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  • カーボンフットプリントとは?取り組み方法などを分かりやすく解説!
  • カーボンフットプリントとは?取り組み方法などを分かりやすく解説!

    2025年5月10日更新

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    この記事を書いた人

    機電系専門ライター Div.長谷川

    長谷川

    FREE AID編集部 機電系専門ライター Div.
    アナログ回路設計・営業を経験した後ライター&ディレクターとして独立。
    電気電子・ITジャンルを得意とし、正確で分かりやすい情報の発信を行っています。

    温室効果ガスの排出量を可視化する「カーボンフットプリント」のことをご存知でしょうか。今回はカーボンフットプリントについて、具体的な意味や誕生の背景、取り組みの手順などを網羅的に解説します。あまり聞いたことがない人も多いと思いますが、地球温暖化対策において重要な役割を持つ数値なので、ぜひ最後まで読んで理解しておきましょう。

    カーボンフットプリントとは

    カーボンフットプリントとは

    カーボンフットプリントとは、製品製造のライフサイクルの中で発生する温室効果ガスの量を、二酸化炭素に換算して表した係数のことです。そして、カーボンフットプリントを用いてライフサイクル全体について評価する手法のことを、ライフサイクルアセスメント(通称LCA)と呼びます。

    カーボンフットプリントは国際的にはISO 14067で定義されており、国内であれば経済産業省と環境省が公開するガイドラインにおいて、カーボンフットプリント算定に関わる要求事項や考え方、具体的な実施方法などが定められています。ちなみにEUではカーボンフットプリントの表示を義務付けている国もありますが、日本では現段階で表示する義務はありません。

    なお、カーボンフットプリントの対象となるライフサイクルには、原材料の調達や生産、流通、使用や維持管理、廃棄またはリサイクルまでの全てのプロセスが含まれます。実際にカーボンフットプリントを算定する際は、これらのプロセスで直接的に排出される温室効果ガスはもちろんのこと、消費する燃料やエネルギーなども考慮しなくてはなりません。また、他社に委託しているプロセスがあれば、委託先が消費、排出する温室効果ガスも考慮する必要があります。

    カーボンフットプリント誕生までの歴史

    カーボンフットプリント誕生までの歴史

    カーボンフットプリントの概念自体は1980年頃に誕生したと言われています。背景としては、化石燃料の大量消費に伴い二酸化炭素の排出量が急激に増えたことで、地球温暖化による様々な環境問題に注目が集まったことがきっかけとなりました。2008年にはイギリスの規格協会(BSI)がカーボンフットプリントに関する規格としてPAS2050を創設し、各国にカーボンフットプリントに関する取り組みが普及していきました。そして、世界的に統一された規格が必要だという考えから、カーボンフットプリントに関する国際基準であるISO/TS 14067が2013年に誕生しました。

    カーボンフットプリントの意義や活用イメージ

    カーボンフットプリントは製品製造に関わる企業だけでなく、政府や消費者にとっても意義のある数値です。企業であれば、各事業が地球温暖化にどれほど影響を与えているか定量化できるため、環境対策の目標設定に活用したり、クリーンな活動を対外的にアピールするのに役立ちます。

    政府であれば、環境問題に取り組んでいる企業に対し、規制や税金を緩和する目的で使用したり、国際的に地球温暖化対策を図っていることのアピールにも使えるでしょう。また消費者であれば、カーボンフットプリントが低い製品を積極的に選ぶことで、クリーンな製品や企業を応援するのに役立ちます。

    カーボンフットプリント活用の具体的な流れ

    カーボンフットプリント活用の具体的な流れ

    続いて、カーボンフットプリントを実際に算定し、開示する手順について、経済産業省と環境省が公開するガイドラインの内容をベースに解説していきます。

    算定方針を明確にする

    最初のステップでは、カーボンフットプリントの算定方針として、算定の目的、対象となる製品、算定方法について決めていきます。実は国際規格では、具体的な算定方法までは規定されていないため、算定の目的や対象製品などを整理し、算定者側で適切な算定方法を決めていく必要があるのです。

    具体的な手順として、まずは算定した値を使って何をしたいのか、自社の短期的あるいは中期的な事業戦略などとも照らし合わせながら、カーボンフットプリント算定の目的を決めていきます。次にどの製品を算定対象とするのか、ライフサイクルのどこまで算定するのかなど、算定の対象を決めていきます。目的や対象が決まったら、どの規格やガイドラインを参照とするかを決め、実際の算定ステップへと移ります。

    手順に基づいてカーボンフットプリントを算定する

    カーボンフットプリント算定に関する基本方針が固まったら、ライフサイクルフロー図や算定手順書、算定ツールなどを使用し、カーボンフットプリントを算定していきましょう。ライフサイクルフロー図とは、全体的なプロセスの流れと、各プロセスにおける温室効果ガスの量を落とし込んだ図のことです。ちなみにライフサイクルフロー図を用いて算定範囲を明確にすることを、バウンダリーの設定と呼びます。

    バウンダリーの設定が完了したら、算定時の単位や除外する際の基準、データを収集する方法、想定するシナリオなどを記した算定手順書を作成し、表計算ツールなどを用いて算定を行います。ちなみに算定手順書や算定ツールは対外的に公開する必要はないため、実際に作業する人が分かりやすいよう、社外秘情報も含めて詳しく作り込むことが大切です。

    カーボンフットプリントを表示・開示する

    算定したカーボンフットプリントを対外的に開示・表示する際は、情報を必要とする相手に正確かつ確実に伝わらなくてはなりません。ガイドラインでは、算定における透明性を担保するため、カーボンフットプリントの算定手順や結果を分かりやすくまとめた算定報告書の提出が求められており、具体的な掲載項目の例なども示されています。

    また表示や開示のターゲットに応じて、使用する媒体や内容、書き方なども工夫しなくてはなりません。ガイドライン上では代表的な企業の表示例についても紹介されているため、参考にしながら効果的な方法を探ると良いでしょう。

    カーボンフットプリントには問題もある

    カーボンフットプリントには、取り組みが進まない要因となるいくつかの問題点があります。順番に解説していきましょう。

    公平性の問題

    各企業や団体が算定したカーボンフットプリントの数値は、複数の理由から公平性に問題があると言われています。まず、カーボンフットプリント算定に関する基準やガイドラインはいくつか存在するものの、それぞれの解釈が一致していないため、使用するガイドラインによって算定結果が異なる恐れがあります。

    また、そもそも規定では算定方法が明確には規定されておらず、算定者が目的に応じて算定範囲や方法を決めることから、精度などにバラつきが生じる可能性も高いです。さらに算定に使用した手順書やツールを公開する義務はないため、第三者が各団体の算定結果の公平性を評価することも難しく、結果的にカーボンフットプリントの公平性は低いと言わざるを得ません。

    難易度が高い

    カーボンフットプリントの算定は非常に難易度が高く、取り組みのハードルが高いという問題もあります。まず、直接的に温室効果ガスが排出されるプロセス以外であれば、そもそも温室効果ガス排出量を定量化するのが困難です。また、算定作業を進めるには多くの専門知識が求められるうえ、作業自体にも膨大な時間と労力、コストが掛かってしまいます。さらに規模が大きい事業の場合、サプライチェーンの情報収集にも様々な課題があることから、総じてカーボンフットプリントの算定は非常にハードルの高い作業と言えるのです。

    認知度の低さ

    各社が取り組みつつあるカーボンフットプリントですが、消費者の知名度はまだまだ低いのが実態です。そのためコストや時間を掛けてカーボンフットプリントを算定しても、消費者から評価されにくく、製品の売上向上には繋がりません。もちろん政府やサプライチェーン企業に対するアピールにはなりますが、消費者の知名度が高ければ、カーボンフットプリントの算定がそのまま商品の広告、宣伝に繋がるため、知名度が高いに越したことはないでしょう。

    まとめ

    今回は温室効果ガスの量を定量化するカーボンフットプリントについて、具体的な意味や取り組みの流れ、問題点などを解説していきました。まだまだ知名度が低く、取り組んでいる企業も多くないですが、カーボンニュートラル社会の実現に欠かせない係数であるので、気になる方は調べてみると良いでしょう。

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