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  • 可変抵抗器って何?種類や使い方などを知ろう
  • 可変抵抗器って何?種類や使い方などを知ろう

    2024.08.08更新

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    この記事を書いた人

    機電系専門ライター Div.長谷川

    長谷川

    FREE AID編集部 機電系専門ライター Div.
    アナログ回路設計・営業を経験した後ライター&ディレクターとして独立。
    電気電子・ITジャンルを得意とし、正確で分かりやすい情報の発信を行っています。

    オーディオ機器のボリュームなどに多く使用されている可変抵抗器。名前から抵抗を変えられる機器ということは分かっていても、具体的な構造や種類、特性までは知らない方も多いのではないでしょうか?そこで今回は、身近だけど詳しく知らない可変抵抗器について、構造、種類、特性、注意点などについて解説します。

    可変抵抗器とは

    可変抵抗器とは、その名の通り「抵抗値を簡単に変えられる抵抗」のことです。一般的な抵抗器は固有の抵抗値を持っているため、抵抗値を変更するには抵抗を入れ替えるしかありません。しかし、それでは状況に応じて抵抗値を変えたい場合に困るため、可変抵抗器が開発されました。オーディオの音量など、調整するツマミが付いている機器には、ほとんどの場合で可変抵抗器が使われています。また、抵抗値の変化からツマミの位置や角度が割り出せるため、機械的な位置や角度を検出する機器としても使用されます。

    可変抵抗器の構造と使い方

    可変抵抗器の構造は非常にシンプルです。一般的な抵抗器は、抵抗体の両端に端子を付けた形をしていますが、可変抵抗器の場合は追加で可動式の摺動端子が取り付けられています。摺動端子は抵抗体の表面に接触しながら、任意の場所に移動できます。すると、抵抗体の端子と摺動端子間の抵抗体の長さも変化するため、その長さに比例して抵抗値も変化するのです。

    ただし、摺動端子の移動距離と抵抗値の変化は、単純に比例するわけではありません。可変抵抗器には電子機器用やオーディオ用など用途が分かれており、それぞれで使い勝手が良くするよう、補正を掛けているからです。この補正のことを「抵抗変化特性カーブ」と呼び、補正状況によって「Aカーブ」「Bカーブ」といったように名称が分けられています。可変抵抗器は応用分野が広く、メーカーや機器によって様々な特性の可変抵抗器が販売されているため、用途に合った特性を選ぶようにしましょう。

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    可変抵抗器の種類

    摺動端子が動く方向の違いにより、可変抵抗器はロータリー式、スライド式に分類されています。それぞれの特徴と用途の違いを紹介します。

    ロータリー式

    摺動端子が回転方向に動く可変抵抗器のことをロータリー式と呼びます。円形の抵抗の両端に固定式端子、中間部に摺動端子が取り付けられており、回転動作によって抵抗値が変化する仕組みです。回転動作を抵抗変化に応用することから、オーディオ機器のボリューム調整やラジオの周波数操作などに使用されます。

    また、回転角の検知素子として使用されることもあり、ロボットの腕や脚の位置検出器やゲームのコントローラ、サーボモータ制御などへの応用も増えてきています。現在使用されている可変抵抗器の多くがロータリー式で、ほとんどの店舗でスライド式よりも取り扱い数が多いです。

    スライド式

    摺動端子が直線方向に動く可変抵抗器のことをスライド式と呼びます。抵抗器の表面に摺動端子があり、端子の位置に応じて抵抗値が決まるシンプルな構造です。直線動作で抵抗値の微調整を行う必要があることから、ロータリー式よりも部品サイズが大きくなります。そのため、小型部品用には使われず、主に放送設備など大型機器のボリューム調整などで使用されています。

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    可変抵抗器の経年劣化

    可変抵抗器は他にない性能から多用されていますが、長期間使用すると摺動部分が物理的に劣化し、性能が低下するという短所があります。最も問題となるのは「摺動ノイズ」と呼ばれる電気ノイズです。可変抵抗器は抵抗素子の表面を摺動端子が機械的にスライドして抵抗値が変化するため、摺動時の振動がノイズとして現れます。

    もちろん、通常は摺動ノイズが発生しないよう工夫して設計されているため、正常時に問題となることはほとんどありません。しかし、経年劣化や汚れの堆積により、摺動部の表面に細かな傷や凹凸が生じると、無視できない影響が発生する可能性があります。

    特にオーディオ機器の場合はガリガリと鳴るノイズとなるため、ノイズが耳障りに感じてきたら新品に取り替えるようにしましょう。また、ツマミを長期間にわたって動かしていると、摺動部が摩耗して抵抗値が変化するという問題もあります。接点不良によって一部の抵抗値が異常に高くなるほか、抵抗変化特性カーブが全体的に変化する場合もあるため、抵抗値の誤差を気にする用途では細心の注意が必要です。

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    特殊な可変抵抗器

    最後に、可変抵抗器に似た機能を持つ製品である「トリマポテンショメータ」「デジタルポテンショメータ」を紹介します。用途に合わせて使い分ける必要があるため、違いを理解しておきましょう。

    トリマポテンショメータ

    トリマポテンショメータは、半固定式の可変抵抗器のことです。製品の製造段階において、他の部品のバラツキなどによる個体差を取り除く「トリミング」のために使われることから名づけられました。トリマポテンショメータは、電子基板上で固定抵抗器の代わりに使われ、製造時に抵抗値の調整を行います。

    また、出荷後は固定抵抗と同じ使い方となるため、基本的に抵抗値を動かすことはありません。そのため、専用の工具でないと抵抗値を変えられない形になっており、誤って抵抗値を変えてしまうのを防いでいます。さらに、可変抵抗器に比べて長期的な抵抗値安定性にも優れています。

    デジタルポテンショメータ

    デジタルポテンショメータは、機械的な接点を持たない非接触型の可変抵抗器です。集積回路の内部に作られた多数の抵抗素子をON/OFFし、任意の抵抗値を作り出します。機械的な摩耗や摺動ノイズといった可変抵抗器特有の弱点がないことから、非常に高寿命な可変抵抗器として注目を集めています。

    また、人の手ではなくプログラムによって抵抗値を変えられるのも特徴です。抵抗値の調整が自動で行えるうえ、ソフトによるアクセス以外で抵抗値が変わらないことから、トリマポテンショメータの代替としても数多く使われています。

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    まとめ

    今回は様々な分野で使用されている可変抵抗器について解説しました。構造や原理はシンプルながら応用の幅は広く、単純な抵抗素子から回転角制御素子、電子回路のパラメータ調整器としても活用されています。

    摺動部が存在するため、長期間使用すると性能が劣化するといった短所もありますが、デジタルポテンショメータを使うことで解決できます。比較的安価に様々な特性の製品が売られているため、ぜひ理解して回路設計に役立てていきましょう。

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