EV(電気自動車)にはコンセントが必要?工事の方法や注意点も紹介!
2024.08.08更新
機電系エンジニア必見!!貴重なフリーランス案件はこちら ▶EVを購入する場合、家庭で充電を行うのが最も簡単で安価にすみますが、どのような設備を導入すればいいかご存じでしょうか?今回は、最も簡単な設備であるEV用コンセントの導入に焦点を当て、工事の方法などを詳しく紹介します。
EVにはなぜコンセントが必要なのか?
前提として、EVに専用の設備が必要になる理由から説明しましょう。まず、EVの充電ケーブルは日本配線システム工業会にて規格が定められており、プラグの形状が一般的なコンセントとは異なるため、家庭のコンセントをそのまま使うことはできません。
また、充電を高速に行うため、EVの電源系統には200V電源が用いられるのも大きな違いです。一般家庭で使われる100Vとは系統が異なるため、別の電源設備を準備しておく必要があります。ちなみに、100Vでも充電自体は可能ですが、充電にかかる時間が倍以上長くなってしまうので現実的ではありません。コンセントを増設するだけでなく、配線工事が必要になると考えておきましょう。
EVコンセントの設置で必要な工事とは
それでは、EVのコンセントを設置するために必要な工事の内容を紹介しましょう。まず行うのは、分電盤のチェックとコンセントまでの配線経路の確認です。分電盤に200V電源が引き込まれていない場合は、配線を引き込む工事が必要になる上、分電盤自体も交換する場合があります。
また、EV用のコンセントは外壁に取り付けるのが一般的なので、配電盤から車庫近くの外壁まで配線を通す必要があります。配線の方法は家の構造やコンセントの位置によって大きく変わり、工事費用や作業時間も大きく変わるので、特に配電盤と設置場所の距離が離れている場合は注意しましょう。
配電盤や配線の検討が終わったらあとは作業するだけです。壁に穴をあけて配線を通し、床下や天井を通って分電盤からの電気を通します。また、充電用のコンセントも壁に設置して完成です。
作業自体はシンプルですが、ブレーカーへの配線作業があるため「第二種電気工事士」の資格保有者でなければ作業できません。漏電が事故に直結する危険な作業なので、必ず資格を持った人に依頼しましょう。
コンセント以外の充電設備も
EVの充電設備はコンセントを設置する方法が最もシンプルですが、他の種類もいくつかあります。
壁面取付タイプ
コンセントだけでなく、ケーブルごと収納できる箱を取り付けるのが「壁面取付タイプ」です。本体価格はコンセント式より高くはなりますが、毎回コンセントにプラグを差し込む手間が不要で、夜でも簡単に充電が行えるため利便性は向上します。また、箱は鍵付きのタイプが多いため、ケーブルなどの盗難や盗電対策としても有効です。
スタンドタイプ
駐車場が家と離れている場合など、壁付けの充電設備の設置が難しい場合は、スタンドタイプの充電器を利用しましょう。商業施設などの充電スタンドと同じ形状で、充電器単体で自立するので壁が必要ありません。
V2H
EVのバッテリーを蓄電池として使いたい家庭には「V2H」の設置がおすすめです。V2Hは「Viecle to Home」の略で、EVへの充電のみならず、EVから家庭用コンセントへの電力供給が行えるシステムです。導入コストはコンセントと比べると高くなりますが、深夜帯など電力価格が安いタイミングに充電を行うことで、家庭の電気代を安く抑えられます。また、停電が起きた際の非常用電源としても非常に有用です。
V2Hについてより詳しく知りたい方は「電気自動車を家庭用電源に!「V2H」のメリットや導入に向けたポイントを解説」をご覧ください。
急速充電は家庭に設置できない
ちなみに、EVへの充電方法といえば急速充電も有名ですが、こちらは導入・維持コストが高すぎるため、家庭用に導入することはできません。急速充電器のスタンド自体が200万円以上する上、高圧設備の導入に数百万円単位のお金が必要になります。
一方、ショッピングモールやコインパーキングなどの公共設備では急速充電器の設置が増えてきているため、自宅以外で充電するといった手もあります。ただ、急速充電を多用しすぎるとバッテリー寿命が短くなるため、普段から急速充電を多用するのは避けた方がよいでしょう。基本的には家庭で普通充電を行い、緊急時のみ急速充電を利用する使い方がおすすめです。
まとめ
今回は、EV(電気自動車)の充電設備として最もシンプルなEVコンセントについて、必要性や導入方法を紹介しました。EVは家庭で充電を行う場合、200V電源が流れる専用のコンセントにプラグを挿し、充電しなければなりません。そして、EV用のコンセントを設置するには、分電盤に200V電源が流れているか確認した後、壁付けコンセントの設置と分電盤からの配線を追加する必要があります。
公共設備などの急速充電器を使うことも可能ですが、多用はおすすめできないため、基本的には家庭にコンセントを設置した方がよいでしょう。壁付けのコンセント以外にもV2Hやスタンドタイプの充電器があるので、用途や充電設備の設置場所に合わせて最適な種類を選んでください。
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