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デマンド交通とは?システムや課題について徹底解説!

2023.10.10更新

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この記事を書いた人

機電系専門ライター Div.長谷川

長谷川

FREE AID編集部 機電系専門ライター Div.
アナログ回路設計・営業を経験した後ライター&ディレクターとして独立。
電気電子・ITジャンルを得意とし、正確で分かりやすい情報の発信を行っています。

近年、既存の市バスや電車に次ぐ新たな交通システムとして「デマンド交通」が注目されています。採用する自治体も増え、私達が目にする機会も増えていますが、実際にどのような効果があるのでしょうか。本記事では、デマンド交通について知りたい方に向けて、仕組みやメリット、現状の課題などを紹介していきます。

デマンド交通の概要

デマンド交通とは、利用者のニーズに応じて柔軟に運行する公共交通システムのことです。一般的なバスが決まったルートを巡回し、利用者をバス停で乗降させるのに対し、デマンド交通は利用者から予約があった時のみ運行し、さまざまな場所で乗降できるのが特徴です。

運行方式や運行ダイヤ、発着地を自由に組み合わせられるため、バス交通の利便性向上とコスト削減が行えるとして期待されています。デマンド交通は、ルートや乗降ポイントの設定により3つのタイプに分類されます。

迂回ルート・エリアデマンド型

路線バスにより近い形式で運営されるタイプです。路線バスのように運行ルートが設定されています。通常の運行ルート以外のバス停で予約があった際は経路変更を行い、そのバス停まで回り道(迂回)をします。経路変更を行うことで路線バスに比べて柔軟な対応が可能です。

自由経路・ミーティングポイント型

利用予約があった時のみ運行するタイプです。利用できるバス停が設定されており、利用者の予約状況に応じて、予約のあったバス停間を最短ルートで運行します。この方式のメリットは移動にかかる所要時間を短縮できるという点です。ただし、利用者が多いと逆に所要時間が長くなる場合もあります。

自由経路・ドアツードア型

運行ルートやバス停が設定されていないタイプです。ドアツードアなので、タクシーに近い利用形態となります。指定エリア内で利用者の希望に合わせて自由に運行します。利用者にとって利便性が最も高い方式ですが、利用者が多いと配車が困難になるというデメリットがあります。

デマンド交通の導入が進む背景

続いて、デマンド交通が普及し始めた背景についてお伝えしましょう。市バスなどの公共交通機関は「少子高齢化」「人口減少」「交通手段の多様化」に伴い、利用者が年々減少しています。特に過疎地域では利用者が少ないために赤字経営が続き、バス事業者が撤退せざるをえないのが現状です。

しかし、利用者が減っているとはいえ、路線バスを生活の足として利用している人もいるため、このままでは住民の生活が成り立ちません。そのため、国は地域公共交通の活性化・再生を喫緊の課題であると位置付け、対策を打ち始めてました。

実際に、国土交通省では平成19年10月施行の「地域公共交通の活性化及び再生に関する法律」に基づいて、地域公共交通の活性化への支援を行っています。そして、その支援対象にデマンド交通が入ったため、公共交通機関のコスト削減と、公共交通空白地域の解消を実現したい自治体が、デマンド交通の導入に踏み切るようになったのです。

デマンド交通のメリット

このように、デマンド交通は国の支援をきっかけに導入が進んでいますが、どのような効果が得られるのでしょうか。デマンド交通の導入により得られる、メリットを詳しく解説します。

運営コストが削減できる

まず、最も大きなメリットは運営コストを抑えられることです。従来型のバスでは、乗客の有無にかかわらずバスを運行させなければならない、というデメリットがありました。

デマンド交通であれば、需要のある時にのみバスを走行させればよいので、余分な運行コストを削減できる可能性があります。また、予約状況を確認すれば需要の有無が一目でわかるので、最適な設備投資を行うのにも役立ちます。

利便性が高まる

もう一つのメリットは、利用者にとっての利便性が向上することです。デマンド交通は走行ルートやバス停にしばられず、需要のある地点に向かえるため、バスに乗るまでの移動距離が短くなる上、行きたい所を自由に設定できます。このことは、特に僻地に在住している高齢者などにとって大きな恩恵をもたらします。

また、ルートの最適化によって移動時間が短くなる点も見逃せません。特に対象エリアが広いほど、デマンド交通による利便性向上が実現できます。

デマンド交通が持つ課題

従来の公共交通機関ではカバーできない部分を補えるサービスと考えられているデマンド交通ですが、課題も多いためメリットを活かせていない自治体がほとんどです。ここからは、主な課題として挙げられる内容を紹介します。

運賃が高くなる

まず、デマンド交通を採用する場合、バスのような低額の運賃を維持するのが難しいという問題があります。これは、デマンド交通では少人数の乗客を乗せて運行することが多いため、一人当たりの乗車コストが抑えにくいのが理由です。また、運賃を下げすぎると競合となる地元タクシー業者から「安すぎる」という反発の声が上がるのも原因として挙げられます。

実際に、すでにデマンド交通を導入している自治体では、以下のような料金体制を採用しており、通常の公共交通機関より高額になっていることが分かります。

土日だけ稼働の場合 フルで稼働した場合
陸前高田市(岩手県) 大人(中学生以上)300円、小学生・介護人150円
志木市(埼玉県) 初乗り運賃500円(1.23㎞まで)、以降は261m毎に100円加算
米原市(滋賀県) 大人800円、子ども・障がい者等400円
(区間をまたぐ利用は地域間利用料金を上乗せ)

利用者が集まりづらい

デマンド交通は予約制であり、従来の公共交通機関とは利用方法が異なるため、利用者の理解が得られず敬遠されがちです。特に、事前登録が必要なシステムを作っている場合、面倒さを感じて登録を避ける人が多くなります。

また、観光客などのシステムを知らない人や、ITに弱い高齢者が利用しづらいため、利用者が限定されてしまう危険性もはらんでいます。「利用者にいかに負担をかけずに利用してもらえるか」ということが、デマンド交通導入成功への課題といえるでしょう。

運用コストが高くなる場合も

デマンド交通のメリットとして「運用コストが下がる」ことを紹介しましたが、利用者の数や運行状況によっては逆に運用コストが上がる場合もあります。まず、デマンド交通を準備する時点で、不定期運行に対応するための車両数の確保や、システム構築などの費用が必要です。デマンド交通による利用率が低ければ、大きなコスト削減効果は得られないので、これらの費用を吸収できない可能性があります。

また、利用者が増えた場合、通常の定期バスと比べると数によるメリットが活かしづらいので、相対的にコストが上がってしまう問題もあります。そのため、定時運行のバスとデマンド交通を組み合わせるなど、コスト削減を念頭に置いて最適な運用を行うことが重要です。

まとめ

今回は、デマンド交通の仕組みやメリット、現状の課題などについて解説しました。デマンド交通は、従来の公共交通機関の利便性を高めつつ、コストを削減する手段として注目され、導入が進んでいます。ただし、運用の最適化にはまだまだ課題があり、デマンド交通のポテンシャルを活かせていない自治体が多いため、今後の改善が必須な状況でもあります。各自治体において、課題を解決するための取り組みも行われているため、今後のさらなる発展に期待しましょう。

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