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  • RFIDが普及しないのはなぜ?主な理由を解説
  • RFIDが普及しないのはなぜ?主な理由を解説

    2024.08.27更新

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    この記事を書いた人

    機電系専門ライター Div.長谷川

    長谷川

    FREE AID編集部 機電系専門ライター Div.
    アナログ回路設計・営業を経験した後ライター&ディレクターとして独立。
    電気電子・ITジャンルを得意とし、正確で分かりやすい情報の発信を行っています。

    小売店や流通現場の在庫管理に革命を起こすとして期待されている「RFID」ですが、意外と普及していないのを疑問に思っている方もいるのではないでしょうか。本記事では、RFIDが普及していない理由を中心に解説します。

    RFIDとは

    まず前提として、RFIDがどのようなものか基本的な内容を解説しておきましょう。RFIDとは「Radio Frequency Identification」の略語であり、無線で情報が読み書きできるICタグを使った識別システムのことを指します。バーコードやQRコードと同様の使い方ができますが、遠隔での読み取りが可能で書き換えも可能なことから、識別システムをより便利にする存在として、特に小売業などでの利用が期待されています。

    なお、RFIDはシステムの総称で、IDタグと読み書きを行うリーダ・ライタがセットになっています。仕組みや特徴をより詳しく知りたい方は「RFIDとは?仕組みやメリット・デメリットなどを徹底解説!」をご覧ください。

    RFIDが普及しない理由

    それでは、なぜRFIDの普及が進んでいないのか、主な理由を解説します。

    コストが高い

    最も多い理由はコストの高さです。IDタグはICとアンテナが搭載されており、バーコードなどと比べるとどうしても単価が高くなります。そのIDタグを全ての製品に取り付けなければならないほか、RFIDのシステム全体を導入するのにもコストがかかるので、全体のコストはかなり高くなってしまうのです。従業員への教育なども含めると膨大なコストがかかるので、導入に足踏みしてしまう企業は少なくありません。また、自社のシステムを変えると取引先のシステムにも影響するため、例え自社がコスト面をクリアできたとしても、導入できないといった場合もあります。

    正確な読み取りができない場合がある

    RFIDは遠距離でも読み取りできるのが特徴ですが、電波で読み取りを行う都合上、周囲の環境によっては正しく読み取れないことも問題となります。RFID同士が重なっている場合には電波干渉が起きるほか、周囲に金属がある場合や、ペットボトルなど水がある場合なども電波が正常に届かないので、通信エラーの原因となります。正しい読み取りができないと、結局手作業で確認を行わなければならなくなり、RFIDのメリットが失われてしまうことにもなりかねません。もちろん取付方法を工夫できれば通信エラーは防げますが、今度は状況に合わせてRFIDの貼り付け方法を変える手間が問題となるので注意が必要です。

    セキュリティ確保が難しい

    RFIDは無線を使えば遠距離でも情報が読み取れるため、情報を抜き取られたり、内容を改ざんされたりするリスクも高くなります。もちろん、製品としても書き換えができないようにするロック機能や、暗号化による認証機能などによってセキュリティリスクを低減する取り組みが行われています。ただ、どのような製品を選ぶか、また導入後のセキュリティ性アップデートについては利用者が相応の知識を持って対策を行わなければなりません。

    利便性向上の認知度が低い

    日本においてRFIDが特に普及していない理由には、利便性向上の度合いに対する認知度が低く、コストの高さなどの導入ハードルを越えられないといった点もあります。海外ではRFIDが盗難防止で大きな効果を上げることから導入している企業が増えていますが、日本では盗難や紛失が起きることはまれなので、導入の決め手にはなっていません。

    また、RFIDは単なる在庫確認だけでなく、トレーサビリティの管理や食品の賞味期限を入れて品質管理を行うなど、様々な活用方法がありますが、これらが十分に認知されているとは言えないことも導入が進まない一つの理由となっています。

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    RFIDはいつ普及していくのか

    このように、現時点でRFID普及するには様々なハードルがありますが、いつ頃になると多くの企業で使われるようになるのでしょうか。その大きな節目となりそうなのは、IDタグ1枚あたりの価格です。IDタグのコストは通常品でも1枚あたり10円前後、金属用などの特殊仕様なら1枚100円前後となるため、継続的なコストの高さから、RFIDに価値を感じつつも導入に踏み切れない企業が多いです。

    ただ、IDタグは量産されるタグの数が増える、また技術が進化することで価格が下がってきており、今後も価格が下がり続けることが期待されています。10分の1である1円程度になれば、多くの企業が問題としている価格の高さが解消されるので、一気にRFIDの普及が進んでいく可能性があるでしょう。

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    まとめ

    今回は、RFIDがなぜ普及しないのか、主にあげられる理由を解説しました。RFIDは無線で情報が読み書きできる識別システムで、在庫管理などを格段に便利にすると期待されています。ただ、価格面などのデメリットが大きく、多くの企業が導入に踏み切れていない状況です。

    今後はIDタグの価格が徐々に下がってくると予測されるので、例えばIDタグが1枚1円程度になるなど、価格面での大きな変化があれば急速な普及が見込めるでしょう。RFIDが気になっている方はぜひ価格の変化を注視しておいてください。

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