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3Dプリンタとは?成形方式・活用メリット・手順について解説

2023.10.09更新

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この記事を書いた人

機電系専門ライター Div.長谷川

長谷川

FREE AID編集部 機電系専門ライター Div.
アナログ回路設計・営業を経験した後ライター&ディレクターとして独立。
電気電子・ITジャンルを得意とし、正確で分かりやすい情報の発信を行っています。

立体的なモデルが印刷できる3Dプリンタ。少し前まではSF世界のような3Dプリンタも、企業や大学だけでなく個人が所有できる時代になりました。しかし、まだまだ3Dプリンタを使ったことがない、よく知らない人も多いことでしょう。そこで今回は3Dプリンタについて代表的な成形方式や活用のメリット、実際に使う手順を中心に解説していきます。

3Dプリンタとは

3Dプリンタとは、その名の通り3次元的な立体物が印刷できるプリンタです。これまでのプリンタが紙などの平面状の印刷物に写真や画像を印字するのに対し、3Dプリンタでは複数の平面物を積層して立体形状を成形します。また、従来の立体成形技術の型の利用や材料の切削に比べて加工性が高く、成形や加工の容易性も高いことから手軽な立体成形技術として注目されています。

3Dプリンタで作れるもの

立体的な成形が容易にできる3Dプリンタですが、実際に作れる物としてアクセサリーやちょっとした小道具、フィギュア、部品など多くのものが挙げられます。最近では3Dプリンタのみで成形した住宅が販売されることが発表されており、今後も成形できる物の種類は増えていくと予想できます。

一方で社会に悪影響を及ぼす物が成形されてしまった事例もあり、過去には殺傷能力がある銃が3Dプリンタによって製作され、所有者が逮捕された事例もあります。

3Dプリンタの成形方式の特徴

3Dプリンタには3Dモデルを成形する方式がいくつかあります。ここでは代表的な4つの成形方式の原理や特徴について解説していきます。

光造形方式

一つ目に紹介するのは光造形方式と呼ばれる方式です。レジンと呼ばれる光照射によって硬化する液体樹脂を成形材料に使い、硬化させた薄い層を積層して3Dモデルを成形していきます。成形材料が元々液体である上、成形後も切削が容易にできることから、加工性の高い成形方式として知られています。

また、使用する液体樹脂を透明な物に置き換えることで、立体的な可視化モデルを成形することもできます。造形方式の中では最も歴史のある信頼性の高い技術で、映画の小道具製作や車の部品の試作など様々な用途に使用されます。

熱溶解積層方式

続いて紹介する造形方式は熱溶解積層方式です。この方式では名前にある通り熱で溶解する樹脂をプリントし、自然冷却させながら積層して3Dモデルを形成していきます。熱収縮によって成形物が反ってしまう課題があり、光造形方式ほど精密な成形には向きません。しかし、プリンタが10万円弱程度と安価で手に入ることから、個人利用や企業の試作品製作などで愛用されている方式です。

粉末焼結積層方式

3つ目に紹介する造形方式は粉末焼結積層方式です。この方式では樹脂や金属性の粉末に紫外線を直接照射して焼結することで3Dモデルを成形します。焼結は粒子が溶融する温度(融点)に近い高温に加熱して粒子同士を結合させることであり、この原理を使用することで強度に優れた3Dモデルの成形が可能です。

また、サポート材を使用することなく複雑な成形も可能で、材料にステンレスやチタンなどの金属を使用することも可能です。これらの特徴から最終製品の部品成形に使用されることが多く、実際に医療器具やエンジン部品など様々な分野の製品の成形に利用されています。

インクジェット粉末積層式

最後に紹介する方式はインクジェット粉末積層式です。この方式は石膏粉末と着色剤や接着剤を噴霧しながら硬化させて積層する方式で、2Dプリンタでよく知られるインクジェット方式と同じような仕組みで印刷します。

成形プロセスで直接着色も行えるため、カラフルな造形物を成形でき、デザイン性の高い試作品やフィギュアの製作に使用されます。なお、成形材料が石膏であるため完成品の強度には注意が必要です。

3Dプリンタを使用するメリット

続いて3Dプリンタを用いるメリットについて、代表的な3つを解説していきます。3Dプリンタが今後ますます発展していく可能性が高いのもこれらのメリットによるものですから、しっかりと覚えておきましょう。

開発から製造までの期間やコストを減らせる

3Dプリンタを活用すれば、製品開発から製造工程までの期間やコストを減らすことができます。従来、部品を組みあわせた製品の製造には、部品の材質や強度、形状などの違いによって様々な企業へ部品を外注し、全ての部品が完成してから組み立てを行う必要がありました。

しかし、3Dプリンタを自社で用意できれば、全ての部品を短期間で自社製作できるため、製作にかかる工程やコストを大幅に減らせます。また、実際に製品を製作・組み立ててみないと気付かない欠陥や設計不良についても、3Dプリンタがあれば容易に検証できるため、予想外のトラブルによる再設計や外注製作にかかる期間やコストも減らすことができます。

アイデアをすぐに具現化できる

続いて挙げられるメリットとして、思いついたアイデアをすぐに具現化できることが挙げられます。これまで製造業の会社が新たなアイデアを思いついた時、様々な調査・検討を経て社内説明を行って予算を取得し、実際に多くの外注先へ部品製作を依頼し、全ての部品が出揃ってから組み立てて、ようやく最終製品のイメージが出来上がる、という流れが主流でした。

しかし3Dプリンタがあれば、思いついた時点ですぐに製作を行えるため、思いついたアイデアが成功するか否か深く考えなくても、とりあえず製作してみる、という動きができるようになりました。また、3Dプリンタを企業内の全社員が使えるように環境を整備すれば、設計部門以外の人間もふと思いついたアイデアを具現化できるようになるため、意外な着眼点を利用したアイデアが生まれやすくなることも期待できます。

個人でも複雑な造形物を作れる

3Dプリンタは製造業の企業だけでなく個人にとってもメリットをもたらしました。これまで、複数の部品を必要とする複雑な造形物を個人で作るのは非現実的でしたが、3Dプリンタがあれば、簡単に製作することができます。

フィギュアの製作などの趣味的な活用はもちろんのこと、お洒落な飾りを自作して販売したり、家庭で必要な小道具を自作して活用するなど、3Dプリンタによって生活の自由度が広がりました。

3Dプリンタを使う時の流れ

さて、これまで3Dプリンタの造形方式やメリットについて解説してきましたが、最後に3Dプリンタで3Dモデルを成形する流れについて解説していきます。最近では3Dプリンタをレンタルできるサービスもあり、利用の敷居がますます下がっているため、実際に使用してみたい方はぜひ流れを理解しておきましょう。

STEP①:3Dモデルデータを用意する

3Dプリンタで印刷するには、3Dモデルデータが必要となります。3Dモデルデータはいわば設計図のようなもので、「STL」や「OBJ」などの拡張子を持つデータです。モデルデータを作るには3DCADソフトや3DCGソフトなどの専用ソフトが必要ですが、無料で配信されているものもあるため、気になった方は試しに触ってみましょう。

また、既に存在する立体物を3Dスキャンしてモデルデータを作ることもできます。ソフトを使用する場合と違ってオリジナルの設計はできないものの、既製品を真似して作りたい場合や、設計図がない物を再製作したい場合にオススメです。

STEP②:スライスソフトで印刷設定を行う

3Dモデルデータが出来上がったら、スライスソフトと呼ばれるソフトで印刷の設定を行う必要があります。スライスソフトとは3Dプリンタがどのように積層するかを指示するためのソフトで、積層の方向や厚み、完成時のモデル位置、サポート材の付け方などを指定できます。

スライスソフトでは実際の完成イメージや印刷時間を見ることもでき、積層断面がどのような印象を与えるかなど事前に知っておきたい部分の確認も可能です。設定のしかたには慣れが必要ですが、完成物のクオリティを左右するのでしっかりと設定しましょう。

STEP③:3Dプリンタでモデルを印刷する

3Dモデルデータとスライス設定が完成したら、実際に3Dプリンタにモデルデータを送信して印刷しましょう。モデルデータの転送はWi-FiやUSB経由で送ることができます。印刷を開始したら基本的には待つだけですので、3Dプリンタに過度な衝撃を与えたりしないよう注意して待ちましょう。

なお、スライス設定やモデルデータに無理があると印刷中に造形物が崩れる可能性があります。初めて製作する造形物なら印刷中の様子も観察し、途中でおかしい挙動をしないか確認することをオススメします。

STEP④:印刷物の後処理を行う

印刷が完了したら後処理を行いましょう。具体的には手やニッパなどの工具を用いて不要なサポート材を除去します。光造形方式で造形した場合、表面上にレジンが残っている可能性があるため、アルコールへ浸して清掃する必要があります。清掃とサポート材の除去が終わった後は完成物と3Dモデルを比較して相違がないか確認しておきましょう。

変形などが見られた場合、スライスソフトの設定や3Dモデルデータに不備があった可能性が考えられます。これらを見直して再設計・製作を繰り返すことが、高クオリティな造形物を作るのに大切なことです。

まとめ

今回はものづくりに大きな影響を与える3Dプリンタについて、造形方式やメリット、印刷の流れを中心に解説しました。家庭で利用するにはまだまだ敷居が高い技術ですが、レンタルサービスによって個人が利用できる機会も増えている上、既に自社内に導入している企業も増えています。しっかりと特徴を理解して正しく使えるよう備えておきましょう。

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