温度センサの種類・仕組み・特徴を徹底解説!非接触型温度計も!
2024.08.20更新
機電系エンジニア必見!!貴重なフリーランス案件はこちら ▶体温計からサーモグラフィカメラまで、身の回りのあらゆる所で利用されている温度センサ。単純に温度を測定するセンサでありながら、様々な種類が存在します。そこで今回は温度センサについて、種類別に測定の仕組みや代表的な用途を深ぼって解説していきます。普段何気なく使っている温度計がどういう仕組みで温度を測定してるか知りたい方にピッタリの記事ですので、是非最後まで読んでみてください。
温度センサとは?
温度センサとは、その名の通り温度を測定する機器の総称です。ひとくちに温度センサと言っても、周囲の気温や特定の対象物の表面温度を表示するもの、制御のために測定した温度を遠隔地へ伝送するもの、設定した温度を上回るもしくは下回ったら警報を出すものなど様々な種類が存在します。また、測定原理や精度、機器構成も様々で非常に奥深いセンサです。
温度センサの代表的な用途
温度センサは身の回りで様々な用途で使用されています。具体的な例を挙げると、オフィスや家庭の作業環境の測定、エアコンや冷蔵庫などの家電に設置して温度管理を行うもの、工場の製造工程における温度管理を行うもの、火災や漏電などの事故を防ぐ保安用に測定するものなどがあります。
温度センサに要求される精度や測定原理は用途によって大きく異なります。例えば工場の製品製造工程における温度測定に使用する場合、精度の高さはもちろん、連続的に測定できることや測定温度が設定値から外れた際に警報を出すなどの機能が求められます。
他にも工場などの侵入防止や体調不良者を見つける目的で設置される非接触式温度センサであれば、高い精度こそ不要なものの、サーモグラフィカメラとして映像を撮影・録画する機能により、視覚的に分かりやすく記録が残せる仕様が求められます。
温度センサの種類とは?仕組みや使用例も解説!
それでは具体的な温度センサの種類について解説していきます。前提として、温度センサは測定対象物に直接接触させて測定する接触型と、対象物から一定距離離した状態で測定可能な非接触型に分けられます。基本的に接触型温度センサの方が種類が多く精度も高い傾向にありますが、非接触型温度計には多くの人や物の温度を遠隔から同時測定できるメリットがあり、コロナウィルスの蔓延時に大活躍しました。
測温抵抗体
測温抵抗体とは金属の電気抵抗が温度に比例して変化することを利用した温度センサです。金属を分子レベルのミクロ領域で観察すると、金属分子は熱運動と呼ばれるわずかな運動を続けています。熱運動は金属分子の温度が高くなるほど活発になるため、高温になるほど金属内部を通る電子の動きが妨げられます。ミクロ領域での電子の妨げは、マクロ領域では抵抗値の増加と同義ですので、測温抵抗体は温度変化を抵抗値の変化として測定します。
測温抵抗体に使用される代表的な金属には白金やニッケル、銅、コバルトなどがあります。これらの金属は温度と抵抗の特性が一定となる範囲が広く、高温でも性質が安定している特徴があります。中でも白金を使用した測温抵抗体は0℃の時の抵抗値が100Ωであるため、Pt100という名称でJIS規格にも規定されています。
熱電対
熱電対とはゼーベック効果を利用して温度を測定する温度センサです。ゼーベック効果は2種類の異種金属の両端を接触させた状態でそれぞれの端に温度差を与えたとき、温度差の大きさに応じた起電力が発生する現象です。熱電対では両端を接触させた2種類の金属線を細い棒状にして、先端部を測定対象に接触させることで温度を測定します。
熱電対の特徴として、構造が簡単で安価、使用する金属の組み合わせを変えれば幅広い温度が測定できるなどが挙げられます。金属の組み合わせにより熱電対の名称が異なり、測定可能範囲が広く安定しているK熱電対、発生する起電力が最も大きいE熱電対、最も高い温度まで測定できるB熱電対などがあります。
サーミスタ
サーミスタとは温度によって抵抗値が変わる半導体素子で、測温抵抗体と同じように温度を電気抵抗の値として測定します。既に説明した温度センサと違い、使用可能温度が常温付近に限られてしまうものの、温度変化に対する応答が速い特徴があります。身の回りでは常温で使用する前提の家電や自動車に多く設置され、高い反応性を利用した温度制御部品として活躍しています。
バイメタル
バイメタルはその名の通り2つの金属を貼り合わせた形状の温度センサで、温度値を機械的な変位量として測定します。金属の種類によって熱膨張率が異なる特性を利用しており、温度変化が与えられると熱膨張率の低い金属側へ曲がる性質があります。機械的な変位量はバイメタル自身が長いほど大きくなるため、現場表示タイプの温度センサとして使用する場合はバイメタルを渦状に数回巻いて、見かけの長さを増幅して先端を指示針に取り付けます。
バイメタルは温度を一定に保つサーモスタットとしても利用されています。サーモスタットとして使用する場合、バイメタルの先端近くにマイクロスイッチを設置しておき、一定以上/以下の温度になった時にバイメタルがスイッチを押して温度を制御します。
膨張式/圧力式センサ
膨張式/圧力式の温度センサは、温度によって液体の体積が変化することを利用したセンサです。水銀や灯油などの液体を細いガラス管に封入し、温度変化による水位の変化を読み取って温度を測定します。使用する液体は摩擦力が弱い、熱膨張率が高いなどの特徴が求められ、水銀が最も多く利用されます。
膨張式/圧力式の温度センサは構造が簡単で安価なため、昔は体温計や部屋の温度計として多く使用されていました。しかし、ガラス部が割れる恐れがあるうえ封入液の水銀が人体に悪影響なため、最近ではあまり使われていません。
赤外線式(非接触)
これまで紹介してきた温度センサは全て接触型でしたが、赤外線温度センサは代表的な非接触型温度センサです。世の中のあらゆる物体は絶対零度でない限り、温度に応じた赤外線を放射しており、その大きさは物体の絶対温度の4乗に比例します。これを利用し、赤外線式温度センサでは物体が放射する赤外線から物体の表面温度を測定します。
赤外線式温度センサは非接触で温度測定できることを利点として使用されるケースが多く、コロナウイルスが蔓延したときは商業施設や空港などの大人数が出入りする場所に、ハンディタイプの赤外線式温度センサや温度を可視化したサーモグラフィカメラが大量に設置されました。また、工場などでは人間が物理的に近づけないような危険場所の温度測定にも利用されています。
その他の温度センサ
これまで紹介した種類以外にも、温度センサには複数の種類が存在します。例えば、電子回路などに使用されるIC温度センサはトランジスタやダイオードなどの半導体素子の温度特性を利用したセンサで、追加の測定回路なしに安価で温度が測定できます。他にも水晶振動子の周波数が温度によって変化することを利用した水晶振動子式、キュリー温度付近(強磁性体が磁性を失う温度)で磁気の特性が大きく変化する特性を持つ感温磁性フェライトを利用したものも存在します。
まとめ
今回は身の回りの家電や工場の温度管理設備、体温計やサーモグラフィカメラなど、多くの場所に設置されている温度センサについて、代表的な種類と測定の仕組み、活用例を中心に解説してきました。温度を測定するだけにも関わらず、測定の仕組みや種類が豊富なことに驚いた方も多いと思います。より深く知りたいと感じた方はぜひ詳しく調べてみてはいかがでしょうか。
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