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電池はどのように発明された?歴史を詳しく解説!

2023.10.09更新

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この記事を書いた人

機電系専門ライター Div.長谷川

長谷川

FREE AID編集部 機電系専門ライター Div.
アナログ回路設計・営業を経験した後ライター&ディレクターとして独立。
電気電子・ITジャンルを得意とし、正確で分かりやすい情報の発信を行っています。

今や私達の生活に欠かせない存在となっている電池。ここ数十年の間で劇的な進化をとげ、利用の幅が広がっていますが、どのように発明されてきたのかご存じでしょうか?本記事では、乾電池や二次電池などの歴史を詳しく紹介します。

電池の発明はカエルの足から始まった

現在使われている電池は、2つの電極を電解液に浸し、化学反応を活用して電気を取り出す方法が一般的ですが、この形はカエルの足を使った実験がきっかけになりました。実験を行ったのはイタリアの学者ガルバーニ。1780年に行われ、異なる種類の金属をカエルの足に接触させると、足の筋肉がけいれんすることを発見します。

彼はけいれんが生じる理由を「生物が電気を生み出している」からだと考えたため、電池の発見には至りませんでした。しかし、この発見に影響を受けた学者「アレッサンドロ・ボルタ」が研究を続け、電池を発見したことから、重要な発見として広く認知されるようになりました。

最初の電池「ボルタ電池」

アレッサンドロ・ボルタは、ガルバーニの実験で生じた電気を「異なる2種類の金属が触れたこと」で発生したと考えました。そして銅板と亜鉛版の間に塩水で浸した紙を挟む方法で、自らの理論を裏付けます。

ボルタはさらにこの方法を発展させ、1800年頃に発明したのが「ボルタ電池」です。ボルタ電池は、正極に銅、負極に亜鉛、電解液に硫酸を使って作られます。以前にはないほど大きな電流を長期間にわたって取り出せることから一気に普及し、電灯やラジオなど、電気を使った製品が広まるきっかけとなったのです。

ボルタ電池にも多数の欠点があったため、発電寿命を長くした「ダニエル電池」など改良型の電池が数多く発明されていきますが、その大元であるボルタ電池は、世界で最初の電池としての地位を確立しました。

「乾電池」が発明される

ボルタ電池の後、さまざまな電池が発明されましたが、どれも電解液を入れて使うという使用上、持ち運びが難しく電解液が漏れてしまうといった問題がありました。そんな問題点を解決するために発明されたのが「乾電池」です。

乾電池は、電解液を紙などの固体に染み込ませて圧倒的に扱いやすくした電池のことで、1885年にドイツのカール・ガスナーが発明し、特許を取得しました。当初発明されたのはマンガン電池で、「ルクランシェ電池」と同じ原理を用いて作られました。

その後、マンガン乾電池の電解液を水酸化カリウムなどのアルカリ水溶液に変えた「アルカリ電池」が登場し、今なお使われる乾電池の形ができあがっていきます。

ちなみに、日本でも「屋井先蔵」がガスナーと同時期に独自の乾電池を発明しています。特許を取得しておらず歴史には残っていませんが、日本中で屋井乾電池として販売され、一時は乾電池王と呼ばれるほどの知名度を誇りました。

二次電池の発明

乾電池に続いて、電池が大きな進化を遂げるきっかけとなったのが、充電によって繰り返し使える「二次電池(蓄電池)」の発明です。最も古い二次電池は鉛蓄電池で、1859年にフランスのガストン・プランテによって発明されました。鉛蓄電池は大型で持ち運びには適していないものの、安価で大量生産が可能なため、今でも自動車用のバッテリーなどに世界中で使われています。

また、1899年にはスウェーデンのウォルデマール・ユングナーによって、持ち運びに適したニッケルカドミウム電池が発明されます。こちらは1960年ころに実用化され、乾電池のような小型サイズで作れることから、電子デバイスのバッテリーとして使えるようになり、電子デバイスの大きな進化に貢献することとなります。

リチウムイオン電池の登場

ニッケルカドミウム電池の発明後、二次電池はあらゆる電子機器のバッテリーとして広く用いられ始めましたが、電池としてのエネルギー密度に限界があり、大容量のバッテリーが作れないという問題がありました。

この問題を解決したのが、1990年代に商品化が始まったリチウムイオン電池です。リチウムイオン電池は正極にコバルト酸リチウム、負極に黒鉛を使い、有機電解液を満たした構造をしています。他の電池と比べてエネルギー密度が非常に高い特徴をもつことから、高性能なバッテリーが必要な用途にどんどん利用されるようになり、今やあらゆる用途でリチウムイオン電池が欠かせない存在となっています。

リチウムイオン電池は、数千回の充放電で寿命を迎えるほか、リチウム、コバルトなどの希少金属を使わなければならない欠点があるため、代替となる電池の開発も行われています。しかし、少なくとも数年~数十年先までは、リチウムイオン電池が電池の主役として君臨し続けるでしょう。

まとめ

今回は、電池がどのように発展してきたのか、歴史を紹介しました。電池は1800年頃に発明された「ボルタ電池」を皮切りに、数多くの種類が発明され、電子機器の発展に大きく貢献してきました。特に液漏れを起こさない「乾電池」や、繰り返し使える「二次電池」の登場が大きな歴史的変化であり、直近では1990年頃に商品化された「リチウムイオン電池」が電池性能の大きな進化をもたらしています。

現在もさらなる高性能化への需要は高まりつづけており、次世代電池の開発も数多く行われています。今後の電池の発展からも目が離せません。

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