アナログ回路エンジニアがフリーランスになるのは難しい?求人探しの方法を紹介!
2024.08.21更新
機電系エンジニア必見!!貴重なフリーランス案件はこちら ▶ITエンジニアはフリーランスという働き方が一般的になりつつありますが、アナログ回路エンジニアもフリーランスになれるのでしょうか?一般的には「フリーランスになるのは難しい」というイメージがありますが、実はハードウェア専門のフリーランス支援サービスも登場しているため、可能性は十分にあります。
そこで今回は、アナログ回路エンジニアに注目し、フリーランスとして働くのが難しいと言われる理由と、その中でどのように求人を探せばいいかまでを詳しく解説します。
アナログ回路エンジニアの仕事内容
アナログ回路エンジニアは、連続的に変化する信号(アナログ信号)を扱う回路を設計する技術者のことです。まずは前提として、アナログ回路エンジニアの仕事を紹介します。
要求分析・仕様書作成
アナログ回路エンジニアが始めに行う仕事は、新製品に対する要求分析です。市場が要求している製品の性能を分析し、コスト、納期などのリソースも考慮しながら、どのような製品が作れるか考えていきます。
大まかにどのような製品を作るか決まったら、次は一つの製品をいくつかのブロックに分け、それぞれの仕様を決定していきます。仕様が決定すれば、製品の全体像が掴めるため、設計が行いやすくなります。
回路図設計
ブロックごとの仕様書をもとに、回路図を設計していきます。まずは、ICなど求める機能を実現する部品を選定し、その部品を動かすための周辺部品などと合わせて回路図を作成します。その際、過去の設計ノウハウを活用することも欠かせません。想定外の不具合が生じないよう、社内のエンジニアが持つ経験と照らし合わせて、最適な回路構成を行います。
回路図の作成が終わったら、机上計算が正しいかを確かめるため、シミュレータを活用して性能チェックを行います。シミュレーションで課題が見つかれば、都度回路図に修正を加え、より良い設計にしていきます。
配線レイアウトの設計
回路図が決定したら、その回路をプリント基板上で実現するための配線作業(アートワーク)を行います。こちらはアートワーク用のCADを使い、シミュレーションも駆使して適切なアートワークを作成していきます。基板に部品と銅箔パターンを配置していくシンプルな作業ですが、配線方法によっては不具合が多発するため、非常に重要な工程です。
アートワークには専用のCADを使うスキルが必要になるので、アートワーク担当者と回路図の担当者は別であることが多いです。ただ、回路図の構造がアートワークにも大きく影響するので、回路設計者にもある程度の知識が求められます。
試作評価
回路図、アートワークが完成すれば、いよいよ試作品を作り、評価する段階に移ります。まずは製品単体で動作させ、各種機能や性能が設計通りになっているかを確認します。初めから設計通り動くことはほとんどないので、細かなバグやミスなどを見つけ、修正するのが主な目的です。
単体での評価が終わったら、他の機器と接続した状態でも評価を行います。単体では生じないような不具合が起きることが多いので、こちらも非常に重要です。また、機能・性能の評価が終わったら、耐環境試験を行い、実使用による劣化に耐えられるかを確かめます。試験内容は振動や衝撃、耐水、EMC、耐久試験など、さまざまなものがあります。
試験自体は別の部署が行うことも多いですが、問題があった時にその原因を確認して改善する必要があるので、設計者にも試験に関する知識が必要です。
アナログ回路エンジニアに求められるスキル
続いて、アナログ回路エンジニアに求められる代表的なスキルを紹介します。
電気・電子に関する知識
アナログ回路エンジニアは、コンデンサなどの受動部品から、ICなどの能動部品まで、さまざまな電子部品の特性を理解している必要があります。また、回路図を見て動きを理解するスキルが求められるので、部品単体だけでなく、組み合わせによる特性も自分で考えて判断できるようにならなければなりません。そのためには一般的な電気・電子の知識が求められるので、大学などで体形的に学ぶ必要があります。
アナログ回路設計の経験
アナログ回路エンジニアとして仕事をしていく上では、実務を行った経験やノウハウも必要となります。これは、一見問題なく見える設計を行ったとしても、外部接続や外乱の影響で不具合が発生するほか、特定の条件下でのみ問題が発生するなど、想定外の現象が多々生じるからです。
想定外の現象はありとあらゆる所で生じるため、教科書的な情報で網羅するのは難しく、実際に設計を行うことで勘所を掴んでいく必要があります。そのため、エンジニアとして実務をこなしていく上では、ある程度経験が必須となるでしょう。
アナログ回路エンジニアのフリーランス案件が少ない理由
このように、アナログ回路エンジニアはスキルと経験を有していれば活躍できますが、フリーランスの案件が少ないという課題があります。その主な理由を紹介します。
独自のノウハウが重要
一つ目の理由は、アナログ回路設計は企業ごとに独自のノウハウがあり、それを知らない人が設計に参加しにくいことです。アナログ回路はプログラミングと異なり、接続機器や使用環境など、さまざまな外部要因で不具合が発生するため、共通化が難しいという欠点があります。
これらは計算で求めることが非常に難しく、細かなノウハウを経験を通して積み上げることで対処しているため、他の人が見て分かるようなものではありません。そのため、たとえ回路設計の技術を持っていたとしても、会社独自のノウハウを知らない人が突然入って仕事に参加するのはハードルが高いです。
セキュリティ上情報を開示しにくい
フリーランスというと、在宅で仕事を請け負うイメージが強いですが、アナログ回路設計の場合、セキュリティ面で在宅業務を行うことが難しいです。過去の製品の回路図など、回路設計に必要となる情報には独自のノウハウが詰まっているため、基本的に社外秘となります。
これらが外部に出せない以上、会社は外注するために情報を提供することが出来ません。設計に参加するためには会社に出勤することが基本として定められていることが多く、一般的なフリーランスとしての働き方は難しいと言われています。
フリーランスとしてのおすすめの働き方は?
このような理由から、案件を取得する難しさもありますが、フリーランスという働き方はスキルを活かして高い収入を得つつ、柔軟に働き方が選択できるなどメリットも多いです。そこで、アナログ回路エンジニアでフリーランスを目指す方に向けて、おすすめの働き方を紹介します。
FREE AID
FREE AIDは非常に珍しい、機電系エンジニアのフリーランス案件に特化した求人サイトです。長年、機電系エンジニアの人材紹介を行っている株式会社アイズが運営しているため、一般的な転職サイトと同様の転職支援が受けられます。さらに、商談から教育まで、フリーランスとしての活動をフルサポートする「MESS契約」という方式もあり、安心してフリーランス活動が行えます。
アナログ回路エンジニアでフリーランスを目指すなら、必須の求人サイトと言えるでしょう。
クラウドソーシングサイト
クラウドワークスやランサーズなどのクラウドソーシングサイトでも、アナログ回路に関する案件が存在しています。実際に、クラウドワークスでは「製品設計・開発」というジャンルでの求人があり、回路設計に関する案件が若干数存在しています。
個人への依頼が多いので、一人である程度の規模の回路を作れるなら、仕事を受注する有力な選択肢となるでしょう。ただ、こちらはあくまで副業で受注できるような案件が一般的ですので、フリーランスとして働くには物足りないと言えます。
ITエンジニアのフリーランス向け求人サイト
レバテックフリーランスなど、ITエンジニア向けのフリーランス案件を扱っている求人サイトでも、アナログ回路エンジニアの求人が存在しています。フリーランスを前提とした案件があり、企業としても業務委託の経験が豊富でサポートを受けやすいため、フリーランスとして活動しやすいメリットがあります。
ただ、あくまでITエンジニア向けであるため案件が非常に少ないというのがデメリットです。
まとめ
今回は、アナログ回路エンジニアがフリーランスとして働く上でのハードルや、実際の求人の探し方について解説しました。アナログ回路エンジニアは、電気電子の知識だけでなく、電子回路設計の経験が重要視される職種です。また、会社独自のノウハウが多く、セキュリティ面での問題もあるため、スキルがある人でもフリーランスで働くのが難しいという側面があります。
しかし、最近では「FREE AID」のような機電系フリーランス向け求人サイトを始め、案件は徐々に増え始めており、今後はフリーランスとして働くハードルが下がっていくことも期待されます。自分のスキルを活かしてより活躍したいと考えている方は、一度フリーランスとして働くことを検討してみてはいかがでしょうか。
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