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D-sub(ディーサブ)コネクタって何?仕様やUSB、HDMIとの違いを解説!

2023.10.09更新

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この記事を書いた人

機電系専門ライター Div.長谷川

長谷川

FREE AID編集部 機電系専門ライター Div.
アナログ回路設計・営業を経験した後ライター&ディレクターとして独立。
電気電子・ITジャンルを得意とし、正確で分かりやすい情報の発信を行っています。

D-subと呼ばれるコネクタのことをご存じですか?普段の生活で必ず目にしているものの、意外とその特徴を知らないのではないでしょうか。そこで今回は、D-subコネクタの歴史や特徴、同様の用途で使われるUSB、HDMIコネクタとの違いなどを詳しく紹介します。

D-subとは

引用:日本航空電子工業株式会社

D-subは「ディー・サブミニチュア」と呼ばれ、アナログ通信を行うために使われる多芯接続コネクタ規格の一種です。金属シールドがアルファベットのDに似た形をしていることから名付けられたと言われています。

2列もしくは3列にピンコンタクトを配置し、その周囲を金属シールドで守る構造をしています。また、コネクタの両端にはねじ止め用の構造がついていることが多く、簡単に外れないような工夫がなされているのが特徴です。

D-subの歴史

D-subの歴史は古く、1952年にアメリカのコネクタ会社「CANNON社」が開発した所から始まります。その性能の高さが評価され、1969年にアメリカのMIL規格(MIL-DTL-24308A)に登録されたことから、軍事・航空宇宙用途を始め、数多くの用途で用いられるようになりました。その後、国際標準のIEC規格(IEC 60807-3)やドイツの工業規格(DIN41652)にも採用され、国際的な標準規格としての地位を確立します。

このように、コネクタとして高い評価を得たD-subですが、世界中に普及が進んだのはパソコンと周辺機器を繋ぐコネクタとして採用されたことがきっかけです。2000年頃にUSB端子が、2010年頃にHDMIが普及したことで使用頻度は下がりましたが、数十年にわたり接続コネクタの主役として世界中で使われてきました。

D-subの種類

 

D-subコネクタは用途に応じて端子数が異なり、20種類もの製品が作られています。中でも一般的に使われているピン数と、その用途をお伝えします。

D-sub 9ピン

端子数が上段5ピン、下段4ピンの2列9ピンで構成されるD-subコネクタです。各種コンピュータのシリアル通信に使われており、現場では通信規格の名称(RS-232Cなど)で呼ばれることもあります。パソコン用途ではUSBに代替されて役割を終えましたが、産業機器などでは今でも主力のコネクタとして使われています。

D-sub 15ピン(VGA端子)

5ピンの端子を3列に重ねた構造のD-subコネクタです。主にパソコンの映像をモニターやプロジェクターに映す際に使われ、VGA規格のアナログ映像通信をやりとりすることから「VGA端子」とも呼ばれます。

2000年以降はデジタル映像信号が普及したため、HDMI端子への置き換えが進んでいますが、高い画質を求めないような用途ではまだまだ現役で使われています。

D-sub 25ピン

端子数が上段13ピン、下段12ピンの2列9ピンで構成されるD-subコネクタです。パソコンと周辺機器のシリアルポート通信やパラレルポート通信で汎用的に使われ、かつてはプリンターやディスクドライバなどとの接続を担っていました。こちらは一部の産業機械を除きほとんどがUSB端子に代替されており、見かける機会は減っています。

USB、HDMI端子との違い

最後に、D-subの代替として登場したUSB、HDMIとの違いについて、概要を紹介します。

USBは汎用性の高さが魅力

USBは「ユニバーサル・シリアル・バス」の略で、その名の通り汎用的なシリアル通信が行える規格のことです。元々シリアル通信はRS-232Cを始め、様々な規格やコネクタが乱立しており、パソコンには様々なポートが必要な状態でした。

そこで、ポートを統一して利便性を向上させるため、インテル、マイクロソフトなど1000社近くのメーカーが協力して開発したのがUSBです。共通のポートに挿すだけで簡単に使えるという気軽さや、通信速度の速さなどから急速に普及が進み、D-subの代替としても使われるようになっています。

HDMIは高精細な映像・音声が送れる

HDMIは「高精細度マルチメディアインターフェース」の略で、映像と音声、制御信号をデジタル信号で送る規格のことです。ハイビジョン映像など、高精細な通信を行いたいという需要に合わせて登場し、テレビなどに搭載されたことを皮切りに、世界中で一気に普及し始めました。

デジタル信号はアナログ信号であるVGAよりもノイズに強いため、劣化のない綺麗な映像を出力できます。また、映像と音声を1本のケーブルで送信でき、機器の省スペース化が実現できるメリットもあるため、パソコンのディスプレイでもD-subを代替するようになってきました。

現状、HDMIは物理的な衝撃に弱く、長距離伝送にも向かないなどの欠点もあります。そのため、D-subが使われることもまだまだ多いですが、画質を求める場合はHDMIが必須だといえるでしょう。

まとめ

今回はD-sub(ディーサブ)コネクタに注目し、特徴や種類などを解説しました。D-subは1952年に開発されたコネクタ規格で、アメリカのMIL規格に採用されたのを皮切りに、産業・民生品の両方で50年以上使われてきた規格です。

パソコンなどの民生品はUSBやHDMIに代替されていますが、産業用途では未だに多くの場面でD-subコネクタが使われ続けています。耐久性にも優れるため、これからも様々な所で活躍する姿が見られるのではないでしょうか。

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