ダイボンディングとは?工程の詳細や役割をわかりやすく解説!
2026年1月23日更新
この記事を書いた人

大手メーカー「コマツ」、「オムロン」などで7年間、アナログ回路エンジニアとして設計・評価業務に従事。
ECU、PLCなどのエレキ開発経験を多数持つほか、機械商社での就労経験も有する。
株式会社アイズ運営の機電系フリーランスエンジニア求人情報「FREEAID」専属ライターとして、
機電分野の知識と実務経験を活かし、専門性の高い記事執筆を行っている。
ダイボンディングとは?
ダイボンディングとは、半導体製造工程の中で、シリコンチップ(ダイ)を基板やリードフレームなどの支持体に固定する接合工程のことを指します。ワイヤボンディングやフリップチップ実装の前段階に位置し、チップを機械的・熱的に安定した状態で保持するための重要なプロセスです。
半導体デバイスの高性能化・小型化が進む中で、チップと基板との接合品質は、電気特性だけでなく放熱性や信頼性にも大きく影響します。その中でダイボンディングは、後工程の実装精度や長期信頼性を左右する基礎工程として重要な役割を担っています。
半導体後工程におけるダイボンディングの位置づけ

前提として、半導体後工程におけるダイボンディングの役割を簡単に整理します。半導体製造では、前工程で回路が形成されたウェーハを個々のチップに分割し、パッケージとして完成させる一連の工程のことを後工程と呼びます。ダイボンディングは、分割されたチップを基板に固定する最初の実装工程であり、その後に行われる配線接続や封止工程の土台となります。
ダイボンディングによってチップの位置決め精度や接合状態が決まるため、この工程の品質は、ワイヤボンディングの安定性や、パッケージ全体の熱抵抗、機械強度に直結します。
ダイボンディング工程の詳細

ここからは、ダイボンディング工程の流れと、その技術的なポイントについて順を追って解説します。
ダイの搭載と位置決め
ダイボンディング工程では、まずウェーハから切り出されたチップを基板やリードフレーム上の所定位置に高精度で配置します。位置ずれが生じると、後工程のワイヤ接続不良やショート、放熱経路の悪化につながるため、サブミクロンオーダーでの位置制御が求められます。
接着材料と接合方式
チップの固定には、エポキシ系接着剤、銀ペースト、はんだなどが用いられます。用途や要求特性に応じて、導電性接着剤による電気的接続を兼ねた方式や、はんだリフローによる金属接合方式などが選択されます。
特にパワー半導体や高周波デバイスでは、発熱量が大きいため、熱伝導率の高い材料を用いてチップ裏面から効率よく放熱することが重要となります。そのため、ダイボンディング材料の熱抵抗や接合界面の品質が、デバイス性能を左右する要因となります。
硬化・接合安定化工程
接着剤を用いる場合には、加熱による硬化工程が行われます。温度条件や加圧条件が不適切だと、ボイド(隙間)が発生するなどして接合強度が不足してしまい、信頼性が低下します。
そのため、ダイボンディングを行うダイボンダ装置では、温度、荷重、時間を精密に制御することで、安定した接合状態を実現しています。
ダイボンディング材料の選び方

ダイボンディング材料の選定は、デバイスの用途や動作条件によって大きく異なります。例えば、低消費電力のロジックICでは、応力を低減できるエポキシ系接着剤が多く用いられます。一方で、大電流が流れるパワー半導体では、電気抵抗や熱抵抗を抑えるために銀ペーストやはんだ接合が選択されることが多いです。
材料選定では、初期特性だけでなく、温度サイクルや通電ストレスを受けた際の経時変化も考慮する必要があります。そのため、信頼性評価結果を踏まえて適切な材料選定が必要だといえます。
ダイボンディングが果たす役割
ダイボンディングは単にチップを固定する工程ではなく、電気的接続、熱拡散、機械的信頼性の基盤を形成する重要なプロセスです。接合界面の品質が不十分であれば、通電時の温度上昇や熱応力によるクラック発生、長期動作における剥離などの不具合につながります。
そのため、近年では微細化や高出力化に対応するために、低ボイド化技術や高熱伝導材料、薄型チップに対応した低応力接合技術など、ダイボンディング技術そのものの高度化も進められています。
まとめ
本記事では、ダイボンディングの概要と、半導体後工程における重要性について解説しました。ダイボンディングとは、半導体チップを基板に固定する接合工程であり、後工程の配線や封止の品質、さらにはデバイスの電気特性・放熱特性・信頼性を支える基盤技術です。
半導体の高性能化・高信頼化が進む現在、パッケージ内部の構造や材料がますます重要となっています。その中核となるダイボンディング工程は、デバイス性能を成立させるための欠かすことのできない基礎工程として、今後も進化を続けるでしょう。
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