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信頼性技術者資格認定制度(JCRE)とはどのような資格?

2024.04.20更新

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この記事を書いた人

機電系専門ライター Div.長谷川

長谷川

FREE AID編集部 機電系専門ライター Div.
アナログ回路設計・営業を経験した後ライター&ディレクターとして独立。
電気電子・ITジャンルを得意とし、正確で分かりやすい情報の発信を行っています。

多くの製品やシステムを長期にわたって安全に使用するには、信頼性や品質に関する評価・試験の知識が欠かせません。今回はこれらの知識に特化して技術者を認定する資格の中から、信頼性技術者資格認定制度(JCRE)について解説していきます。

資格の概要

JCREは一般財団法人日本科学技術連盟(日科技連)が管轄する資格です。信頼性や品質保証などの業務に携わる技術者の問題解決能力向上を目的としており、信頼性の全般的な基礎知識を有し基本的な問題を適切な信頼性手法を用いて解決できることに加え、信頼性向上を目的とした活動を実践できる者に資格を与えて認定します。試験は初級・中級・上級の3種類に分かれていて、初級は年2回の筆記試験、中級および上級試験は随時申込可能な書類審査および面接によって行われます。

各級のレベル

JCREの初級試験は基礎的な信頼性工学の知識が必要とされており、目安としては日科技連が主催する信頼性セミナー基礎コース修了者レベルです。受験資格が不要で回答方式もマークシート方式のため一見すると難易度が低く感じますが、信頼性工学自体が比較的難しいうえ試験の合格基準が7割以上のため、それなりの知識を有している者でないと合格は難しいでしょう。

中級および上級試験では筆記試験こそないものの、事前に提出した信頼性関連の論文または実践事例のレポートに対する書類審査と面接試験があります。そのため日頃から信頼性工学について研究を重ねている人や、会社で信頼性に関する実務に携わってる人でないと合格はおろか、受験することさえ難しいでしょう。

各級の対象者

JCREの受験対象は製品の設計や開発、品質管理や品質保証、試作やテストなど信頼性関係の業務に携わる人が挙げられます。また、受験資格がいらない初級試験であれば信頼性工学の授業を履修する学生のうち、信頼性が求められる企業への就職を考えている人も対象となるでしょう。

中級および上級試験に至っては下位レベルの試験に合格していることが条件である上、論文やレポートの内容を基に対外的に説明できる能力が必要なため、独力で信頼性に関する課題解決に取り組める人や、下位レベルの信頼性技術者の指導や教育を行える立場にある人が受験対象となります。

信頼性技術者資格認定制度(JCRE)を取るには?

これまでの説明から、JCREを実際に取得したいと考える技術者も多いはず。ここではJCREを取得するためにオススメの勉強方法や具体的に資格を取得するまでの流れについて解説していきます。

試験の対策方法

JCREの試験は初級と中級以上では大きく対策が異なります。筆記試験のみの初級試験であれば、日科技連が発行している書籍や市販の教材を用いて勉強するのがオススメです。また試験の合格水準が信頼性セミナー基礎コース修了者レベルと定められているため、実際に基礎コースを受講してレベル感を掴みながら体系的に知識を身につけるのも良いでしょう。

中級以上では信頼性工学の知識に加えて、論文やレポートの執筆や理論立てて説明するスキルも必要になります。書籍や研修などで能動的にスキルを磨くのはもちろんのこと、業務や研究などでアウトプットする機会を増やしてフィードバックを受けるのも良いでしょう。

申し込みから資格取得までの流れ

JCREの試験は日科技連の申込受付サイトから申し込みが必要です。初級試験は申し込み後に郵送される受験票があれば受験ができますが、中級と上級の試験では受験申込後3営業日以内に業務経験履歴書と信頼性に関する論文やレポートも提出しなくてはなりません。

論文やレポートは記述内容や書式の指定があるため、事前に十分な時間を掛けて作成しておくと良いでしょう。書類審査に合格すると面接日と会場が記された面接実施通知がメールで届き、面接にも合格すると認定登録証が発行され信頼性技術者として認められます。

信頼性技術者資格認定制度(JCRE)が活かせる職種は?

信頼性技術者として資格認定を受けた後、どのような仕事で役立つのでしょうか。具体的な職種について解説していきます。

機械設計技術者

1つ目に挙げられるのは、家電や工場用機械などの製品設計を行う機器設計技術者です。様々な環境で動作する製品では、部品故障などの内的要因や環境影響などの外的要因により突発的な機器故障や品質低下を招く恐れがあるため、故障頻度の高い部品や条件に対して様々な対策を練る必要があります。

しかし信頼性工学の知識を持たない技術者が闇雲に対策を打っても、製造コストが釣り上がるばかりで根本的な解決に至らないケースも珍しくありません。JCREに合格した信頼性技術者であれば、信頼性や品質を向上するために必要なプロセスを理解しているため、適切なコストで高品質な製品を製造できるのです。

機械保全エンジニア

工場などで故障した機械の修理を行ったり、定期的な補修計画を立案する機械保全エンジニアにもJCRE資格は役立ちます。工場にある機械を長期に亘って性能を発揮させるには、周辺の環境や使用頻度、機械の特性、要求する動作性能といった情報を整理し、適切なタイミングでメンテナンスを行う必要があります。

また機器の故障が生じた際にも、これまでの動作データを基に故障原因を推測し、適切な補修を行う必要があります。これらの業務においてもJCRE試験で学んだ信頼性工学の知識が役立つため、工場全体の信頼性を高められる機械保全工として重宝されることでしょう。

技術営業職

最後の職種は営業と技術者の架け橋的な存在となる技術営業職です。通常の営業が製品やシステムの良い面ばかりを伝えがちであるのに対し、どのような製品試験を実施し、品質や信頼性を高めるためにどういった対策をとっているのかを技術的に説明することで、商談の場で信頼性を勝ち取れる狙いがあります。

例え製品の購入に至らなくとも、自社の製品の故障率や安全性について検証した事実を述べる誠実さが伝われば、信頼のおけるメーカーとして次回以降に繋がる効果も期待できるでしょう。

信頼性技術者資格認定制度(JCRE)を持っていることで活きること

今回は製品やシステムの信頼性と品質保証について一定以上の知識を備えた技術者を認定するJCREについて解説しました。他の工学系資格に比べると資格の知名度こそ低いものの、製品製造や工場の運営において欠かすことのできない知識が身に付く資格であると伝わったのではないでしょうか。初級試験であれば誰でも受験できるため、気になった人はぜひ受験してみては如何でしょうか。

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