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PLC制御(シーケンサー)とは?仕組みや種類、プログラミング方式を紹介!

2022.04.28更新

PLC(programmable logic controller)は、あらゆる業界で使われる機械を制御する、制御装置のことを指します。産業には欠かせない存在であるものの、PLCが使われる理由や仕組みなどを知る機会は意外と少ないものです。

そこで本記事では、PLCの特徴や仕組みを中心に、概要について解説します。

PLC(シーケンサー)とは

PLCとは、機械を設計した通りの順番で動かす、制御用で使われるコンピューターのことです。一部ではシーケンサとも呼ばれます。

PLC制御は、PLCにあらかじめプログラミングを施しておくことで、決まった入力が入った時に、効率よく求められた動作を行わせることです。PLC制御は、エレベーターや各種家電など身近な機械に使われているほか、産業用ロボットなどにも数多く使われています。

ちなみに、シーケンサという名称は、正確には三菱電機が販売するPLCの製品名のことです。日本では三菱電機のシェアが非常に高いため、シーケンサー=PLCとして認知している人が一定数います。

PLCの歴史と特徴

 

機械を制御する手段としては、リレーシーケンス、組み込みシステムといった方法もありますが、PLCがなぜ開発され、使われているのかを説明します。

リレーシーケンスの代替として登場

PLCが登場するまでの機械制御では、リレーシーケンスが主に使われていました。リレーシーケンスは、機械の電源回路にメカニカルリレーを接続し、リレーのON/OFFによって機械を制御する方式のことです。

リレースイッチの切り替えタイミングを制御するだけでいいためシンプルで確実性の高い方式ですが、リレーが大きく小型化が難しいこと、制御回路を組み替えるためにリレーの接続を入れ替える必要があり大変なことから、これらの欠点をカバーするためにPLCが生まれました。

PLCはメカニカルリレーとは異なり、CPUのプログラミングで制御を行うことから、小型化、回路変更が容易になり、リレーシーケンスの代替として使われるようになりました。

ちなみに、リレーシーケンスは大電流に対する耐性が強いため、特定の用途で今でも使用されています。

組み込みシステムとの住み分け

機械の制御としては、マイコンを使った組み込みシステムも一般的ですが、これらは用途別で住み分けが行われています。

まず、PLCは汎用性が高く、さまざまな機器を簡単に入れ替えて使えるのが特徴であり、工場など状況に合わせて用途が変わる所で使われます。回路接続やプログラミングなどが簡単に変えられるので、電気やソフトウェアに詳しくない人でも作業でき、PLC自体の機能も後付けで追加できます。

一方、組み込みシステムはFPGAやマイコンを中心に、I/O端子や周辺機器を接続して作った電子回路のことです。汎用性はなく、個別に設計が必要となりますが、目的に応じてサイズや機能、性能を自由に設計できるので、後から機能を変更しない量産品には組み込みシステムが一般的に使われます。

PLCの仕組み

続いて、PLCがどのような仕組みで、どのように動くのかをお伝えします。

PLCの仕組み

まず、PLCの内部構造は以下の4つで構成されています。

  • ・入力インターフェース
  • ・出力インターフェース
  • ・CPU
  • ・メモリ

入力インターフェースには各種センサーが、出力インターフェースにはリレーやモーターなどの動作部位が接続されます。CPUは入力インターフェースの監視と、出力インターフェースへの出力ON/OFFを制御できるようになっており、制御のタイミングをメモリに格納したプログラミングによって指定しています。

シーケンス制御の例

PLCで行う「決められた手順にしたがって行う動作」のことをシーケンス制御と呼びますが、その身近な例として、洗濯機のシーケンス制御について解説します。

洗濯機は設定を行った後は自動で動作して洗濯を完了させますが、その裏では以下のようにPLCが指令を出して動作させています。

  • ・スタートボタンを検知
  • ・洗濯物の重量を検知
  • ・洗濯(水を入れる、洗剤を入れる、ドラムを回すなど)
  • ・すすぎ(同上)
  • ・脱水
  • ・終了のアラームを鳴らす

細かく分類すると、ドラムを回す速度や回転方法、最適な水量の保持など、さまざまな制御が行われますが、主な制御項目は手順の制御、作業条件の制御、作業時間の制御、といった3つに分かれます。これらの制御をPLCが正確に行うことにより、スイッチを押すだけで洗濯が終わるようになっているのです。

PLCの種類

PLCを購入する際は、パッケージタイプとブロックタイプから選ぶことができます。どちらも大まかな機能は同じであり、拡張性の有無が大きな違いです。

パッケージタイプ

パッケージタイプは、PLCとしての基本的な機能を網羅して搭載したPLCです。拡張性はなく機能の追加は行えませんが、その分ブロックタイプより安価に購入できます。使用する機器が限られており、後から追加する可能性も無い場合におすすめです。

ブロックタイプ

ブロックタイプは、PLCの各機能をブロックとして別々に購入し、接続して使用するPLCです。ブロックごとの単価は割高になりますが、その分自由にブロックを追加・削除できるので、制御する機器の追加に柔軟に対応できます。拡張性を確保しておきたい場合におすすめです。

PLCのプログラミング方式

PLCを使うにはCPUへのプログラミングが欠かせませんが、プログラミングの方式もさまざまな種類が開発され、使われています。メーカーや機種によっても変わりますが、一般的にはPLCの国際標準(IEC 61131-3)で定められた5種類のプログラミング方式が主流です。

ラダー方式

日本において最も使われているのがラダー方式のプログラミングです。電気回路を図示するシーケンス図と似た記載方法で、設計者が直観的に理解しやすいのが特徴で、図がラダー(梯子)に似ていることから名付けられました。

電気設計者は一般的なプログラミング言語に慣れていない人が多いので、分かりやすさから普及が進んでおり、今ではほとんどのPLCがラダー回路で設計できるようになっています。

ただ、直観的でシンプルな分、大規模で複雑な処理には向いていないという欠点も持っています。

FBD方式

FBD方式は、ファンクション・ブロック・ダイアグラムの略のことです。入力と出力を持ち、特定の演算を表すブロックを用意して、ブロックを繋げることで機能を設計します。

電子回路と非常に似た記述方法となるので、電気設計者にとって理解しやすいのが特徴です。また、プログラムをブロック別に分けることができるので、一度書いたプログラムを流用しやすいといった特徴があります。

SFC方式

SFC方式は、シーケンシャル・ファンクション・チャートの略で、フローチャートに似た記述方法です。システムの状態遷移とそれぞれの実行ステップのみを記すため、演算や入出力については記載しません。

動作が直観的にイメージしやすく、工程間の遷移条件や動作内容を明確に分けられるのが特徴です。日本ではあまり一般的ではありませんが、欧州では広く用いられています。

ST方式

ST方式はストラクチャードテキストの略で、プログラミングの高級言語に相当するテキスト言語を使った記述方式です。C言語などの理解があるソフトウェア開発者に馴染みが深く、ラダー方式では記述が難しい、複雑な制御が行いやすいというメリットがあります。

IL方式

IL方式は、インストラクション・リストの略で、アセンブラに相当するテキスト言語を記述する方式です。命令をリストとして記述するため、シンプルで動作速度が速いのが特徴ですが、アセンブラに詳しい人以外には理解しづらく生産性・保守性に劣るため、現在ではほとんど使われていません。

まとめ

今回は、PLC制御の仕組みや種類などについて解説しました。PLCは機械を意図通りに動かす制御装置として、さまざまな分野で用いられています。

PLCはプログラミングや回路構成の変更が容易で、拡張性に優れているのが特徴です。導入する際にはパッケージタイプとプログラミング方式が重要となるので、それぞれについて理解を深めておきましょう。

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