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コンパイラとはどんなプログラム?具体的な言語や実行環境も解説!

2023.10.18更新

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この記事を書いた人

機電系専門ライター Div.長谷川

長谷川

FREE AID編集部 機電系専門ライター Div.
アナログ回路設計・営業を経験した後ライター&ディレクターとして独立。
電気電子・ITジャンルを得意とし、正確で分かりやすい情報の発信を行っています。

プログラミング言語の中にはコンパイラと呼ばれるプログラムが必須の言語があります。しかしプログラミングについて詳しく知らない人や、コンパイラ言語を使ったことがない人にとっては馴染みがないはず。そこで今回はコンパイラについて、具体的な役割や言語の種類、コンパイラが不要な言語との比較を交えて解説していきます。プログラミングの知識がない方にも伝わる内容となっているので、ぜひ最後まで読んでみて下さい。

コンパイラは機械語に翻訳するプログラムのこと

コンパイラを一言で表すと、ユーザーが記述したプログラムをパソコンなどが理解しやすい機械語に翻訳するプログラムのことです。機械語とは、バイナリデータとも呼ばれる0と1だけで表現された2進数の羅列で、理論上はコンパイラがなくても我々が機械語でプログラミングを行い、直接機械に読み込ませることは可能です。しかし、機械語によるプログラミングは非常に面倒なうえ記述ミスなども多くなるため、我々がルールに基づいて作成したプログラムをコンパイラが機械語に翻訳してパソコンに読み込ませる方式が採用されています。

コンパイラにはセルフコンパイラやクロスコンパイラなどの種類が存在します。セルフコンパイラとは開発環境と実行環境が同じ場合に使用されるコンパイラのことで、汎用PC向けのソフトウェア開発などに用いられます。これに対しクロスコンパイラは、組み込みシステムや新たなOSの開発など、開発環境と実行環境が異なる場合に使用されるコンパイラを指します。

インタプリタ言語やアセンブリ言語との違い

コンパイラ言語以外にも、インタプリタ言語やアセンブリ言語といったコンパイルのメカニズムが異なる言語も存在します。まずインタプリタ言語とは、対話型の言語と言われるようにプログラムを実行すると1行ずつコンパイルと実行を行っていく言語のことで、プログラムの後半に欠陥があったとしても欠陥の直前までは何事もなく実行が可能です。そして、元のソースコードがより機械語に近いプログラミング言語を扱うのがアセンブリ言語です。ソースコードを先に全てコンパイルする点はコンパイラ言語と一緒ですが、ソースコードが直感的に分かりやすいか否かがコンパイラ言語との違いと言えるでしょう。

コンパイラ言語がインタプリタ言語より優れている点とは?

インタプリタ言語に比べ、実行したときの動作が早いのがコンパイラ言語の利点です。インタプリタ言語では実行とコンパイルが同時に行われるため、エラーが一切ない状態であっても、実行の度にコンパイル処理の時間がかかってしまいます。一方のコンパイラ言語では、実行段階では既にコンパイルが終了しているため、実行すると即座にプログラムが動作します。

また、プログラムの実行ファイルだけあれば実行できるのも利点の1つで、実行用のパソコンにはコンパイラやソースコードファイルは不要です。そのため開発用と実行用のパソコンを分け、実行用のファイルだけを配布し、元のソースコードは特定の管理者しかアクセスできないようにするなども実現できます。

コンパイルの具体的な流れ

作成したソースコードを機械語に変換するコンパイルはどのような流れで行われるのか、具体的な処理を順番に解説していきます。

字句を解析する

コンパイルはソースコードを構成する最小単位の文字列である字句を見つけ出す作業から始まります。ここでいう字句とは、+や-などの記号、関数や変数名などの演算子、whileやforのようなキーワード、プレイヤーが定義した文字列などが挙げられます。この時点では文法的な部分は見ないため、まずはキーワードなどに誤字脱字がないか、スペースなどで適切に区切られているか、といった目線でチェックを行う段階と覚えておきましょう。

構文を解析する

単語の次は構文を解析します。ここではプログラミング言語ごとに決められたルールに従い、複数の字句から命令文や演算式などを読み取っていきます。読み取られた構文は構文木と呼ばれる木構造に整理され、各命令動作の順序などが明確にされていきます。構造木における順序は各文章の順序やカッコ表記の有無などで変わるものの、コンパイラが認識した構造木は視覚化されないため、事前に自身で構造木を書いてからプログラムを記述していくとエラーが少なくなるでしょう。

中間コードを作成する

Javaなどの言語では、字句や構文の整理の後に中間コードが生成されます。中間コードとはその名の通り機械語とプログラミング言語の中間のようなコードのことです。基本的に同じソースコードをコンパイルしても、実行環境が変われば必ずしも正常に動作するとは限りません。かといって実行環境が変わるたびに微細な修正を行うのも面倒です。そこで一旦、抽象度や汎用性の高い中間コードを生み出し、それを基に機械語変換を行うことで実行環境の違いによるエラーを低減します。

コードを最適化する

ある程度機械語に近い中間コードが完成したら、メモリの節約などを目的としたコードの最適化が行われます。内容としては最後まで行われない命令分の削除や処理結果に影響しない範囲での冗長表現の変更、演算結果の再利用などがあります。例えば繰り返し数が同じループ処理が2回出てくる場合、それぞれのループの中の演算が互いに影響を及ぼさないのであれば、1つのループ処理にまとめることで演算の回数を半分に減らすことができます。

このような無駄な演算であれば、アルゴリズムの知識さえあればコンパイラに頼らずとも回避できるかもしれませんが、実際の最適化には更に深い知識が必要な操作もあるため、予想以上の最適化処理を行ってくれていることを覚えておきましょう。

中間コードを機械語に翻訳する

最適化された中間コードは最終的にパソコンなどが理解できる機械語へと変換されてコンパイルは終了です。言語によっては中間コードを作成しないため、字句と構文が解析され、最適化されたソースコードがそのまま機械語へと変換されます。具体的な変換内容として、処理を実行する命令文の内容と順序の決定、動作時のレジスタの割り付けなどが行われます。ここまでのステップで問題がなければ、ひとまずプログラムは完成です。プログラムが想定どおり動くか確認し、挙動がおかしければ修正して再度コンパイルしましょう。

代表的なコンパイラ言語や実行環境

最後にコンパイラ言語を実際に勉強したい方向けに、具体的な言語や実行環境の種類や特徴について触れておきます。まず有名なコンパイラ言語として、処理速度が早く様々な基幹システムの開発などで重宝されるC言語、組込システムやウェブアプリ開発などに使用されるJava、ウェブサイトの動的なプログラミングに必須のJavaScriptなどが挙げられます。

コンパイラが使える実行環境には、様々な機能を搭載した総合開発環境(IDE)として知られるVisual StudioやXcode、クラウド上のサービスであるAWS CodebuildやGitHub Codespaces、ブラウザ上で気軽にコンパイル可能なpaiza.IOやRunstantなどがあります。コンパイラはいずれも使用感や機能、価格、対応言語などが異なるため、一概にどれがオススメとは言えないものの、まずは無料で試せる物を実際に触ってみて、自分の好みを探っていくのがオススメです。

まとめ

今回はプログラミング言語の一種であるコンパイラ言語とコンパイラそのものについて、意味や特徴、コンパイルの流れなどを解説してきました。コンパイラ言語は環境の整備も必要となるため少しハードルが高いものの、様々なシステムやアプリ開発に欠かせない言語です。これからプログラミングを学ぼうと考えている方は、今回の内容を理解してコンパイラ言語に取り組んでみては如何でしょうか。

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