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  • SSDの通信プロトコル「NVMe」って何?SATAやPCIeなどの関連用語の解説も
  • SSDの通信プロトコル「NVMe」って何?SATAやPCIeなどの関連用語の解説も

    2024.08.23更新

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    この記事を書いた人

    機電系専門ライター Div.長谷川

    長谷川

    FREE AID編集部 機電系専門ライター Div.
    アナログ回路設計・営業を経験した後ライター&ディレクターとして独立。
    電気電子・ITジャンルを得意とし、正確で分かりやすい情報の発信を行っています。

    SSDの性能を最大限引き出せる通信プロトコルとして注目されているNVMe。今回はそんなNVMeについて、具体的な特徴や従来のプロトコルとの相違点、類似用語も含めて解説していきます。NVMeに対応したSSDを使う上での留意点にも触れていくので、ぜひ最後まで読んでみてください。

    NVMeとはSSDの通信プロトコルのこと

    NVMeとは「Non-Volatile Memory Express」を略した単語で、その意味はNVM(不揮発性メモリ)の1種であるSSDの通信に関する決め事(プロトコル)のことです。HDDよりも高性能なメモリとして知られるSSDですが、他機器との通信速度がボトルネックとなり本来の性能を出し切れていなかったため、インテルやDELLなどが所属する団体によってNVMeプロトコルが生み出されました。NVMeに準拠したSSDは従来のものより小型かつ高速で、AIやビッグデータ技術に必要な高速大容量通信に対応可能なプロトコルとして注目されています。

    NVMeとSATAの違いについて

    NVMeはよくSATAというインターフェース規格と比較されることが多いです。厳密にはNVMeが通信の決まりごとを定めた通信プロトコルであるのに対し、SATAは接続端子について規定したインターフェース規格のため、同列で語るのは正確ではありません。

    SATA規格の通信プロトコルはHDD向けに最適化されたAHCIで、比較するとNVMeの方が通信データ量や入出力操作数、読み込み速度などあらゆる点で数倍から数十倍程度の性能を誇ります。また、NVMe SSDはソフトの互換性も高く、多くのOSやシステムで動作できます。但し発熱量や消費電力はSATA(AHCI)規格準拠品の方が小さく、価格もSATA(AHCI)の方が安価です。

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    NVMeを採用するSSDの種類

    NVMeの通信プロトコルを採用しているSSDは、その接続端子の形状の違いからいくつかの種類に分かれています。それぞれの特徴にも触れながら、順番に解説していきます。

    M.2

    M.2は一般的なノートPCで多く採用されている形状で、NVMe(PCIe)とSATA(AHCI)の両方の規格に対応しています。mSATA規格の後継として生み出され、mSATAと同じく接続ケーブルが不要で、SSDをマザーボードに直接挿し込んで使用します。長さや幅の形状に複数の種類があり、端子形状もM KeyやB Key、B&M Keyの3種類に分かれているため、接続先のスロットに合わせた形状のものを選定する必要があります。

    U.2

    U.2はサーバーなどに使用されるSSDで、NVMeプロトコルに準拠したインターフェース規格以外に、SASやSATAにも対応しています。M.2 SSDがスロットに直接接続するのに対しU.2 SSDでは接続ケーブルが必要で、サイズもM.2 SSDよりも大きい2.5インチです。

    サイズやケーブルの取り回しから一般PCでの使用例は少ないものの、本体の発熱がネックとなる場合は熱源と距離を取れるため、サーバーPCなどで好んで使用されます。また、機器の電源を入れたまま接続を差し替えるホットスワップにも対応してます。

    EDSFF SDD

    M.2やU.2は元々HDD向けのインターフェース規格から生まれたため、SSDの性能を最大限に活かすサーバーを構築するには向いていません。そこで次世代のサーバー用SSDとして開発されたのがEDSFF規格のSSDです。

    EDSFF規格のSSDは従来の規格品に比べ、接続コネクタが統一されている、対応可能な最大電力値が高い、冷却効率の向上による高密度化が可能といった利点があり、SSDの性能をフル活用できます。具体的なEDSFF SSDとしてE1.SやE1.L、E3.S、E3.Lなどが存在し、大容量の通信が可能な高性能サーバー用として多く使用されます。

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    NVMeに関わる関連用語

    続いてNVMeに関連する用語について解説していきます。これまでの説明で登場した単語もあるため、分からなかった方はここでしっかりと理解しておきましょう。

    NVMeの通信規格「PCIe」

    PCIeとはマザーボード上にパーツを接続する拡張スロットや拡張バスのインターフェース規格で、NVMeプロトコルで採用されています。もともとあったPCIという拡張インターフェース規格が接続機器の通信容量や通信速度の高まりに対応できなかったため、大容量かつ高速なデータ通信を可能にするために開発されました。

    PCIeではデータ送信を1つのバスを時間的に区切り、バスを占拠するデータを切り変えながら送信するシリアル転送方式を採用しており、大容量のデータが他のデータの送受信に悪影響を及ぼすのを防いでいます。先に説明した通りNVMeとSATAが同列で比較されがちですが、本来SATAと比較すべき同列項目がPCIeとなります。

    SATAの通信プロトコル「AHCI」

    NVMeと同列で語るべきHDD向けの通信プロトコルがAHCIです。AHCIはSATA規格の通信を前提として最適化されているため、NVMeプロトコルに比べてデータの通信速度や容量が劣ります。具体的な例を上げると、命令を先行で発して最適な順序で実行するためのコマンドキューの仕様が大きく異なり、NVMeでは64K(65535個)ものキューがあるのに対し、AHCIは1つしかありません。また、1つのコマンドキューに格納できるIO要求の数もAHCIが32コマンドであるのに対し、PCIeは64K(65535個)コマンドと段違いです。

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    速いSSDを使うならPCIeとNVMeの組み合わせがベスト

    高速かつ大容量の処理が可能なSSDを搭載したければ、インターフェース規格がPCIeで通信プロトコルがNVMeの物を選ぶとよいでしょう。通信プロトコルはあくまでも通信に関する約束事であり、インターフェースの端子や形状などのハード的な部分が対応していなければ意味がなく、逆もまた然りです。どちらか片方にばかり目を向けて性能強化を図っても、もう片方がボトルネックとなってしまって本来の性能を発揮できない可能性があるので、マザーボード側の仕様も含めて規格や仕様をきちんと確認しましょう。

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    NVMe規格のSSDは発熱に注意が必要

    SSDの性能を最大限引き出して使う場合、SSD本体の発熱にも気を配る必要があります。SSD本来の性能を最大限活かせるNVMe SSDでは、SATA規格のSSDに比べて発熱量が大きくなりがちです。特にM.2の接続コネクタを使用する場合、SSDとマザーボードが近づいてしまい放熱しにくく、ますます熱が篭りやすくなります。パソコン自体のサイズとトレードオフにはなりますが、高速SSDを搭載する際はファンやヒートシンクなどの冷却機構を設けるなど工夫しましょう。

    まとめ

    今回はSSD向けの通信プロトコルであるNVMeについて、その特徴や他の類似用語、使用上の注意点などを解説してきました。現在はAIやIoT、ビッグデータなどの技術の台頭に伴い、これまで以上に膨大なデータを高速で処理することが求められる時代です。SSDの発展が他技術の発展にも影響するため、今後もその進化に注目していきましょう。

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