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  • 文字起こしや翻訳に使える音声認識とは?仕組みや用途・メリットを解説!
  • 文字起こしや翻訳に使える音声認識とは?仕組みや用途・メリットを解説!

    2024.08.23更新

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    この記事を書いた人

    機電系専門ライター Div.長谷川

    長谷川

    FREE AID編集部 機電系専門ライター Div.
    アナログ回路設計・営業を経験した後ライター&ディレクターとして独立。
    電気電子・ITジャンルを得意とし、正確で分かりやすい情報の発信を行っています。

    ウェブ検索やリモート会議の議事録作成、スマート家電の操作などに利用される音声認識技術。我々が話す言葉を瞬時に文字起こしする技術について、具体的な仕組みを知りたい方も多いのではないでしょうか。そこで今回は音声認識機能の用途や仕組み、メリットや課題などを網羅的に解説します。

    音声認識とは

    音声認識とは、その名の通り我々の音声をスマホやパソコンなどの機械が認識し、テキストへ変換する技術や機能の総称です。前提として機械は我々の言葉を直接理解しているわけではなく、あくまでも入力された音声を膨大な文字データや音声データと照らし合わせ、最も近い文章を選択して表示しているに過ぎません。最近ではリモート会議アプリやドキュメントアプリ、ウェブ検索エンジンなど様々なソフトに標準搭載されているため、すでに使っている方も多いのではないでしょうか。

    音声認識の主な用途

    音声認識の代表的な用途として、音声の文字起こし、翻訳、ソフトや機械の操作などが挙げられます。例えば音声の文字起こしであれば、リモート会議ツールにおける発言内容を自動的に記録して議事録を作成したり、ドキュメントツール上で音声データからテキスト文章を自動生成するのに使われています。

    また、翻訳の用途であれば発言言語とは異なる言語での議事録を作成したり、音声のリアルタイム翻訳などに利用されます。さらに音声で照明を操作したり、音楽をかけたりするのも音声認識の用途の1つです。

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    AIを用いた音声認識も増えている

    最近ではAIの技術を掛け合わせた音声認識技術も増えてきており、従来の音声認識より高精度な音声認識として注目を集めています。従来技術との具体的な違いとしては、前後のやり取りや発言内容の意味、現在置かれている状況など音声データ以外の情報を活用したり、我々では気づかないほど細かい特徴の違いから音声を認識している点です。

    AI音声認識の代表例とも言えるSiriやGoogleアシスタントも、まるで人間のように自然なコミュニケーションを図ることができます。AI音声認識はディープラーニングによって使い込むほど精度が向上していくため、今後ますますの発展が期待されていることを覚えておきましょう。

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    音声認識の仕組み

    音声認識は入力された音声をデータ化し、細かい音に細分化して分析し、単語や文章を作り上げていきます。ここからはその具体的な流れについて、4ステップで解説していきましょう。

    ステップ①:音声のデータ化

    マイクなどのデバイスから音声が入力されると、特徴量と呼ばれる定量的なパラメータを用いた分析が行われます。特徴量とは、音の周波数や音同士の間隔、強弱などのことで、我々が音量の大小や音色、音程の違いとして識別しているものを数値で表すことができます。また、元々の音声データは連続的なアナログデータですが、この段階で離散的で機械処理がしやすいデジタルデータへと変換されます。

    ステップ②:音響モデルを用いて音素分析

    続いて、音声データをあらかじめ用意した音響モデルと比較を行い、類似する特徴量の有無から音素を抽出していきます。音素とは音声を構成する上で意味を左右する最小区分の音のことで、母音・子音・擬音の3要素が組み合わさったものです。

    また、音響モデルとは、多くの人の発言を記録した膨大な音声データを統計処理したデータのことで、1つ1つの文字単位でどの文字がどういう特徴量を持つのかを集約したものです。例えば「ame」と発音した場合であれば、「あ」と「め」がそれぞれ音素となります。

    ステップ③:発音辞書を用いてパターンマッチ分析

    音素による文字単位での分析が終わったら、続いて単語を構築する工程に入ります。様々な単語の発音特徴がまとまった発音辞典と呼ばれるデータセットを使い、文字の並びから考えられる単語の中から、最も発音が似ている単語を見つけていきます。

    例えば先程と同じく「あめ」という音素の並びであれば、「雨」なのか「飴」なのかを発音の違いから判別するイメージです。なお、この段階ではあくまでも文字の並びと発音から単語を判別するだけで、文章の意味や構文がおかしいかどうかまでは問いません。

    ステップ④:言語モデルと比較して文章形成

    音声データから単語の並びが生み出されたら、続いて言語モデルを使用して文章を構築していきます。言語モデルとは単語の並び方に関する統計データで、様々な単語の出現頻度や前後の単語の組み合わせなどをまとめたものです。

    例えば「てんき」「は」「あめ」という単語が並んだ場合、我々の感覚と同様に「てんき」が「転機」や「転機」ではなく「天気」である可能性が高く、「あめ」も「飴」ではなく「雨」である可能性が高いと判断して文章を構築していきます。

    音声認識を活用するメリット

    音声認識の活用メリットとして、業務の効率化や顧客対応の自動化や満足度の向上などが挙げられます。例えば文書作成に音声認識を使えば、キーボード入力よりも素早い文書作成が可能ですし、会議の文字起こしに使用すれば、議事録作成の手間が省けるのはもちろんのこと、聞き逃し等による確認の手間も省けます。

    また、受付や問い合わせ業務に音声認識を使用すれば、顧客対応の自動化や対応する顧客数の増加を図ることができます。更に音声認識を使えばハンズフリーにも対応でき、何らかの事情でタッチパネルを使えない状況でも利用可能なサービスの提供も可能です。

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    音声認識に残された課題もある

    一見すると非常に便利で優れた技術である音声認識ですが、現在はまだ精度に関わる課題がいくつか残っています。今後改善が期待される内容として、理解しておきましょう。

    方言など標準語以外には弱い

    1つ目の課題は、方言のような独特なイントネーションや言い回しに弱い点です。既に説明したように、既存の音声認識は発音や文章のデータセットと音声データを照らし合わせて文章を構築していく技術です。しかし方言のように一部地方でしか使われない発音や言い回しはそもそもデータセットに存在しない可能性が高く、音声認識の精度が低くなってしまいます。

    現時点で精度高く音声認識を行いたいのであれば、標準語を使うことをお勧めします。なお、データセットの充実やAI音声認識の発達により今後改善していく余地が十分にあるため、方言を気にせずに使えるのもそう遠くないかもしれません。

    周辺の雑音に弱い

    続いての課題は周辺の雑音に弱い点です。当然ですが、音声認識ではマイクに入力される全ての音が音声認識の対象となるため、人間の発言以外にも環境音や他人の声といった雑音が入ると精度の低下を招きます。また、たとえ音の少ない静かな環境であっても、性能が低いマイクを使用したり、水滴や汚れが付いていると、音声をうまく拾えない可能性もあります。雑音の多い環境で音声認識を使用しないのはもちろんのこと、雑音に強いソフトやマイクを使用するなどの対策を取りましょう。

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    まとめ

    今回はスマホやパソコンで使用できる音声認識について解説しました。様々なアプリの標準機能として搭載されているものの、具体的な仕組みや課題までは知らなかった方も多いと思います。また、最近ではAIを活用した音声認識ソフトやスマート家電も増えてきており、これまで以上に発展が期待される技術と言えるでしょう。

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