電気系エンジニアになるなら押さえたい電気の基礎!基本知識をわかりやすく解説!
2025年12月13日更新
この記事を書いた人

大手メーカー「コマツ」、「オムロン」などで7年間、アナログ回路エンジニアとして設計・評価業務に従事。
ECU、PLCなどのエレキ開発経験を多数持つほか、機械商社での就労経験も有する。
株式会社アイズ運営の機電系フリーランスエンジニア求人情報「FREEAID」専属ライターとして、
機電分野の知識と実務経験を活かし、専門性の高い記事執筆を行っている。
電気系エンジニアになるためには、電気の基礎知識を蓄えておく必要があります。この記事では電気系エンジニアが電気の基礎知識を勉強する方法について解説します。
電気系エンジニアとは

電気系エンジニアとは、日常生活で利用する家電製品や、その製品を作る設備を設計するエンジニアのことです。最近では、スマートフォンが普及したことや、電化製品にインターネットが繋がるようになった(IoT)ことから、機器を作るエンジニアの需要は高まっています。
電気・電子系のエンジニアは機器の設計開発が仕事で、仕事をするうえで意識すべきことが2つあります。
1つ目は「従来からある家電製品をよりよくする」ことです。洗濯機や冷蔵庫など、従来から使われてきた家電製品は、もっと節電できるような仕組みを考えたり、より使いやすい機能を付け加えたりすることが求められます。現状の家電製品に満足することなく、さらに人と環境に優しい製品を設計できるよう挑戦を続けることが必要です。
2つ目は「最新の技術を常に取り入れる」ことです。電気・電子エンジニアの分野は、常に新しい技術の研究開発がなされています。新しい技術をキャッチアップして、それを生かせるよう勉強を続けることが必要です。新しい技術を勉強するために、電気の基礎知識をしっかりつけておきましょう。
家電製品の需要が日々高まっていることから、電気系エンジニアは、どの分野でも不足しています。優秀な電気系エンジニアになるためには、日頃から電気系の知識やスキルを身につけておくことが重要です。勉強方法や、日頃の観察による学び方も理解しましょう。
電気系エンジニアに求められること
最新の技術を学び続けること
電気・電子の分野では、新しい技術が日々生み出されています。電気系エンジニアの使命は、新しい技術を活用し、より安全で便利な製品を設計することです。このためには最新の技術を学び続けることが必要となるので、日頃から新しい技術に目を向けるようにしておきましょう。
数学や物理などの理系基礎知識があること
電気の基礎知識を身につけると同時に、電気分野と深く関わりのある数学や物理などの基礎知識も習得しておく必要があります。電気製品が動いている背景には、数値計算や物理計算が基礎となっているので、高校生レベルの数学や物理は最低限習得しておきましょう。
地道な作業をコツコツと続けられること
電気エンジニアは、電気系の基礎的な内容を習得して、それらを応用して製品を設計します。一人前に製品を設計できるようになるためには勉強が欠かせません。勉強して手元でアナログな回路を組んでみるなど、地道にスキルを磨くことが大切です。
途中で勉強を諦めたり、思うように設計がうまくいかないからといって、すぐに投げ出すのは電気系エンジニアとして致命的です。目の前にあることをコツコツと地道にこなすことで、電気系エンジニアとして独り立ちすることができます。
電気の基礎知識〜基本用語〜

電荷
電気回路を理解するために、まず知っておきたいのが「電荷」です。電荷とは、電子や陽子といった粒子が持つ電気的な性質のことで、正の電荷と負の電荷の2種類があります。すべての物質は原子からできており、原子の中心には陽子と中性子からなる原子核があり、その周囲を負の電荷を持つ電子が取り巻いています。
電荷の量はC(クーロン)という単位で表されます。電子1個が持つ電荷の量は非常に小さく、これを基本電荷と呼びます。金属などの導体では、この電子が移動することで電荷の流れが生じ、これが電流になります。電気回路では、このような電荷の移動を利用してエネルギーを伝えたり、装置を動作させたりしています。そのため、電荷は電流や電圧を理解するための出発点となる、最も基本的な考え方です。
電圧と電流
電子が移動することで生じる電気の流れを電流と呼びます。電流の大きさは、導体のある断面を1秒間に通過する電荷の量で定義され、単位はA(アンペア)です。一方、電圧は電流を流そうとする電気的な働きの強さを表します。水にたとえると、電流は水の流れる量、電圧は水を押し出す圧力に相当します。電圧の単位はV(ボルト)です。
抵抗
電流の流れやすさ・流れにくさを決めるのが抵抗です。抵抗が大きいほど電流は流れにくくなります。抵抗の大きさはΩ(オーム)という単位で表されます。電圧・電流・抵抗の間には一定の関係があり、抵抗が一定の回路では、電圧は電流に比例します。この関係をオームの法則と呼び、電気回路を扱ううえで最も基本となる考え方です。電気エネルギーを光や熱などに変換する部品も、回路計算では抵抗として扱われます。たとえば電球は、電気を光と熱に変えるため、抵抗の一種と考えることができます。
直列回路と並列回路
電気回路に複数の抵抗がある場合、それらのつながり方によって回路全体の性質が変わります。抵抗が一列につながっている回路を直列回路、枝分かれしてつながっている回路を並列回路と呼びます。直列回路では、回路全体の抵抗はそれぞれの抵抗の和になります。一方、並列回路では電流の通り道が増えるため、全体の抵抗は個々の抵抗よりも小さくなります。回路図を見て、どのつなぎ方になっているかを判断できることが重要です。
交流と直流
電気回路に複数の抵抗がある場合、それらのつながり方によって回路全体の性質が変わります。抵抗が一列につながっている回路を直列回路、枝分かれしてつながっている回路を並列回路と呼びます。直列回路では、回路全体の抵抗はそれぞれの抵抗の和になります。一方、並列回路では電流の通り道が増えるため、全体の抵抗は個々の抵抗よりも小さくなります。回路図を見て、どのつなぎ方になっているかを判断できることが重要です。
周波数
交流では、電気の向きと大きさが周期的に変化します。この変化の速さを表したものが周波数で、単位はHz(ヘルツ)です。日本では、東日本が50Hz、西日本が60Hzの交流電源を使用しています。電気製品によっては対応する周波数が決まっているため、使用する地域や電源には注意が必要です。
電気の基礎知識〜部品編〜

コンデンサ
コンデンサは、どの電化製品にも使われている基礎的な部品です。電気を一時的に蓄えたり、放出したりする役割を持っています。コンデンサは、電気を通さない物質を金属で挟み込んだつくりになっており、電気を通さないことで電荷が金属に溜まる仕組みです。
コイル
コイルも、どの電化製品にも使われている基礎的な部品です。電流を安定させたり、電圧を変換させたり、電波を受け取ったりする機能があります。電気を作る発電所では電圧を変化させる設備が必要で、その設備を実現するために巨大なコイルが用いられています。
半導体(ダイオード・トランジスタ)
半導体は、IC回路や精密機器を作るために欠かせない部品です。電気系エンジニアなら半導体の仕組みを深く理解しておく必要があります。半導体は電気を通したり、通さなかったりと、状況によって振る舞いを変えることができます。
機械が数値計算するための基礎となる部品で、電気を通したり、通さなかったりすることで、「0」と「1」の情報を伝え、保存しています。これまで生活を豊かにする家電が多く誕生してきましたが、これは半導体のおかげです。
電気基礎の知識を勉強する方法

電気基礎について触れている書籍で学ぶ
電気基礎の知識を身につけるために、まずは原理や理論を座学で勉強する必要があり、書籍を活用することが一つの方法です。電気系エンジニアは電気回路図を覚えて、配線できるようになる必要があるので、基礎の基礎から身につけて難しい理論にも対応できるようにしましょう。
電気回路の勉強方法は、まず理論の基礎をおさえて、それを計算で活用できるようにすることです。基本を理解して応用することが電気系エンジニアに求められるスキルの一つであり、一度仕組みがわかるようになるとその先は理論の組み合わせをするだけになります。
電気基礎関連のWebサイトから学ぶ
書籍のみで電気基礎の勉強をすると、疑問が生まれた際に解決する手段がありません。そこで活用したいのがWebサイトの情報です。電気基礎に関しては多くの情報が掲載されているので、他の人の質問や意見を見て学ぶことができます。
電気基礎に関しては資格取得を達成するためのWebサイトも複数存在していますし、部品メーカーもわかりやすい解説記事を公開しています。さまざまな情報に触れることで、電気基礎に関する知識が深まることは間違いありません。
電気基礎に関する資格の問題を解く
理論や原理だけをただ丸暗記するだけでなく、何か目的を持って勉強することは大切で、電気基礎に関する資格を解いてみることはおすすめの勉強方法です。資格の問題を解くことは、実際に資格を取得することにも繋がります。
学んだ原理を実際に生かす機会を作ることで、電気基礎の勉強に関するモチベーションを維持できるはずです。特に初心者が基礎的な内容を勉強していると先が見えず諦めてしまいかねないので、目標設定しておくことには重要な意味があります。
電気エンジニアになるために知識を習得しよう

今回は電気に関する基礎知識の勉強方法について解説しました。電気の分野は基礎的なことだけでも結構なボリュームがあります。難しいからと諦めてしまいそうになることもあるかもしれません。
しかし、一人前の電気系エンジニアになるためには、基礎の基礎から電気の知識を身につけておかないければ応用技術も理解することはできません。製品を作る電気系エンジニアもいれば、設備などを設計する電気系エンジニアもいます。いずれにしても、電気基礎の知識がないと務まらない仕事であるため、初心者のうちから基礎を学んでおきましょう。
また、実際のエンジニアの求人情報を見て、自分が活躍する姿をイメージすることも大切です。FREE AIDの求人情報を見て、勉強へのモチベーションを維持しましょう。
電子工学・電気工学の専門知識が欲しいときは
電子回路の知識や組み方を勉強し、自分でものづくりができれば良いですが、知識や技術を身に着けるまでにはやはり時間がかかります。しかし、機電系のエンジニアは会社に属していることが多く、頼みづらいと思うこともあるのではないでしょうか。
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この記事の運営元:株式会社アイズ
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