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超電導とはどんな技術?特徴や用途をわかりやすくお伝えします

2023.10.10更新

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この記事を書いた人

機電系専門ライター Div.長谷川

長谷川

FREE AID編集部 機電系専門ライター Div.
アナログ回路設計・営業を経験した後ライター&ディレクターとして独立。
電気電子・ITジャンルを得意とし、正確で分かりやすい情報の発信を行っています。

リニアモーターカーを始め、少しずつ身近な存在となってきている超電導。名前は聞いたことがあるものの、どのような現象かご存じない方は多いと思います。そこで今回は、超電導がどんな技術なのか、特徴、種類や用途など、基本的な知識を紹介します。

超電導とは

超電導とは、特定の物質を極低温に冷却すると生じる状態変化のことです。物質が超電導状態になると、電気抵抗が完全にゼロとなり、外部の磁力線を打ち消す現象が生じます。どちらも超電導以外では持ち得ない特性であることから、技術的なブレイクスルーをもたらす存在として注目されています。

なお、超電導状態を作りだすには、物体を「臨界温度」と呼ばれる温度以下に冷却しなければなりません。超電導が発見された当初は、非常に高価な液体ヘリウム(-269℃)で冷やさなければ超電導が生じない物質ばかりで、コスト的に実用化が難しいという問題がありました。

しかし、1987年に安価な液体窒素(-196℃)でも超電導状態となる物質(高温超電導体)が発見されたことを皮切りに、実用化の可能性が一気に広まりました。運用コストは未だに高いものの、現在ではリニアモーターカーやMRIなど製品化が進んでおり、今後の技術発展にも高い期待が寄せられています。

超電導の特徴

続いて、超電導体の持つ性質についてより詳しく解説しましょう。

電気抵抗がゼロ

超伝導体が持つ最も大きな特徴は、電気抵抗が完全にゼロとなることです。通常の物体では、たとえ抵抗が小さい金属を使っても、完全に抵抗をなくすことは不可能です。例えば金属の中で最も抵抗値の低い銀であっても、常温では1.59 ×10−8[Ω・m]という抵抗率を示します。

抵抗があると、電流を流した際に一部の電流が熱に変換されるため、長距離の電流伝送や、大電流を流す際には無視できない損失が発生していました。一方、超電導体であれば、大電流を流しても損失が全く発生しません。そのため、超高効率な送電が行えるほか、コイルを使った超強力な磁力マグネットの生成、高効率な電力貯蔵装置などへの応用が可能となっています。

マイスナー効果

超電導であることを示すもう一つの性質が「マイスナー効果」です。マイスナー効果は、超電導体が周囲の磁場を弾き、超電導体内部に磁場が全く通らなくなる現象のことで、「完全反磁性」とも呼ばれます。磁場を弾く性質を持つため、たとえ常温では磁石にくっつく金属であっても、超電導状態になると磁石に反発するようになります。マイスナー効果が生じるのは、超電導体を通る磁場によって誘導電流が発生し、誘導電流により生じる誘導磁場が、超電導体を通る磁場を完全に打ち消してしまうのが原因です。

ちなみに、周囲の磁場が一定の強さ(臨界磁場)を超えると、超電導体が全ての磁場を弾ききれなくなり、超電導状態が壊れてしまいます。その時の状態変化がどのように生じるかで、超電導体の種類が分けられています。

超電導体の種類

超伝導体は、臨界磁場が印加された際の挙動の違いを元に、「第一種」「第二種」という形で分類が行われています。それぞれの違いを解説しましょう。

第一種超電導体

第一種超電導体は、臨界磁場を超えた磁力を掛けると超電導状態が壊れ、すぐ常電導状態に戻ってしまう物体のことです。少しでも磁束が物質内部に侵入すると、急に常電導状態に戻ってしまうため、抵抗値もゼロから急激に増加することとなります。

大電流を流す用途で使っている場合、電流損失による発熱が急に生じるため非常に危険です。そのため、強い磁場がかかる可能性のある場所には、第一種超電導体は利用できません。

第二種超電導体

第二種超電導体は、臨界磁場を超えた際、超電導状態と常電導状態が混在する「混在状態」となる物体のことです。混在状態では、超電導状態を維持しつつも、一部だけが常電導状態に戻り、磁束を物体に通すようになります。磁束を通し始める磁場の強さを「下部臨界磁場」と呼びます。

さらに、外部の磁場を強くし続けると、磁束が通り抜ける場所も広がり続け、「上部臨界磁場」を超えると全体が磁束を通すようになり、常電導状態に戻るのです。第一種超電導体と比べると数十倍の磁場がかかっても超電導を維持できることから、超電導コイルなど、強磁場がかかる用途において欠かせない存在となっています。

ちなみに、下部臨界磁場を超えて磁場を掛けた際、一部は磁束が通りますが、他の部分は超電導状態となっているため、磁束によって超電導体が固定され、動かなくなるという事態が生じます。この効果のことを「ピン止め効果」と呼びます。

超電導の用途

最後に、超電導を使ってどのような装置が作られているのか、代表的な3つの用途を紹介します。

リニアモーターカー

リニアモーターカーは、直線状(リニア)になったモーターを使い、車両を走らせる電車のことです。車両に超電導磁石を取り付け、地上の壁面(ガイドウェイ)にも2種類の電磁石を配置することで、磁石同士による反発力を発生させ、車両を浮遊させると共に走行させます。

リニアモーターカーは、車両を浮かせることで車輪の摩擦を無くし、時速500kmという超高速運転を可能とするのが特徴です。ただ、浮遊状態を保つには非常に強力な電磁石が必要となるため、抵抗がゼロで強い磁力を生み出せる超電導磁石が用いられています。

MRI(核磁気共鳴画像法)

MRIは、人体に強力な磁場を照射し、体内の水素原子核が共鳴して放射する微弱な電磁波を検知することで、人体の内部構造を把握する装置です。血管や骨、臓器など、組織の違いによって電磁波の発生内容は変わるため、その違いを検知することで、体内構造を細かく認識できます。

検知精度を上げるためには強力な磁場が必要なので、磁力源として超電導電磁石が用いられることが多いです。コストを抑えるため永久磁石を使う場合もありますが、超電導電磁石の方が撮像時間が短く、高精度な撮像が可能となります。

SMES(超伝導電力貯蔵装置)

SMESは、超電導コイルに電流を流し、磁力としてエネルギーを保持し続けることで電力を貯蔵するシステムです。通常のコイルでは抵抗値を持つため、エネルギー損失が大きくなることから、エネルギーロスのない超電導コイルが必須となります。

SMESを使えばエネルギー変換によるロスを抑えられ、瞬時に大電力が取り出せる上、数十万回の充放電に耐えられることから、瞬時に大出力が求められる電力系統などへの応用が期待されています。

まとめ

今回は、超電導の仕組みや種類など、基礎的な知識について解説しました。超電導は物体が極低温で持つ特殊な状態変化のことで、電気抵抗がゼロとなること、マイスナー効果を持つことなど、他の物質・状態では持ちえない特徴を有します。

液体窒素などで冷却する必要があるためコストが非常に高いという短所を持ちますが、MRIやリニアモーターカーを始め、用途の幅は広がり続けています。より高温で超電導状態となる素材の探索や、新しい用途の研究なども盛んに行われていることから、今後も発展が楽しみな技術といえるでしょう。

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