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ヒートシンクとは?原理や使用時の注意点などを紹介します

2023.10.10更新

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この記事を書いた人

機電系専門ライター Div.長谷川

長谷川

FREE AID編集部 機電系専門ライター Div.
アナログ回路設計・営業を経験した後ライター&ディレクターとして独立。
電気電子・ITジャンルを得意とし、正確で分かりやすい情報の発信を行っています。

高性能な電子機器を設計する上では、部品が壊れないようにする熱設計が非常に重要です。中でもヒートシンクは簡単に設置できるうえ、放熱性が高いことから応用の幅が広い熱対策部品と言えます。本記事では、ヒートシンクの原理や設計上の注意点など、基本的な内容を解説します。

ヒートシンクとは

ヒートシンクとは、電子部品の熱を逃がすために利用される部品のことです。「放熱器」とも呼ばれます。電子部品は電流を流すことで動きますが、内部抵抗により電流を熱として消費するため、駆動時に発熱します。部品温度が上がると性能の劣化や部品の破損につながるため、生じた熱を逃がし、部品内部が一定以下の温度になるよう保たなければなりません。

しかし、プリント基板や電子部品自体が持つ放熱性には限界があるため、特に大電流を消費する部品では放熱性を高める工夫が必要です。ヒートシンクは、このような放熱性が足りない部品に接着させて熱を吸い取り、空気中に放熱することで電子部品を熱から守ります。

ヒートシンクの原理

続いて、ヒートシンクが熱を効果的に逃がす仕組みについてお伝えしましょう。電子部品が高温になるのは、発熱量が大きいだけでなく、基板や周辺部品に熱が伝わる量(熱伝達)と、周囲の空気に熱が逃げる量(輻射熱)が小さいことが原因です。

そのため、ヒートシンクは電子部品の熱伝達と輻射熱を高めることで問題を解決します。まず、ヒートシンクは金属製で熱伝達率が高いので、発熱する部品(もしくは裏面)に直接貼り付けることで、効率的に熱を吸収します。また、ヒートシンクはサイズが大きく、剣山のように凹凸のある形状をしているため、表面積が広いです。表面積が広いほど表面から輻射される熱も増えるため、周囲の空気に効果的に放熱できるようになるのです。

熱抵抗の重要性

ヒートシンクを取り付ければ放熱性は高まりますが、電子部品の排熱に対して放熱性が十分に確保できているかを確かめるには、熱抵抗を確認する必要があります。熱抵抗とは、「℃/W」という単位で示され、物体間においてどの程度熱が伝達するかを表す指標です。熱抵抗は高いほど熱を伝達しにくいため、放熱性を意識する際には熱抵抗を小さくするよう工夫します。

また、放熱性を計算する場合、ヒートシンクの熱抵抗だけでなく、電子部品自体の熱抵抗や、電子部品との接触部分の熱抵抗も考慮しなければなりません。特に電子部品の熱抵抗は非常に高く、パッケージ表面やリード端子部分など、場所によっても熱抵抗に大きな差があるため注意しましょう。

部品の熱抵抗の数値から、ある程度熱の流れが可視化できるので、最適な場所にヒートシンクを取り付けるように工夫すると良いでしょう。

設計時の注意点と解決方法

放熱設計を行う場合、ヒートシンクの選定以外にも注意すべき点は多くあります。特に注意するべき項目について解説します。

筐体の影響も考慮する

電子回路を小さな筐体に封入する場合、放熱設計はより条件が厳しくなります。これは、放熱により筐体内部の空気温度が上がってしまうことが原因です。筐体による温度上昇の影響が大きい場合は、ヒートシンクの設計だけでなく、筐体自体の放熱性を向上させる工夫を行わなければなりません。筐体の材質変更や空気穴・ファンの追加、筐体表面積の増加など、設置場所に適した対策を行いましょう。

ヒートシンクの放熱性を最適化する

ヒートシンクを利用する場合、他の放熱機器を追加することでさらに性能を向上できます。例えば、ファンを追加してヒートシンクの表面に風を当てれば、対流によって熱が放出されることで、放熱性能が上がるでしょう。また、電子部品とヒートシンクの間に放熱シートを挟めば、ヒートシンクへの熱伝達効率が上がり吸熱性の向上も実現できます。

他の放熱方法も検討する

ヒートシンクを利用する場合、他の放熱機器を追加することでさらに性能を向上できます。例えば、ファンを追加してヒートシンクの表面に風を当てれば、対流によって熱が放出されることで、放熱性能が上がるでしょう。また、電子部品とヒートシンクの間に放熱シートを挟めば、ヒートシンクへの熱伝達効率が上がり吸熱性の向上も実現できます。

まとめ

今回は、ヒートシンクの基本的な原理や注意点について解説しました。ヒートシンクは表面積を広くした金属であり、電子部品の放熱性を低コストで簡単に高められるのが特徴です。サイズが大きく場所を取ること、また放熱性能に限界があることから何にでも使える訳ではありませんが、最も使いやすい熱対策手法だといえるでしょう。

実際に電子部品への選定を行う際は、ヒートシンクや部品などの熱抵抗を考慮し、放熱性が十分か確かめてから選ぶようにしてください。詳細な放熱性を知りたい場合は、熱伝導シミュレータを使うのもおすすめです。

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