D-sub(ディーサブ)コネクタって何?仕様やUSB、HDMIとの違いを解説!
2026年2月8日更新
この記事を書いた人

大手メーカー「コマツ」、「オムロン」などで7年間、アナログ回路エンジニアとして設計・評価業務に従事。
ECU、PLCなどのエレキ開発経験を多数持つほか、機械商社での就労経験も有する。
株式会社アイズ運営の機電系フリーランスエンジニア求人情報「FREEAID」専属ライターとして、
機電分野の知識と実務経験を活かし、専門性の高い記事執筆を行っている。
D-subコネクタとは?

引用:日本航空電子工業株式会社
D-subコネクタとは、様々な信号を伝送するために使われる、多芯接続コネクタの形状規格の一種です。抜けにくく、壊れにくい頑丈さが特徴で、ピン数のバリエーションも豊富なことから、主に産業用で数多く用いられています。
D-subコネクタの特徴
D-subコネクタの特徴をより詳しく解説します。
ねじ固定による高い保持力がある
D-subコネクタの特徴として真っ先に上がるのが、コネクタを両端のねじ(ジャックスクリュー)によって固定できる点です。差し込むだけのコネクタと異なり、接続後にねじで締め付けが行えるので、振動や衝撃が加わっても簡単に抜けなくなります。産業機器や制御盤のように、機械が稼働して振動が発生する環境では「接触不良が起きにくいこと」が重要になるため、D-subの信頼性の高さが評価されやすく、多くの場面で使われ続けています。
金属シェル構造でノイズに強い
D-subコネクタは、端子の周囲が金属シェルで覆われた構造になっています。この金属シェルは機械的な保護だけでなく、外部ノイズに対するシールドとしても機能します。特に工場や装置内では、モータやインバータ、リレーなどから電気的なノイズが発生しやすく、信号が乱れる原因になるため、D-subがノイズ対策のしやすいコネクタとして使われることが多いです。
誤挿入しにくく、現場作業で扱いやすい
D-subは外形がアルファベットの「D」に似た形をしており、逆向きに挿し込めない構造になっています。さらにねじ固定を行うタイプであれば、途中まで挿さっているだけの状態で使用されることも起きにくく、接続不良の防止につながります。産業用途では、設置・保守作業を短時間で確実に行う必要があるため、このような「現場でミスが起きにくい構造」が大きなメリットとなります。
ピン数のバリエーションが豊富
D-subは端子数の種類が多く、用途に合わせてピン数を選べる点も特徴です。代表的なものとしては、9ピン、15ピン、25ピンがよく知られていますが、さらに多ピンの規格も存在します。単純な通信線だけでなく、複数の信号線をまとめて接続したい場合にも対応しやすいので、装置間インターフェースとして多く採用されます。
様々な信号をまとめて接続できる
D-subは特定の用途専用コネクタではなく、信号の種類を限定しない汎用性の高さがあります。デジタル信号、アナログ信号、制御信号、シリアル通信、機器間のインターフェース信号などを1つのコネクタにまとめて引き回す用途で使われます。専用の通信コネクタと比べると、仕様を自由に設計できるため、装置メーカーが独自の配線ルールを組みやすい点も、産業用途で採用される理由の一つです。
D-subコネクタの歴史
D-subの歴史は古く、1950年代にアメリカのコネクタ会社「CANNON社」が開発した所から始まります。その性能の高さが評価され、1969年にアメリカのMIL規格(MIL-DTL-24308A)で規格化されたことから、軍事・航空宇宙用途を始め、数多くの用途で用いられるようになりました。その後、国際標準のIEC規格(IEC 60807-3)やドイツの工業規格(DIN41652)にも採用され、国際的な標準規格としての地位を確立します。
このように、コネクタとして高い評価を得たD-subですが、世界中に普及が進んだのはパソコンと周辺機器を繋ぐコネクタとして採用されたことがきっかけです。2000年頃にUSB端子が、2010年頃にHDMIが普及したことで使用頻度は下がりましたが、数十年にわたり接続コネクタの主役として世界中で使われてきました。
D-subの種類

D-subコネクタは用途に応じて数多くのピン数を持つ製品が作られています。中でも一般的に使われているピン数と、その用途をお伝えします。
D-sub 9ピン
端子数が上段5ピン、下段4ピンの2列9ピンで構成されるD-subコネクタです。各種コンピュータのシリアル通信で使われることが多く、現場では通信規格の名称(RS-232Cなど)で呼ばれることもあります。パソコン用途ではUSBに代替されて役割を終えましたが、産業機器などでは今でも主力のコネクタとして使われています。
D-sub 15ピン(VGA端子)
5ピンの端子を3列に重ねた構造のD-subコネクタです。主にパソコンの映像をモニターやプロジェクターに映す際に使われ、VGA規格のアナログ映像信号をやりとりします。一般には「VGA端子」として広く知られています。2000年以降はデジタル映像信号が普及したため、HDMI端子への置き換えが進んでいますが、高い画質を求めない用途では現在も使われています。
D-sub 25ピン
端子数が上段13ピン、下段12ピンの2列25ピンで構成されるD-subコネクタです。パソコンと周辺機器のシリアルポート通信やパラレルポート通信で汎用的に使われ、かつてはプリンターや各種周辺機器との接続を担っていました。こちらは一部の産業機械を除きほとんどがUSB端子に代替されており、見かける機会は減っています。
USB、HDMI端子との違い

最後に、D-subの代替として登場したUSB、HDMIとの違いについて、概要を紹介します。
USBは汎用性の高さが魅力
USBは「ユニバーサル・シリアル・バス」の略で、その名の通り汎用的なシリアル通信が行える規格のことです。元々シリアル通信はRS-232Cを始め、様々な規格やコネクタが乱立しており、パソコンには様々なポートが必要な状態でした。
そこで、ポートを統一して利便性を向上させるため、インテル、マイクロソフトなど1000社近くのメーカーが協力して開発したのがUSBです。共通のポートに挿すだけで簡単に使えるという気軽さや、通信速度の速さなどから急速に普及が進み、D-subの代替としても使われるようになっています。
HDMIは高精細な映像・音声が送れる
HDMIは「高精細度マルチメディアインターフェース」の略で、映像と音声、制御信号をデジタル信号で送る規格のことです。ハイビジョン映像など、高精細な通信を行いたいという需要に合わせて登場し、テレビなどに搭載されたことを皮切りに、世界中で一気に普及し始めました。
デジタル信号はアナログ信号であるVGAよりもノイズに強いため、劣化のない綺麗な映像を出力できます。また、映像と音声を1本のケーブルで送信でき、機器の省スペース化が実現できるメリットもあるため、パソコンのディスプレイでもD-subを代替するようになってきました。
現状、HDMIは物理的な衝撃に弱く、長距離伝送にも向かないなどの欠点もあります。そのため、D-subが使われることもまだまだ多いですが、画質を求める場合はHDMIが必須だといえるでしょう。
まとめ
今回はD-sub(ディーサブ)コネクタに注目し、特徴や種類などを解説しました。D-subは1952年に開発されたコネクタ規格で、アメリカのMIL規格に採用されたのを皮切りに、産業・民生品の両方で50年以上使われてきた規格です。
パソコンなどの民生品はUSBやHDMIに代替されていますが、産業用途では未だに多くの場面でD-subコネクタが使われ続けています。耐久性にも優れるため、これからも様々な所で活躍する姿が見られるのではないでしょうか。
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