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  • 変位計とは?種類・測定原理・選定のポイントなどを解説!
  • 変位計とは?種類・測定原理・選定のポイントなどを解説!

                       

    2025年11月26日更新

    この記事を書いた人

    機電系専門ライター Div.長谷川
    「FREE AID」編集部:長谷川

    大手メーカー「コマツ」、「オムロン」などで7年間、アナログ回路エンジニアとして設計・評価業務に従事。
    ECU、PLCなどのエレキ開発経験を多数持つほか、機械商社での就労経験も有する。
    株式会社アイズ運営の機電系フリーランスエンジニア求人情報「FREEAID」専属ライターとして、
    機電分野の知識と実務経験を活かし、専門性の高い記事執筆を行っている。

    変位計とは?

    変位計とは、物体が移動した量(変位)を測定し、そこから測定対象の位置や寸法などを算出するセンサのことです。測定対象に直接触れて測定する接触式と、測定対象に触れずに測定する非接触式の2種類に大別され、中でも非接触式は測定原理の違いによって多くの種類が存在します。

    接触式変位計の種類

    接触式変位計はロッド式とワイヤ式の2種類に大別されます。それぞれの違いと特徴を解説します。

    ロッド式

    ロッド式の接触式変位計は細長いペンのような形状をしており、接触子が取り付けられたプランジャーが長軸方向に伸び縮みする構造をしています。構造上、直線方向の変位しか測定できず、測定可能距離が短いのが欠点です。測定時は対象の動きに合わせてプランジャーが伸縮し、その変位量をLVDT(差動トランス)などを用いて電気信号へと変換します。LVDTとは1つの一次コイルと2つの二次コイルがコアを取り囲むように配置された変圧器のことで、二次コイルの出力電圧がコアの位置によって変化するため、変位量を電気信号に変換して出力することができます。

    ワイヤ式

    ワイヤ式は巻き尺のような構造をした接触式変位計で、測定対象の動きに合わせてワイヤが引き出されると中央のスプールが回転し、回転軸に設置されたロータリーセンサが変位量を電気信号として測定します。ロッド式と比べて測定の自由度が高く、滑車を設けてワイヤの引き出し方向を変えることで、直線以外の方向も測定可能です。一方、ワイヤにはスプリングによって常に張力が掛かっているため、引き伸ばした状態で急に無負荷になると、勢いよくワイヤが引き戻されてセンサの故障やワイヤの断線を招く恐れがあります。

    非接触式変位計の種類

    続いて、種類が豊富な非接触式変位計について、具体的な測定原理や特徴を解説します。

    光学式

    光学式変位計は名前の通り光やレーザーを利用する変位計で、三角測量方式や光ファイバー式、透過式、共焦点式などの種類があります。三角測量式は、光源が発した光が対象に反射して受光素子に結像する際に、結像の位置が変位計と対象間の距離によって変わることを利用した測定方式です。また共焦点式は、光源から対象へ照射する光と対象からの反射光が同じ経路となるように配置し、測定対象に焦点が合う位置を探り当てることで対象の位置を検知します。種類の多い光学式ですが、基本的にどの方式も測定対象の種類に関係なく測定可能で、応答速度も早いのが強みです。

    静電容量式

    センサと測定対象間の静電容量を利用するのが静電容量式変位計です。2つの導体間の静電容量は導体間の断面積に比例し、導体間の距離に反比例する性質があるため、静電容量式の変位計では既知の面積のセンサを使用し、静電容量値から逆算することで変位量を算出しています。
    静電容量式は測定原理上、センサと測定対象を電気的に接続しておかなくてはならず、測定対象が導体や半導体に限定される上に、油や水の影響も受けやすいです。一方で、測定条件が揃えば測定の安定性が高く、対象の表面粗さの影響を受けにくい強みもあります。

    超音波式

    超音波式変位計は、センサから測定対象に向けて音波を照射し反射波が返ってくるまでの時間から距離を算出する方式です。空気中で超音波が進む速度は340m/sであるため、電波を発信してから返ってくるまでの時間を掛けるとセンサと測定対象間の往復路分の距離を算出でき、実際の距離はその半分と求められます。
    超音波式は光学式と同様にほとんどの物質に対して使用でき、測定距離も長い上に測定面の大きいのが特徴です。一方で光を使用するのと比べて応答速度は遅く、測定精度もあまり高くありません。

    渦電流式

    磁界中に置かれた金属を動かしたり周辺の磁束密度を変化させて、金属を貫く磁束が変化すると、レンツの法則に従い磁束変化を打ち消す方向に渦電流が流れます。この現象を利用して測定対象の位置を検出するのが渦電流式変位計です。
    具体的には検出用コイルに高周波電流を流して磁界を発生させ、測定対象との距離に応じたコイルのインピーダンス変化を検知して距離を算出します。測定の原理上、測定対象は金属に限られ、測定距離も短いものの、測定精度が高いうえに応答速度も速く、水や油、塵埃などに強いのが特徴です。

    エアマイクロメータ

    エアマイクロメータは名前の通り空気の力を利用した変位計で、主に孔の内径測定や丸棒の外径測定などに使用されます。高圧の空気を吹き出す小口径ノズルを物体に近づけると、ノズルから出る空気には物体との距離に応じた背圧(抵抗力)が掛かることを利用し、機械的な機構によって背圧を検出することで測定対象の位置を把握します。背圧が検知できる距離で測定しなくてはならないため汎用性が低いものの、測定精度が比較的高く、電源がなくとも測定できるのが強みです。

    変位計の代表的な用途

    変位計は物体の移動距離を測れるほか、部品の寸法測定などに使われるのが一般的です。他にも段差や傾き、反りなどの測定にも使用され、特に半導体業界やフィルム業界での具体例を挙げると、基板の反りや鋼板の傾き、トレイに置かれたチップの位置検出やアームの位置制御、各種フィルムの厚み測定などに使用されています。また他の用途としては、隙間や平坦度、回転体の軸振れ測定などに使用されることもあります。

    まとめ

    今回は寸法測定や厚み測定などに使用されることもある変位計について、種類や特徴、用途、選定のポイントなどを網羅的に解説しました。一括りに変位計と言っても、非常に多くの種類があることに驚いた方もいるのではないでしょうか。具体的な製品について詳しく知りたい人は、各メーカーのホームページなどを調べてみると良いでしょう。

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    この記事の運営元:株式会社アイズ

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