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  • ジャイロセンサとは?種類ごとの仕組みや特徴、用途を紹介!
  • ジャイロセンサとは?種類ごとの仕組みや特徴、用途を紹介!

    2024.08.20更新

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    この記事を書いた人

    機電系専門ライター Div.長谷川

    長谷川

    FREE AID編集部 機電系専門ライター Div.
    アナログ回路設計・営業を経験した後ライター&ディレクターとして独立。
    電気電子・ITジャンルを得意とし、正確で分かりやすい情報の発信を行っています。

    ジャイロセンサは傾きや加速度を測定する装置として、私達の暮らしに大きな影響を与えていますが、動作原理など詳しい情報をご存じない方は多いのではないでしょうか。そこで今回は、ジャイロセンサの種類ごとの仕組みや特徴、主な用途などを詳しくご紹介します。

    ジャイロセンサとは何か

    ジャイロセンサは「ジャイロスコープ」とも呼ばれ、物体の角速度を測定できる慣性センサーのことです。角速度から物体の回転や向きなどを検知できることから、航空機や車両のモニタリング、ロボットの動作制御など幅広い用途で用いられています。

    似たセンサとして「加速度センサ」もありますが、こちらは特定方向の加速度を検知する原理なので、回転を検知するにはジャイロセンサの方が向いています。一方、ジャイロセンサは傾きの絶対値を測ることができないため、用途に合わせた使い分けを行うのが一般的です。

    ジャイロセンサの種類と動作原理

    ジャイロセンサは、大きく分けて「接触型」「ストラップダウン型」「振動型」の3種類があります。それぞれの原理や特徴を紹介します。

    機械回転式ジャイロセンサ

    機械回転式ジャイロセンサは、回転している物体を傾けた際、もとに戻ろうとする「ジャイロ効果」を活用して角速度を測定するセンサです。センサ内部に機械コマやフライホイールなどの回転体を設置し、回転力と垂直方向に生じる慣性力を計測することで角速度を検知します。

    初めてジャイロセンサとして発明された手法であり、かつては飛行機を始めあらゆる用途で使われた形式です。しかし、コマを回転させなければならないため起動時間が長いことや、コマの回転にかかる消費電力が大きいといったデメリットが問題点となっています。回転で摩耗が生じるため定期的なメンテナンスが必要なのもあり、振動式や光学式のジャイロセンサへの置き換えが進み、最近はほとんど採用されていません。

    振動式ジャイロセンサ

    振動式ジャイロセンサは、ある速度で移動している物体に回転力が加わると、移動方向と垂直に慣性力がかかる「コリオリの法則」を用いて角速度を検知する方式です。振り子や膜などの振動子をセンサー内に配置し、回転によって生じた慣性力を振動子の端部で検知して角速度を計算するのが一般的です。

    振動式ジャイロセンサは振動子のみの簡単な構造で作れるため、小型化が容易というメリットがあることから、主流のジャイロセンサとなっています。MEMS技術により、微細な振動子を持ったチップタイプのジャイロセンサも増えており、今後もさらなる低コスト化や小型化が期待できます。

    光学式ジャイロセンサ

    光学式ジャイロセンサは、観測者が移動すると移動方向や距離に応じて光の到達時間が変わるという「サニャック効果」を用いて回転を検知する方式です。センサー内部に円形の光路を作り、時計回りと反時計回りの光を同時に照射します。照射後にセンサーが回転すると、サニャック効果によってそれぞれの光が1周して戻ってくるまでの時間に差が生まれるため、時間差の測定により角速度を検知できるのです。

    光学式ジャイロセンサは駆動部がないため寿命が長く、また非常に高精度な測定が行えるという特徴を持っており、潜水艦や航空機などの用途で主に用いられています。ちなみに、光学式ジャイロセンサは、光路に使う材料の差によりリングレーザージャイロと光ファイバージャイロの2種類があります。

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    ジャイロセンサの用途

    最後に、ジャイロセンサの主な用途を紹介します。

    航空機・船舶のナビゲーションシステム

    最も古くから使われているのが、航空機や船舶などのナビゲーションシステムです。複数の軸でジャイロセンサを配置し、上下左右さまざまな角度へ傾きや速度を把握し、適切な操縦を実現しています。

    自動操縦システムを実現するうえでも欠かせない装置であり、少しの誤差が致命的になりえることから、非常に高精度なセンサが搭載されています。

    ビデオカメラの手ブレ補正

    身近な製品では、ビデオカメラの手ブレ補正機能においてジャイロセンサが活躍しています。手ブレは、カメラのシャッターが開いている間に手や体が動くことで発生する現象です。そのため、手ブレ補正機能では、ジャイロセンサを使ってカメラの動きを検知し、相殺するようにセンサー部分を動かすことで実現しています。

    実際は加速度センサも使われていますが、人の動きは関節を軸とした回転運動が多いため、ジャイロセンサが動きの検知に大きな役割を果たしています。

    スマートフォン、ゲーム機の動作検出

    最近ではスマートフォンやゲーム機にもジャイロセンサが搭載され、さまざまな機能を実現しています。例えばスマートフォンの傾きを検知して画面を横長にしたり、縦に向けた際にスリープを解除する機能や、コントローラの動きを検知してゲーム操作を行うといった機能は、ジャイロセンサによって成り立っています。

    また、近年はAR(拡張現実)に関する研究が盛んに行われていますが、視点の移動などを検知するにはジャイロセンサの存在が欠かせません。より没入感の高い製品が開発される中で、ジャイロセンサが大きな役割を果たし続けるでしょう。

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    まとめ

    今回は、ジャイロセンサの特徴や種類、主な用途について紹介しました。ジャイロセンサは角速度を測定するセンサの一種で、物体の回転や向きなどを検知できるため、航空機の姿勢制御やカメラの手ブレ補正を始め、幅広い用途で使われています。

    ジャイロセンサは3種類の検出手法がありますが、特にコリオリ力を使った振動型センサはMEMSによる小型化が進んでおり、さらなる進化にも期待が寄せられています。ARなど未来の技術にも欠かせない存在なので、ジャイロセンサの今後の展望にも注視しておきましょう。

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