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  • リレー回路の基礎知識|構造や役割をわかりやすく解説!
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    2024.08.07更新

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    この記事を書いた人

    機電系専門ライター Div.長谷川

    長谷川

    FREE AID編集部 機電系専門ライター Div.
    アナログ回路設計・営業を経験した後ライター&ディレクターとして独立。
    電気電子・ITジャンルを得意とし、正確で分かりやすい情報の発信を行っています。

    電気制御の分野において、なくてはならない存在である「リレー回路」。名前は聞いたことがあるものの、詳しいことは分からず困っている電気初学者の方も多いのではないでしょうか?そこで今回は、リレー回路の種類や構造、使い方、メリットなどを詳しく解説します。

    リレー回路とは

    リレー回路とは、名前の通り「電気信号をリレーのように繋ぐ回路」のことです。制御用の回路に電流を流すことで、リレーを通して絶縁された別の回路をON/OFFできます。電子機器や機械のスイッチや、回路間の絶縁、信号の分岐など、利用の幅は非常に広いため、用途を問わずあらゆる機器に用いられています。

    リレー素子の種類と構造

    リレー回路を構築するリレー素子は、内部構造の違いによって有接点リレーと無接点リレーに分けられます。

    有接点リレー

    有接点リレーとはコイルと可動板によって接点を開閉する素子のことで、メカニカルリレーとも呼ばれます。コイルに通電することで磁力が生まれる電磁石の原理を利用しており、機械的に接点がくっ付いたり離れたりして動作します。構造が簡単で強固ですが、高速開閉や長期使用による故障が多い素子です。

    無接点リレー

    機械的な接点を持つ有接点リレーに対し、機械接点を持たないのが無接点リレーです。半導体を用いるため、半導体リレーとも呼ばれます。トランジスタやサイリスタ、フォトカプラなどを組み合わせることで絶縁と大電流の伝達を可能にします。

    有接点リレーが苦手とする高速開閉が得意で、長寿命なのが特徴です。かつては耐電圧が低く、自己発熱が原因で流せる電流も限られるといったデメリットがありましたが、パワー半導体などの登場で改善が進み、今では主流となりつつあります。

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    リレー回路を使うメリット

    リレー回路にはコスト面や安全面などの観点から様々なメリットがあります。電気制御の分野が発展する上で必須となるメリットについて、いくつか代表的なものを紹介していきます。

    電力ロスを軽減できる

    大電流を流す回路では、配線が長くなるとその分熱損失も大きくなるため、省エネを図るには配線を最低限に抑える工夫が必要です。リレー回路を使えば、大電流を流す駆動回路と、スイッチなど電装品による制御回路を切り分けられるため、無駄な配線を減らし電力ロスを軽減できます。

    制御回路は電圧・電流を最低限に抑えられることから、電線も細いものを利用できるため、コストも同時に抑えられます。

    安全性を確保できる

    機械の安全性を高められることもリレー回路のメリットの一つです。リレー回路を使用せずに大電力の電源回路を構築した場合、人間が操作する部分の近傍にも大電気が流れていることになります。

    安全に十分注意していても、機械の経年劣化によって漏電が発生した場合、電源を操作している人間に大電流が流れてしまう可能性があります。しかし、リレー回路を入れておけば、電源回路と制御回路を絶縁できるため、漏電による被害を大幅に抑えることができます。

    増改造や撤去が簡単

    企業の工場や公共施設などの電気設備は数十年以上に渡って使用されることがほとんどで、その間に設備の増設や改造、撤去といった様々な工事が行われることが珍しくありません。その点、リレー回路を用いた設備であれば、大電流が流れる動力回路以外のケーブルや機器を小型化できるので、増改造や撤去工事にかかる費用を大幅に抑えられます。

    特に、増改造を行う際に電気機器の制御方法が変わらない場合は、制御用のリレー回路をそのまま転用できます。費用や工期の大幅削減により、世間のニーズや社会情勢の変化に伴った設備改造が、より柔軟かつ容易にできるようになるでしょう。

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    リレー回路の注意点

    このように、リレー回路にはたくさんのメリットがありますが、リレー回路の導入によって新たに生まれる注意点もあります。代表的な注意点をいくつか紹介しましょう。

    定期的な交換が必要

    リレー回路を構築するリレー素子は、経年劣化による不良が発生する可能性があります。有接点リレーの場合は接点抵抗の増加やコイルの不良などが、無接点リレーの場合はフォトカプラの性能劣化などが主な不良の原因です。長期的に稼働する設備のリレー回路を健全に保つためにも、機器の寿命に応じて定期的にリレー素子を交換するようにしましょう。

    電気定格値が決まっている

    リレー回路は小電力で大電力信号を制御できますが、リレー素子に流せる定格電流・電圧値には限界があります。定格を越えた電流・電圧が加わると、コイル部分の焼損などにより破損する可能性があるためです。使用する機器の定格値や突入電流値などを十分に確認して、適切な性能のリレーを選定するように心掛けましょう。

    制御回路の保護

    有接点リレーの場合、内部にあるコイルに通電して接点の開閉を行います。コイルは誘導性負荷なので、電流が流れている状態で回路を遮断(開放)すると、電流が遮断されることで大きな逆起電力がコイルの両端に発生します。

    コイルが接続されている小電力の制御回路にとって、大きな逆起電力は破損を招く要因となり得るので対策が欠かせません。有接点リレーを使用する際は制御回路を保護するダイオードやRC回路などを忘れずに構成するようにしましょう。

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    リレー回路の使い方

    リレー回路にはスイッチや信号分配など様々な使い方があります。ここからは、具体的な使い道について紹介していきます。

    遠隔スイッチ

    リレー回路の代表的な使用方法は、遠隔スイッチとしての使い道です。機械を遠隔操作するためには機械とスイッチを電気的に接続させる必要があります。リレー回路を使用すれば、スイッチ回路を低電圧・電流回路で構築できるため、弱電力用ケーブルを敷設するだけで簡単に遠隔操作が可能となります。

    信号分配

    リレー素子には一つの制御信号入力を受けて、複数の出力信号を出す機能が備わっています。そのため、一つの操作で複数の機器を並列動作させたい場合の分配器としても有効です。

    信号変換/増幅

    入力回路と出力回路が電気的に絶縁されていることを応用し、リレー回路を信号変換器として使うことも可能です。電圧の低い入力信号で電圧の高い回路を制御する、交流(直流)信号で直流(交流)信号を制御するなど、様々な信号変換機能が実現できます。

    信号保持

    押しボタンなどで機械を動かすとき、基本的には機械が動き出したらボタンを離すのが普通です。ボタンを離しても機械が動き続ける動作は、リレーを使って自己保持回路を構築することで実現できます。

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    まとめ

    今回は、リレー回路に着目し、特徴や使い方など基本的な内容について解説しました。リレー回路は、絶縁された回路間をつなぐ機能を持ち、機器のスイッチ制御や絶縁の確保、信号保持などに欠かせない存在として広く使われています。リレーはコイルを使った有接点リレーと、半導体を利用した無接点リレーに分かれています。求める機能や耐久性により選ぶべき種類が分かれるため、選定時には注意しましょう。

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