フィードバック制御とは?特徴やフィードフォワード制御との違いをわかりやすく紹介
2024.08.08更新
機電系エンジニア必見!!貴重なフリーランス案件はこちら ▶自動制御といえば真っ先に名前が浮かぶ「フィードバック制御」。あらゆる機械の制御において多用されていますが、なぜ用いられるのか気になる方もいるのではないでしょうか。そこで本記事では、フィードバック制御がどのような仕組みで動いているかや、ほかの制御手法との違いなど基本的な内容を紹介します。
フィードバック制御とは
フィードバック制御とは、さまざまなシステムを制御するために使われる自動制御方式の一つです。出力(制御量)を目標値と比較し、差が無くなるように入力を制御することで、目標値に近い値を出力します。給湯器による浴槽の温度管理を例として説明しましょう。給湯器は浴槽の温度を自動で保つことが求められますが、周囲に熱が逃げるので適切な加熱が必要です。
目標値に近い温度を保ちつづけるため、現在の温度をセンサーで測定し、水温が低ければガスによる加熱を行います。温度が十分上がれば加熱を切り、下がったら加熱するのを繰り返すことで温度調節を行うのです。このように、常に出力を監視して制御量を変える制御のことを「フィードバックループ」と呼びます。制御のループが閉じていることから「閉ループ制御」とも呼ばれます。
他の自動制御との違い
自動制御にはフィードバック制御にも「シーケンス制御」「フィードフォワード制御」といった制御方法があります。これらとの違いについて紹介します。
シーケンス制御
シーケンス制御は、あらかじめ決められた手順に従って自動制御を行う手法です。洗濯機の動作など決まった作業を行わせたい場合に有効で、作業者はON/OFFの操作を行うだけでいいため、自動機械に数多く使われています。一方で、動作状況に応じて制御を変えることはできないため、外乱の影響を排除して精密な動作をさせたい場合などには向いていません。フィードバック制御と異なり、出力を比較する閉ループがないことから「開ループ制御」とも呼ばれます。
フィードフォワード制御
フィードフォワード制御は、実際の制御状況を確認せず、予測される状況の変化に合わせて制御を行う手法です。予測に沿った制御を行うため、情報を得てから制御を行うフィードバック制御より応答速度が速いことが特徴です。ただし、予想外の外乱が入ると正しい制御が不可能になるため、使いどころには注意しなければなりません。制御状況のデータが取得できないような場合や、フィードバック制御と併用して精度を高めたい場合に用いられます。
フィードバック制御の種類・分類
フィードバック制御は、さまざまな条件の違いや制御手法によって細かな分類が存在します。主に良く出てくる項目について紹介します。
PID制御
フィードバック制御は、誤差の修正方法によって分類が行われています。最も代表的なのは、安定性の高さと利用の簡単さに優れる「PID制御」です。PID制御は、誤差を、比例する項(Proportional)、積分する項(Integral)、微分する項(Derivative)という3つの要素に分けてフィードバック制御を行う手法です。それぞれで誤差を修正する挙動が異なり、比重を調整しながら組み合わせて制御を行うことで、迅速かつ安定した誤差の修正が行えます。
定値制御と追値制御
目標値が変化するかどうかによっても、フィードバック制御の方法は変わります。目標値が一定で時間的に変化しない場合に行うのは「定値制御」です。風呂の給湯器など、水温を維持する制御が該当します。一方、目標値が時間的に変化する場合に行うのが「追値制御」です。例えば人工衛星との通信用アンテナは、常に人工衛星の方向を向くように制御されるため、追値制御にあたります。
ちなみに、追値制御にはさらに細かい分類が行われます。特定の値と一定の比率で目標値が変化する「比率制御」、目標値が任意の値に変化する「追従制御」、定められた値に目標値が変化する「プログラム制御」などが挙げられます。
プロセス制御とサーボ制御
最後に紹介するのが、「プロセス制御」と「サーボ制御」の違いです。どちらもフィードバック制御のことを指し、本質的な制御方法は変わらないのですが、用途によって呼び名が変わります。プロセス制御は、設備の温度や圧力、液体の流量などを制御する際に使われます。バルブなどの制御が主となり、プラントなど大規模な設備において呼称されることが多いです。
サーボ制御は、ロボットの関節の角度を制御するなど、機械の位置・角度制御を行う際に呼称されます。プロセス制御と比べると、小規模で高精度な制御を行う際に呼ばれることが多いです。
まとめ
今回は、自動制御の一つであるフィードバック制御について、特徴や種類などをお伝えしました。フィードバック制御は出力をリアルタイムに監視、目標値と比較して誤差を修正することで、高精度な制御が行える自動制御手法です。ただ、一口にフィードバック制御といっても、PID制御や定値・追値制御など、細かい分類は非常に多く存在します。実際に制御回路を設計する際には、制御対象に合わせた細かい設計が必要となるため注意しましょう。
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