「Board Designer」のCR5000シリーズとは?使い方や操作方法を解説!
2024.08.05更新
機電系エンジニア必見!!貴重なフリーランス案件はこちら ▶回路や基板の設計に役立つシステムとしてCR5000シリーズが知られています。心強い複数のツールで構築されており、回路設計のエンジニアにとって見過ごせないシステムです。今回はCR5000シリーズの概要とともに中核システムである「Board Designer」の人気機能について迫っていきます。
そもそもCR5000シリーズとは?
CR5000 シリーズとは、回路や基板の統合設計環境を実現するシステム群です。プリント基板の設計・製造を行う企業約3,000社から世界中で採用されています。
基板設計システム「Board Designer」、回路設計システム「System Designer」、解析環境「Lightning」、EMC設計・検証ツール「EMC Adviser」などで成り立っています。
CR5000シリーズは、医療機器や自動車、航空宇宙産業など、幅広い分野でエレクトロニクス設計のシステムとして使われています。回路や基板の作成に携わる方であれば、操作方法や使い方などを知っておいても損はないでしょう。
CR5000シリーズの開発企業
CR5000シリーズを提供しているのが、株式会社 図研です。電気と設計の両分野において、設計と製造のデータについて最先端の3D化技術で統合管理するITソリューションを開発しています。
グローバルなネットワークを強化しており、ソフトウェア開発の拠点は日本だけでなくイギリスやドイツにもあります。
「The Partner for Success」という企業メッセージを掲げている通り、世界のメーカーを成功に導く信頼されるパートナーを目指して、困難な課題にもチャレンジしています。
CR5000シリーズの後継システムも存在
CR5000シリーズに続く次世代システムとして、CR8000シリーズも注目されています。単一のプリント基板設計だけでなく、複数の基板設計も含めて、システム全体の検証やレビューまで可能です。
ネットワークを通じた同時並行設計にも対応しており、グローバルな規模で水平分業の体制を構築する役目も期待されています。
CR5000シリーズの各ツールを紹介!
CR5000について理解をするには、関連する各ツールの役目を知る必要があります。CR5000シリーズの各ツールについて概要を解説していきます。
ツール1:基板設計システム「Board Designer」
「Board Designer」は、CR5000シリーズの中核である基板設計システムです。基板の設計作業をスムーズにするために、配線やアートワークの機能を搭載しています。一般的に基板の設計では、電気的な制約を考える必要もあります。
たとえば等長配線の指定によって、プリント基板で生じる信号のタイミングのばらつきを防ぐことがあります。「Board Designer」であれば等長配線指定があっても、自動的に適切な経路を構築可能です。
そのほか、3DCADでモデリングしたデータを専用ソフトを用いて「Board Designer」にエクスポートし、基板設計を開始できます。
操作方法としてモジュールの項目では、設計条件の編集や基板外形の編集、熱解析、チェック結果の検証などが行えます。
「Board Designer」のデータを閲覧する方法
CR5000シリーズの「Board Designer」のデータは「Board Viewer」で閲覧可能です。公式ホームページから無償版をダウンロードできます。
「Board Viewer」では、「Board Designer」で作成した基板データ(.pcb)や、フットプリントデータ(.ftp)、パネルデータ(.pnl)などを参照可能です。
複数の「Board Viewer」から同じデータを同じタイミングで確認できます。チームでデータを参照する際にも便利な仕様だといえるでしょう。
ツール2:回路設計システム「System Designer」
CR5000シリーズの「System Designer」は、「Board Designer」との連携に強みがあるツールです。設計ルールや電気的特性情報などを「Board Designer」と共有し、回路設計や基板設計を効率化できます。実績の高い回路図をコピーペーストして流用することも可能です。
「全シート・リファレンス生成」の機能では、実行形式や割付モード、階層展開レベル、除外ファンクション種別などを設定できます。チャンネル識別子を考慮したり、流用元リファレンスを考慮したりする設定もあります。
ツール3:解析環境「Lightning」
CR5000シリーズの「Lightning」とは、CR5000における設計プロセスすべてを効率的な設計に対応させるための環境システムです。SI (Signal Integrity)解析やEMI(Electromagnetic Interference)解析なども配線設計の途上で利用できます。SI解析は信号品質に関する解析であり、EMI解析は 電磁妨害に関する解析です。
ちなみに、「Lightning」では他社からもデータライブラリ(定型処理をまとめた機能)が用意されています。たとえば、ライブラリを利用することで高周波回路設計を効率化することが可能です。インポートのマニュアルが用意されていることもあるので、導入の際には見落としなく確認しましょう。
ツール4:EMC設計・検証ツール「EMC Adviser」
CR5000シリーズの「EMC Adviser」は、EMC(ノイズ特性)をはじめとする電気的な考え方を適用できる設計・検証システムです。EMCの専門家ではなくても利用できるようになっているのが便利だといえます。
近年、自動運転やドローン、Iotシステムなどの開発では、ノイズ対策が大きな課題として認知されています。ノイズは通信や財産、生命に関するトラブルの原因になりかねず、リコールが発生すると企業ブランドにまで影響が生じる可能性もゼロではありません。
その点を踏まえると、専門家でなくてもノイズ対策できる「EMC Adviser」は、設計で重要な役割を担う存在だとわかるでしょう。
CR5000シリーズ「Board Designer」の人気機能
CR5000 シリーズの概要を知っても、操作方法のイメージが湧いてこない方も多いでしょう。ここからはCR5000 シリーズの中核である基板設計システム「CR5000 Board Designer」を中心に、人気機能をご紹介していきます。
機能1:任意バージョンへのデータ変換
「Board Designer」では、Rev10~Rev13の間でデータのバージョンを相互に変換できるようになりました。そのため、設計を最新のリビジョンで行っても、取引先にデータを渡すときに変換して対応することが可能です。
操作方法もシンプルです。「任意バージョンへのデータ変換」という項目で起動させ、変換先のバージョンを指定して実行します。ちなみに変換ツールはCADファイルマネージャーから起動可能です。
機能2:トランキングとレングセン
配線設計を効率化するための機能が、トランキングとレングセンです。トランキングでは図面上で複数の信号をまとめて扱えます。入力や経路変更の際に重宝する機能です。
その一方でレングセンは、ミアンダ配線の挿入によって配線長を調整する機能です。ミアンダ配線とは蛇行した川のような形状をした配線として知られています。回路図面で蛇行の高さや数を変化させて配線の長さを調整することが可能です。
機能3:選択ネットハイライトが向上
選択ネットハイライト機能では、配線を入力しているときに選択したネットラインやピンなどをハイライトしてくれます。
従来は表示をするまでに時間がかかる傾向がありましたが、各ピンに接続されるネットのハイライト表示速度が向上しました。配線作業がさらに効率的に行えるようになっています。
機能4:ファイルオープン時のエラーマーク指定
CR5000シリーズの「Board Designer」でファイルを開くとき、エラーマークが復元されます。不要なエラーマークを修正しないで表示をオフにしていると、大量のエラーに気づかずに保存することになります。
その結果、次回ファイルを開くときに時間がかかってしまうのです。その点、「Board Designer」ではファイルを開いたときのエラーマーク再生成の有無を選択できる機能が搭載されました。
ファイルを開いたときの待機時間を短くできるようになった点は、忙しい開発者にとってストレスフリーな改善点だったといえるでしょう。
CR5000シリーズの「Board Designer」の操作や使い方で困ったら?
CR-5000シリーズの「Board Designer」では、オンラインヘルプというサポート機能が利用可能であり、Q&A事例に直接アクセスできます。使い方は簡単です。わからないことに関するキーワードを入力して検索ボタンを押すと、検索結果が表示されます。
数千を超える事例が登録されている上に、毎月同社のグローバルサポートセンターに集められた質問が抽出されています。操作方法やメッセージ対処方法などに関する不明点を早期に解決できるように配慮されているので、CR-5000シリーズの「Board Designer」を使っていて困ったことがあれば、サポート機能を一度利用してみるとよいでしょう。
まとめ
CR5000シリーズの各ツールの概要をはじめ、CR5000シリーズの中核ツールである「Board Designer」の人気機能についてご紹介しました。回路設計ではさまざまな機能が必要とされることがおわかりいただけたのではないでしょうか。中には、無料で回路図面を作成できるフリーソフトもあるので一度探してみてください。もしツールの使い方や操作方法に自信がないのであれば、CR5000シリーズにあったようなサポート機能に着目してみましょう。
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