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オペアンプの種類ごとの違いを紹介!使い分けのポイントも解説

2022.05.30更新

オペアンプの大まかな機能については知っていても、用途に応じて種類が分かれていることや、その特性の違いをご存じない方は多いのではないでしょうか。そこで今回は、オペアンプの主な種類とその特徴について詳しく解説します。

オペアンプの種類ごとの特性差

オペアンプは、2つの入力信号を比較し、その差を増幅して出力する電子部品です。センサー信号など、微弱な信号を増幅できることから、数多くの電子回路に使われています。

オペアンプといえば、増幅率(ゲイン)や出力電流、入力インピーダンスが無限大など、計算上は理想的な特性を前提に行うことが多いです。しかし、実際はオペアンプの内部構造によって特性の限界があるため、用途に応じてオペアンプの種類を適切に選択する必要があります。

オペアンプで注意すべき特性としては以下の項目が挙げられ、高スルーレート、低ノイズなど特定の性能を向上させた製品が販売されています。

  • ・入力バイアス特性
  • ・増幅率(ゲイン)
  • ・オフセット電圧
  • ・スルーレート
  • ・差動入力電圧
  • ・同相入力電圧
  • ・温度特性
  • ・内部ノイズ(SN比)

 

プロセスによる分類

特定の特性を向上させるため、オペアンプには製品ごとで数々の工夫が行われていますが、製造プロセスの差が大きな違いを生むため、まずはその差を理解することが重要です。内部のスイッチ素子の違いによりバイポーラ、CMOS、JFETが主な種類として挙げられます。

バイポーラオペアンプ

バイポーラオペアンプは、スイッチ素子にバイポーラトランジスタを使ったオペアンプです。耐圧性能を上げやすいほか、ノイズやオフセット電圧が低く、広帯域のオペアンプを作れるメリットがあり、最もよく使われています。

一方で、入力インピーダンスが低い傾向にあるため、入力バイアス電流や消費電力が大きいといった短所も持っています。

CMOSオペアンプ

CMOSオペアンプは、p型、n型MOSFETを相関的に使ったCMOS(相関型MOS)をスイッチ素子に使ったオペアンプです。

耐圧が低くノイズが大きい傾向にある分、入力バイアス電流(入力に流れる微小な電流)が小さく消費電力も小さいメリットがあります。また、最近はノイズが小さい製品も登場しており、CMOSオペアンプを利用するシーンは増えつつあります。

JFETオペアンプ

JFET(接合型電界効果トランジスタ)をスイッチ素子に用いたオペアンプです。電圧駆動のスイッチなので、CMOSオペアンプと同じく入力バイアス電流が低いのがメリットです。

また、シンプルな構造でありCMOSオペアンプよりもスルーレートが高いことから、高周波信号を扱う回路で用いられます。

特徴による分類

オペアンプは、プロセスの違い以外にも様々な工夫を行い、特性を向上させた製品が販売されています。主な特徴を持ったオペアンプの特徴を解説します。

汎用(両電源)オペアンプ

まず、一般的な特性のオペアンプのことを、汎用または両電源オペアンプと呼びます。オペアンプは反転入力・非反転入力のピン間電圧の差を増幅して出力するため、プラス、マイナス両方の電圧出力が必要です。出力を行うためにはプラスとマイナス、両方の電源を必要とすることから、両電源オペアンプと呼ばれます。

汎用オペアンプの性能には特筆すべき所はなく、理想オペアンプとの差は大きいため設計には工夫が必要ですが、一般的な用途では十分な性能がありコストも安価です。

単電源オペアンプ

汎用オペアンプでは、プラスとマイナスの2つの電源を入力して使いますが、マイナス側の電源は用途が限られるため、オペアンプのために電源回路を作るのは面倒な場合が多いです。

そんな時に使えるのが、プラス側の電源のみを入力して使う単電源オペアンプです。マイナス側の信号は出力できず、最低電圧がGNDとなりますが、その分マイナス電源は不要となります。

ちなみに、単電源オペアンプでマイナス信号を入力したい場合は、入力信号をバイアス(電源と抵抗を使い、入力信号をプラスの電圧に吊り上げること)させ、マイナス入力の電圧をGNDより高くする必要があります。

すると出力もバイアスされた状態で出てくるので、出力の後段にコンデンサなどを入れて直流成分を取り除き、元の信号を増幅した形で取り出せます。

Rail to Railオペアンプ

汎用オペアンプの場合、扱える入出力電圧は電源電圧よりも小さくなります。入出力電圧の範囲のことをダイナミックレンジと呼び、プラス、マイナスの電源電圧より1.5V程小さくなることが多いです。

しかし、オペアンプの電源電圧に5Vなどの低電圧を使用する場合、入出力可能な電圧値が低くなりすぎて困るため、対策としてRail to Railオペアンプが開発されました。

Rail to Railオペアンプでは、入出力電圧のダイナミックレンジが電源電圧と同じになります。入出力のどちらがRail to Railとなっているか(もしくは両方)は製品ごとに変わるので、データシートを参照しましょう。

低雑音オペアンプ

オーディオ機器などにおいて、波形のひずみとノイズは音質に大きな影響を与えるため、信号の品質を保ちつつ増幅するのに特化した低雑音オペアンプが用いられます。

オペアンプにおいては、オペアンプ内部と周辺回路で熱雑音やフリッカーノイズ、ショットノイズなどが発生します。低周波の1/f雑音領域、低~高周波の白色雑音領域で支配的となる雑音の種類は変わるため、それぞれのノイズ特性を理解して最適なオペアンプを選定しましょう。

高精度オペアンプ

高精度オペアンプは、センサーなど微小な電圧変化を扱う機器に使われるオペアンプです。微小な電圧変化を扱う場合、直流成分の誤差が大きな影響を与えます。

オペアンプの直流成分誤差はオフセット電圧や入力ドリフト電流、温度ドリフトが主となるため、高精度オペアンプではこれらの影響を可能な限り抑えることで、優れた特性を示します。

低消費電力オペアンプ

CMOSオペアンプの内部回路を最適化することで、消費電流を極限まで抑えたオペアンプです。数V以下の条件で使われるため、低電圧駆動に優れており、Rail to Rail、低入力オフセットなどの特徴も同時に持っています。

IoTなど、電池を長持ちさせたい小型製品で需要が高く、超低消費電力オペアンプも続々と開発されています。

完全差動オペアンプ

一般的なオペアンプは入力が差動信号、出力がシングルエンド信号となっていますが、完全作動オペアンプは2本の出力端子を持ち、差動信号で出力する製品です。

出力信号をGNDなどの外部回路から独立させることで、ノイズ性能を高められるのが特徴で、IC内部のアナログ伝送など繊細な信号を扱う回路で使われます。

まとめ

今回は、オペアンプの主な種類とその特徴について解説しました。オペアンプは理想的な特性で計算されることが多いですが、実際は構造上の限界があるため計算値との差が生じ、不具合の原因となる可能性があります。

全ての特性を理想に近づけることは難しいですが、特定の性能を向上させた製品は多数販売されているため、最適な部品の選定が欠かせません。汎用オペアンプを始め、種類ごとの差を理解し、選定時の参考にしてください。

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