても、資格の取得が役立ちます。回路パターンの形状はEMC性能に大きく影響するので、深い知識を持ってパターンを描ける技術者には高い需要があるでしょう。特に構造が微細になるとノイズの影響が厳しいので、新技術をどんどん取り入れていくような企業では重宝されます。

ノイズ対策コンサルタント

他の企業や専門機関に対してEMC設計の知識を授ける、コンサルタント職でも資格が役立ちます。技術力の一つの証明としてクライアントにアピールできるので、資格取得によって企業に貢献できるでしょう。

EMC設計技術者資格を持っていることで活きること

EMC設計技術者資格は現時点では知名度が低く取得者数も少ないです。しかし、スマホを始めとする電子機器類の数は年々増加傾向にあり、EMC対策に関するニーズは高まっているので、資格を持つエンジニアの価値も今後高まるでしょう。誰でも受験できるわけではありませんが、スキルアップを目指すのであれば受験を検討してみてはいかがでしょうか。

また、現在は一般的でありませんが、EMCのプロフェッショナルになればフリーランスで働ける可能性もあります。そのため、もし正社員などから働き方を変えていきたい場合は、技術力を証明する一つの手段として活用するのもおすすめです。

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