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  • 終端抵抗(ダミー抵抗)とは?役割や効果を解説!
  • 終端抵抗(ダミー抵抗)とは?役割や効果を解説!

    2024.08.27更新

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    この記事を書いた人

    機電系専門ライター Div.長谷川

    長谷川

    FREE AID編集部 機電系専門ライター Div.
    アナログ回路設計・営業を経験した後ライター&ディレクターとして独立。
    電気電子・ITジャンルを得意とし、正確で分かりやすい情報の発信を行っています。

    テレビなど、さまざまな信号にノイズが入らないような役割を持つ「終端抵抗」。意外とどんな意味があるのかご存じない方も多いのではないでしょうか。そこで本記事では、終端抵抗の役割や効果などを分かりやすく解説します。

    終端抵抗(ダミー抵抗)とは

    終端抵抗とは、テレビ線などの信号回路の端部に入れる抵抗のことで、ダミー抵抗とも呼ばれます。信号線では交流信号を流すことで、情報のやり取りを行っています。正常に通信を行うにはこの交流信号が劣化しないことが重要ですが、そのためには「インピーダンスマッチング」が実現されていなければなりません。終端抵抗はこのインピーダンスマッチングを行うために入れられており、信号品質の安定化に貢献しています。

    終端抵抗とインピーダンスマッチングの関係

    それでは、終端抵抗がどのような役割を果たすのか、インピーダンスマッチングの詳細と合わせて説明します。まず、インピーダンスマッチングとは、信号の送信側と受信側のインピーダンスが同じになっている状態のことを言います。信号の送受信においては、送信側・受信側のインピーダンスによって信号の減衰量が変化し、両方のインピーダンスが同じになった時に最も減衰が少なくなることが分かっています。

    また、送受信でインピーダンスが異なると、信号が反射して信号品質に悪影響を及ぼすことも分かっているため、信号品質を維持するためにはインピーダンスマッチングを守ることが非常に重要です。送受信の機器でインピーダンスが同じであればよいですが、インピーダンスが異なる場合は困るので、そのような時に終端抵抗が活躍しています。

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    終端抵抗は直列・並列に入れられる

    終端抵抗は、回路のインピーダンスによって直列・並列どちらにも入れられます。まず、回路のインピーダンスが高い時は、電源やGNDと信号線の間に抵抗を入れる「並列終端」が用いられます。代表的な手法としては、信号と電源・GND間の両方に終端抵抗を入れる「テブナン終端」があり、信号品質の向上や消費電力の削減を実現しています。

    一方、回路インピーダンスが低い場合は、信号線と直列に抵抗を入れる「直列終端」が用いられます。こちらはデバイスの直近に抵抗を入れるだけで良いため簡単で、ノイズ対策などを目的に入れられるダンピング抵抗が終端抵抗として機能することも多いです。

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    終端抵抗の種類

    終端抵抗は単純な抵抗のみで機能を実現できますが、コンデンサの有無によって「通常型」「電流カット型」に種類分けが行われています。通常型は抵抗のみで構成されている、シンプルな終端抵抗です。一方、電流カット型は抵抗と直列にコンデンサが接続されており、直流電流が流れないような工夫が行われています。これにより、交流信号に直流成分が含まれているような場合に、常に終端抵抗に電流が流れ、無駄な損失が発生することを防げます。

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    終端抵抗の選定には周波数による変化に注意

    なお、終端抵抗を選定する際は、信号周波数におけるインピーダンスを確認する必要があるため注意しましょう。特に信号周波数が高いと抵抗のインダクタンス成分が支配的になってインピーダンスが高くなるため、インピーダンスマッチングが崩れる可能性があります。

    信号周波数が一定の場合は、その周波数における抵抗のインピーダンスをデータシートで確認した上で選定しましょう。また信号周波数が変わる場合は、最も信号波形が良くなるよう実験した上で抵抗値を検討する必要があります。

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    信号のなまりや信号レベルの低下にも注意

    ここまでのように、終端抵抗は信号通信を不具合なく行うために必須の存在といえますが、単純にインピーダンスマッチングだけを考えて終端抵抗を入れると、信号のなまりや信号レベルの低下が問題となる可能性があります。

    まず、信号のなまりは直列終端を入れた際に、周囲のコンデンサ成分と組み合わさってRC回路を形成することから生じます。また、出力インピーダンスが高いと並列抵抗が低いほど信号レベルは低下することとなります。そのため、場合によってはインピーダンスマッチングから少し外れた抵抗値を入れた方が、逆に信号品質が良くなる可能性があるのです。

    まとめ

    今回は、終端抵抗の役割や種類などについて、インピーダンスマッチングのことも合わせて紹介しました。終端抵抗は信号品質を安定させることを目的に、信号線の端部に入れられる抵抗のことです。回路のインピーダンスに合わせて並列・直列どちらにも入れられるほか、消費電力を抑えられる直流カット型の終端抵抗もあります。

    簡単に入れられる終端抵抗ですが、最適な信号品質を実現するには実際の波形を確認しながら抵抗値を調整したほうがよい場合があります。単純に考えず、しっかりと検討した上で適切な終端抵抗を入れるようにしましょう。

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