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整流回路とは?コンデンサなど素子の役割も解説!

2023.10.07更新

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この記事を書いた人

機電系専門ライター Div.長谷川

長谷川

FREE AID編集部 機電系専門ライター Div.
アナログ回路設計・営業を経験した後ライター&ディレクターとして独立。
電気電子・ITジャンルを得意とし、正確で分かりやすい情報の発信を行っています。

100Vの家庭用コンセントで直流電源駆動の機器が動くことに疑問を抱いたことは無いでしょうか?交流電源で直流電源駆動の機器を動かしたい時に役に立つのが整流回路です。今回は交流信号を直流信号へと変換する整流回路について、種類や回路構成、構築する素子の種類や役割など網羅的に解説していきます。

整流回路とは

整流回路とは、電気の流れを整える回路という名前の通り、交流信号を直流信号へ変換する回路の総称です。日本では送電効率が高い点や変電操作が容易な点から、家庭や工場などに送電される電気は交流が主流です。しかし、一般家庭や工場などで使用される機器の多くは直流電源駆動であるため、受電した交流の電気を直流へ変換する必要があります。この変換を行うのが整流回路であり、ダイオードなどの素子を用いた回路によって簡単に変換できる仕組みとなっています。

整流回路の種類

具体的な整流回路の説明として、代表的な整流回路を3つ紹介していきます。厳密には3相電源用に作られた整流回路などもっと多くの整流回路が存在しますが、基本的な考え方はこれから紹介する3種類を理解しておけば応用できます。

半波整流回路

1つ目に紹介する整流回路は半坡整流回路で、特定の方向にしか電気を流さないダイオード素子を電源と負荷の間に直列接続することで実現できます。信号波形は元の交流波形のマイナス側が削除された形状をしており、半坡整流回路によって整流された電圧の平均値は、印加した交流電圧実効値の0.45倍程度になります。

ダイオードによる半波整流回路は、負荷側の回路に電流が流れる瞬間と流れない瞬間が存在する不安定な信号のため、実際にはコンデンサを並列に接続して信号を平滑します。電荷を一定量充電できるコンデンサがあれば、電流が流れているうちに信号の一部を充電し、流れない瞬間に放電することで、負荷側へ印加される直流電圧波形の変動を抑えます。半波整流回路は例えコンデンサを取り付けてもリップルと呼ばれる電圧変動の影響が大きいため、この後説明する回路を使用する場合が多いです。

両波整流回路

続いて紹介する整流回路は両波整流回路です。この回路では半波整流回路のダイオードを2つに増やすことで、元の電圧を全て負荷側へ伝達します。整流された波形は元の交流波形のマイナス側を全てプラス側へ折り畳んだ形状をしており、実効値は整流前と変わらず最大電圧の1/√2倍です。半波整流回路に比べてダイオードを通る経路が2系統必要になるものの、半坡整流回路の時に比べてリップルが抑えられた波形が得られます。

両波整流回路では2つのダイオードが互いに逆向きの特性を有しているため、電源と整流回路との接続点が2つ必要となります。変電用トランスの二次巻線を分割して中央に接続点(センタータップ)を設ける必要があるため、電線の利用効率が悪い、センタータップがない変圧器には使用できないといった欠点があります。これを解消するのが次に紹介するブリッジ整流回路です。

ブリッジ整流回路

最後に紹介する整流回路は、ダイオード素子を4つ使ってブリッジ回路を構成するブリッジ整流回路です。整流後の電圧波形や実効値は両波整流回路と同じですが、センタータップのないトランスにも使用でき、トランスの二次巻線を最大限使用することができます。

また、1つの電流経路に2つのダイオードが設置されているため、各ダイオードに印加される電圧が半分に分圧され、耐電圧性能の低いダイオードを使用することができます。三相交流回路で使用する場合、必要なダイオード数が6個で済み、ダイオードが多く必要というブリッジ整流回路ならではの欠点も解消されます。これらの特徴からブリッジ整流回路は最も主流な整流回路であり、様々な場面で使用されています。

整流回路に使われる素子と役割

続いて整流回路によく使われる回路素子について、種類と役割を解説していきます。

コンデンサ

整流回路において、交流信号の著しい変動を抑える平滑回路の役割を担うのがコンデンサです。コンデンサは2枚の導電性の薄膜で絶縁物を挟んだ構成で電荷を溜める性質があり、その電荷量は薄膜の表面積の大きさ、薄膜同士の距離、絶縁物の誘電率によって左右されます。平滑目的で挿入する場合はリップルを低減する目的から、とにかく静電容量が大きい方が良いと思われがちですが、あまりに容量が大きすぎると電源投入時の突入電流が大きくなり、他の回路へ悪影響を及ぼす恐れがあります。

ダイオード

整流回路に欠かすことができないのが整流作用を持つダイオードです。ダイオードは微視的にpn接合によってできた素子で、基本的にアノード(p型半導体)からカソード(n型半導体)にしか電気を流しません。特性はシンプルで扱いやすいですが、整流後の電圧値調整などの制御はできない上、順方向に電流を流す場合でも多少の電圧降下を生じてしまう点に注意が必要です。

また、一定以上の逆方向電圧(降伏電圧)を印加すると、カソードからアノードにも電流を流してしまう恐れがあります。ダイオードを使用する際は各ダイオードに印加される電圧と降伏電圧を把握しておき、扱う電圧に応じて適切なものを選定しましょう。

トランジスタ・サイリスタ

ダイオードと同様、整流作用を利用する素子としてトランジスタやサイリスタも挙げられます。トランジスタはpnp接合もしくはnpn接合を持つ素子で、サイリスタはpn接合を2つずつ持つ素子です。どちらもゲート電圧を印加しなければ電流を流さないスイッチング特性を持っており、スイッチングのタイミングを制御することで整流後の電圧値を変動させられます。シンプルな回路であればダイオード素子も現役ですが、制御性を求められる整流回路にはトランジスタやサイリスタが多く使用されます。

整流回路の代表的な用途

最後に身の回りで整流回路が使用されている具体的な機器について紹介します。最も身近な存在として挙げられるのがパソコンなどの電子機器の電源として知られるACアダプターです。一般的な家庭用コンセントには100Vの交流電源が供給されているのに対し、多くの電子機器は直流電源で駆動します。そのため、コンセントから直接給電するのではなく、整流回路を備えたACアダプターを介すことで、安定した直流電源を供給しています。

他にも電気自動車の回生電源を取り出す機器として、走行中の電気自動車から回生エネルギーを取り出すのに使う回生コンバーター(コンバーター:整流器の別名)があります。回生エネルギーは走行中の自動車が持つエネルギーのことで、回転するタイヤを発電機に見立てて電気エネルギーとして取り出すことができます。

回転運動から電気エネルギーを取り出す原理上、取り出した電気は交流ですが、電気自動車用のバッテリーには直流の電気として充電が必要なため、直流電源へと変換するために回生コンバーターが使用されます。

まとめ

今回は交流の電気を直流へと変換する整流回路について解説してきました。身の回りで使用する電子機器の多くは直流電源が必要なため、家庭用コンセントに繋いで使用するには整流回路が必須です。今回ご紹介したACアダプターや電気自動車の回生コンバーター以外にも整流回路は多く利用されているため、この機会に探してみてはいかがでしょうか。

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