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パワーコンディショナとは?太陽光発電における役割を解説!

2023.10.09更新

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この記事を書いた人

機電系専門ライター Div.長谷川

長谷川

FREE AID編集部 機電系専門ライター Div.
アナログ回路設計・営業を経験した後ライター&ディレクターとして独立。
電気電子・ITジャンルを得意とし、正確で分かりやすい情報の発信を行っています。

太陽光発電や蓄電池などで必ず登場するパワーコンディショナ。なぜ必要なのか、役割が気になる方も多いのではないでしょうか。そこで今回は、主な用途である太陽光発電に着目し、パワーコンディショナが果たす役割を解説します。

パワーコンディショナとは

パワーコンディショナとは、直流電流を交流電流に変換する装置のことです。太陽光パネルとパワーコンディショナがあれば基本的な太陽光発電システムが完成するほど、非常に重要な存在となっています。

基本的にはインバータと同じ役割を果たしますが、他にも太陽光発電用にさまざまな機能を持っており、安全で効率的な発電・送電に大きく貢献しています。

パワーコンディショナの役割

それでは、パワーコンディショナの主な役割を詳しく解説しましょう。

電力の変換

パワーコンディショナの最も基本的で重要な役割は、電力を直流から交流に変換することです。太陽電池で発電した電気は直流電流として出力されるので、家庭用電源として使ったり、送電線を通して売電したりするには交流電流に変換しなければなりません。

パワーコンディショナは、この直流から交流への変換を高い効率で行えるという特徴を持っています。電力変換の原理上、ロスが全く発生しない訳ではありませんが、95%以上という非常に高い変換効率で交流電力を生み出せます。

発電量の最大化

引用:ダイヘン

太陽光による発電量を最大化するため、電圧・電流を制御するのもパワーコンディショナの大きな役割です。太陽光発電ではパネルの特性により、抵抗値にあわせて電圧・電流が上図のような曲線で変化します。そのため、発電量を最大化するには特定の電圧になるよう抵抗値を調整しなければなりません。

しかし、太陽光発電は天候や時間で発電量が刻一刻と変化するため、その都度電圧を変化させなければ電力をロスしてしまうといった問題があります。そこで、パワーコンディショナではMPPT(最大電力点追従)方式と呼ばれる方法を用い、発電量を検知して自動で電圧を調整する機構が備わっています。

異常時のシステム遮断

太陽光発電で生み出した電力は電線を通して売電されるので、電線の電力系統と接続されています。そのため、太陽光発電側で短絡事故などが生じると、発電装置だけでなく電力系統にも多大な影響を及ぼしかねません。

そこで、パワーコンディショナではシステムの異常を検知して電力系統との接続を遮断することで、問題を回避する機能を持っています。他にも、電力系統側の停電を検知する機能や、曇りなどで発電量が少ない時、電力系統から電力が逆流するのを防ぐ機能なども持っており、システムの安全性を保っています。

パワーコンディショナの選び方

続いては、実際にパワーコンディショナを選ぶ場合、どのような点にチェックすれば良いのか解説します。

変換効率

パワーコンディショナの変換効率は、発電量に直結する大事な要素です。ほとんどの場合、製品の仕様書に「最大変換効率」という名前で公開されているため確認しましょう。ただ、この項目は「最も日光が強くなる時(定格電圧が出力される時)」の変換効率に過ぎず、日光が弱い時は変換効率が下がるのがほとんどです。

そのため、実際に製品を選ぶ際は、日光が弱い時も含めた全体の変換効率がどの程度になるかも確認しておくと良いでしょう。

定格出力

太陽光発電で生じた電力が、パワーコンディショナの定格出力を超えている場合、超えた分の出力は電力変換が行われないため、電力が無駄になります。そのため、定格出力が必ず太陽光発電の出力以上となるような製品を選ぶ必要があります。ただ、パワーコンディショナは定格出力が大きいほど価格が高くなることにも注意が必要です。

サイズ

住宅用の場合、パワーコンディショナのサイズは比較的小さいですが、周囲にスペースを設ける必要もあるため、ある程度場所を取ってしまいます。特に屋内用は置ける場所に限りがあるので、サイズをしっかりと確認してから選ぶようにしましょう。屋外用の場合は余裕がありますが、その分故障のリスクが高くなる点は見過ごせません。

パワーコンディショナの寿命

最後に、パワーコンディショナにおいて問題となりがちな寿命についても解説しましょう。パワーコンディショナの寿命は一般的に10年と言われており、メーカーの保証期間も同程度であることが多いです。しかし、実際は外部環境によって劣化度合いが変わるほか、経年劣化以外の故障が発生することもあるため注意せねばなりません。

故障内容としては、直射日光や水によって生じる劣化や、ゴミや虫の混入による故障が挙げられます。屋外設置型の場合、これらの問題を完全に防ぐのは難しいですが、設置場所によって劣化のリスクを抑えることは可能なので、設置環境を確認しておくとよいでしょう。メーカーの保証を受ける条件にも、設置場所に指定がある場合が多いので、必ず確認した上で設置場所を決めて下さい。

なお、寿命を伸ばすには定期的なメンテナンスも欠かせません。フィルターの日常点検などは自分でも行えるので、メンテナンス性の良さも確認した上で製品を選ぶのが重要です。

まとめ

今回は、太陽光発電で用いられるパワーコンディショナについて、役割や選び方のポイントなどを紹介しました。パワーコンディショナは、発電した直流電流を交流電流に変換するために使われる装置です。同時に、発電量の最大化や安全性の確保などの機能も持ち、太陽光発電には欠かせない重要な部品となっています。

なお、パワーコンディショナの性能によって太陽光発電で得られる電力量は大きく変わるので、製品を選ぶ際には変換効率などをしっかり確認しておく必要があります。また設置場所も耐久性に大きな影響を与えるため、最適な場所を選んで設置するようにしてください。

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