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  • サーボプレスのメリットを徹底解説!油圧プレスとの違いや構造も!
  • サーボプレスのメリットを徹底解説!油圧プレスとの違いや構造も!

    2024.08.23更新

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    この記事を書いた人

    機電系専門ライター Div.長谷川

    長谷川

    FREE AID編集部 機電系専門ライター Div.
    アナログ回路設計・営業を経験した後ライター&ディレクターとして独立。
    電気電子・ITジャンルを得意とし、正確で分かりやすい情報の発信を行っています。

    金属の加工方式として知られるプレス加工。その中に電気の力を利用したサーボプレスがあるのをご存知でしょうか。今回はそんなサーボプレスについて、油圧プレスや空圧プレスと比較した時のメリットを中心に、特徴や具体的な構造について解説していきます。製造業に詳しくない方でも理解できる内容ですので、ぜひ最後まで読んでみてください。

    サーボプレスとは

    サーボプレスとは名前の通りサーボモータを利用しているプレス機のことで、サーボの語源が「奴隷」を意味することから分かるように、命令通り忠実に動くサーボモータを利用してプレス加工を行います。サーボモータは回転軸(シャフト)にエンコーダと呼ばれる機構が取り付けられたモータのことで、回転角度をパルス信号で取り出すことでその動作を正確に検知・制御できます。

    ちなみに同じく回転角度を制御するモータといえばステッピングモータを思い浮かべる方もいるかもしれませんが、ステッピングモータにはエンコーダのような回転角度を検出する機構が無いため厳密な回転制御が出来ず、より精密なサーボモータが採用されています。

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    プレス加工は塑性加工の一種

    サーボプレスの解説に入るまでに、プレス加工の基本的な部分についても触れておきます。プレス加工は金属の塑性(そせい)を利用した加工方式で、ワークと呼ばれる金属を金型に強く押し付けたり、挟み込むことで成型します。

    塑性とは外部からの力で変形させたあと、その圧力が無くなっても変形したままの形を保つ性質のことで、バネのように変形後に圧力を取り払うと元に戻る弾性が対義語となります。プレス加工と一口に言っても、せん断、曲げ、絞りなどいくつもの方式が存在し、自動車業界をはじめとする産業部品の製造に欠かすことのできない工法です。

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    サーボプレスの種類

    サーボプレスにはその構造の違いから、クランク式とスクリュー式の2種類に大別されます。

    クランク式

    クランク式はクランクを用いてサーボモータの回転運動をピストンのような往復運動へ変換するタイプのプレス機です。回転力がそのままプレス動作に直結するため、1つ1つのプレス工程が早く、部品の大量生産に向いているものの、クランク機構を使用する関係上、ストローク長に限界があり、ロングストロークの加工には向きません。また、ワークに触れた瞬間と最終的に押し付けた状態には強い力を発揮できるものの、ストロークの中間では強い力を発揮できないため、複雑なプレス動作も苦手です。

    スクリュー式

    スクリュー式サーボプレス機ではボールネジを使用し、ボールネジに取り付けたナットを上下させることで、ナットに取り付けたラム(ワークに触れる部品)を上下させてプレスを行います。クランク式に比べると荷重や位置の制御が高精度なため、より精密な部品の製造に好んで使用される一方で、プレスの度にサーボモータの正転と逆転動作が必要なため、汎用部品の大量生産のように速度が求められる加工には向いていません。

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    サーボプレスは油圧プレス機よりもメリットが多い

    これまでのサーボプレスの基本的事項の解説を踏まえ、これまで主流だった油圧式や空圧式に勝る点を知りたい方も多いでしょう。ここからは代表的なメリットについて5つほど順番に解説していきます。

    圧力・速度・時間などの数値管理が可能

    1つ目のメリットは、プレスの圧力や速度、圧力の保持時間などを定量的に管理できる点です。これまでプレス機はプレス動作の速度などを制御するのは困難とされていましたが、サーボプレスではサーボモータ自体の回転速度やトルク、回転数などを検知・制御できるため、プレス動作の定量的な管理ができるようになりました。また、プレス機の内部にロードセルと呼ばれる圧力検知部品も取り付けられているため、実際にどのくらいの圧力で加圧しているかをモニタリングし、具体的な圧力値で指示を行うこともできます。

    NG判定やデータの遡りも可能

    続いてのメリットはプレス時にOK/NG判定を下したり、過去のプレス履歴を遡れる点です。①で触れたようにサーボモータの回転状態やプレス圧力はモニタリングできるため、正常時のパラメータを基準として控えておき、一定の許容値以上ズレがあればその時のプレスはNGと判断を下すことができます。また、プレス時のデータを全て控えておけば、下流の工程や顧客先へ納品した後に不具合が生じた際、プレス動作に異常な点はなかったかSER単位でデータを追跡して証明することも可能です。

    騒音や環境被害が少ない

    サーボプレスは油圧式や空圧式に比べて騒音が少なく環境に悪影響が少ないのも利点です。空圧プレスなどは圧力を掛けていく過程で騒音が生まれることは避けられませんが、サーボプレスは単にモータが回転しているだけなので大きな音は出ませんし、消費電力も油圧式の1〜2割程度に抑えられると言われてます。また、油圧式であればシール機構の劣化等によりオイル漏れが発生したり、劣化したオイルを廃棄する必要がありますが、サーボプレス機ではそもそも油を使用しないため、これらの問題も発生しません。

    ソフトウェアと組み合わせたプログラマブルな加工も可能

    メーカーによってはサーボプレスの動作を制御するための専用ソフトウェアが販売されており、サーボプレスの挙動を可視化すると共に、ソフト上で細かい指示出しも行うことができます。中には動作を細かくプログラマブルに設計したり、PLCと組み合わせることで前後工程と連動させられるものや、プレス動作の事前シミュレーションを行えるものなどもあるため、うまく活用すれば工場のDX化にも繋げることもできます。

    複雑なモーションの指定も可能

    すでに説明した通り、サーボモータは回転角度や位置を正確に検知・制御できるため、油圧式や空圧式のプレス機に比べて複雑なストロークモーションも指定できます。具体的には、振動するようにプレスを繰り返したり、時間によってプレス速度を変えたり、余計な動力を使わないようストロークの引き動作を敢えて小さくしたりと、その種類は様々です。

    従来のプレス機であれば破損してしまうような形状であっても、圧力の掛け方を工夫すれば解決する可能性もあるので、前述したパラメータのモニタリングと組み合わせて最適な加工条件を探ることができるのも嬉しいメリットでしょう。

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    まとめ

    今回は金属の加工方式の一つであるプレス加工について、サーボモータを利用するサーボプレスについて解説してきました。プレス機といえば油圧や空圧と考えている方でも、サーボプレスの利点を知ることができたのではないでしょうか。サーボモータ自体の解説も含め、気になった方はぜひ詳しく調べてみることをオススメします。

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