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  • HDDとSSDはどう違う?それぞれの構造と特徴を紹介!
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    2024.08.07更新

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    この記事を書いた人

    機電系専門ライター Div.長谷川

    長谷川

    FREE AID編集部 機電系専門ライター Div.
    アナログ回路設計・営業を経験した後ライター&ディレクターとして独立。
    電気電子・ITジャンルを得意とし、正確で分かりやすい情報の発信を行っています。

    パソコンを選ぶ際、一つの重要なポイントとなるのが、大容量記憶装置である「HDD」「SSD」の選定です。最近はSSDが高性能な製品として紹介されていますが、これらの違いはどこにあるのでしょうか。本記事では、HDDとSSDの違いが知りたい方に向けて、それぞれの特徴と違いを詳しく解説します。

    HDDとは?

    HDDは「Hard Disk Drive」の略で、磁力を使ってデジタルデータを保持する装置のことです。コンピュータの記憶装置として1956年に開発され、長きにわたりパソコンや、各種デジタル機器のデータ保存に利用されています。

    HDDの基本的な構造

    HDDは、プラッタ(金属性のディスク)とそれを回転させるスピンドルモーター、読み書きを行う磁気ヘッドが乗っているヘッドアセンブリから構成されています。プラッタに磁気ヘッドから磁力を与えることで、プラッタに磁力を記憶させ、データを保持するのが基本的な仕組みです。

    読み書き速度を高めるため、プラッタは高速で回転します。データはプラッタの各所に保存されるので、磁気ヘッドはプラッタのさまざまな場所に移動され、データの読み書きを行うのです。最近では、データ容量や読み書き速度への要求が厳しくなっており、プラッタの枚数を増やすほか、ヘッドの移動速度を上げるなどの工夫により性能向上が行われています。

    HDDの長所

    HDDの長所は、コストパフォーマンスの高さです。技術的に成熟しているため、低価格で大容量の製品が作れます。特にデータ記憶容量の多さを求める場合、SSDと比べて圧倒的な低価格で購入できるでしょう。また、SSDと異なり時間経過でデータが消えることがないため、外付け記憶装置として長期間保存しておきたい場合にも最適です。物理的なダメージがなければ、書き込み寿命が長いというメリットもあります。

    HDDの短所

    一方、HDDの短所は、機械的な構造による性能限界が挙げられます。例えば、HDDの書き込み速度はプラッタの回転数と磁気ヘッドの移動速度に依存するため、SSDのような高速読み書きは実現できません。また、衝撃への弱さも問題です。磁気ヘッドは、プラッタのわずか0.02μm上を浮遊しながら動くため、衝撃で磁気ヘッドが振動すると、プラッタの表面に接触し、磁性部分を破壊してしまいます。

    プラッタの一部が破損しても、他の部分でデータ書き込みを継続するなど工夫はされていますが、扱い方で寿命が急激に短くなるのは欠点といえるでしょう。動作時の振動・騒音の発生や、機械駆動を行うことによる消費電力の多さなど、SSDと比べると短所は多いです。

    記憶容量を増やす工夫

    ちなみに、HDDの長所としてデータ記憶容量の大きさを挙げましたが、HDDの記憶容量を増やすための工夫は様々な形で行われています。特に有名なのは、プラッタの枚数を増やすだけでなく、磁気記録の方式と、プラッタの重ね方に対する工夫です。本記事では詳細まで掘り下げませんが、磁気記録方式は「垂直磁気記録方式(PMR)」、プラッタの重ね方は「瓦記録方式(SMR)」が、記憶容量を増やすために有効な手法として用いられています。

    SSDとは?

    続いて、SSDの特徴を紹介しましょう。SSDは「Solid State Drive」の略で、半導体素子であるフラッシュメモリを使った記憶装置のことです。1990年代にHDDなどの記憶装置を代替する目的で開発され、技術の発展と共に置き換えが実際に進みつつあります。HDDと同じ使い方ができるよう設計されたため、SSDはSATAケーブルでマザーボードと接続できるほか、USBを介しても接続が可能です。

    SSDの基本的な構造

    SSDは、フラッシュメモリの素子を大量に並べた構造で成り立っています。フラッシュメモリはMOSFETとほぼ同じ構造をしており、端子に電圧を掛けるだけで電荷を保管できるのが特徴です。また、メモリ素子だけでは読み書きの制御が行えないため、別途制御用のコントローラが内蔵されているほか、キャッシュ用でDRAMが搭載されている製品もあります。いずれにせよ、全ての機能が電子部品で成り立つため、機械的な駆動部は存在せず、電気のみで動作するのがHDDとの違いです。

    フラッシュメモリの構造や動作原理が気になる方は「フラッシュメモリとは?動作原理や種類などをわかりやすく紹介!」にて詳しく解説しているのでご覧ください。

    SSDの長所

    SSDの特徴は、なんといってもその読み書き速度の速さです。HDDのように磁気ヘッドを動かす時間が不要なので、製品のスペックにもよりますが、HDDと比べると2倍以上の速度で読み書きできる場合があります。また、プラッタを回転させるなどの物理的な機構も要らないので、小型化が容易になり、衝撃にも強くなります。

    無駄な機構が減った分、消費電力が少なくなるのも見逃せないメリットです。特に、バッテリー駆動のノートパソコンや、巨大なデータセンターなど電力消費の大きさが問題となる用途では、省電力という観点からHDDをSSDに切り替えている場合が多いです。

    SSDの短所

    このように、HDDと比べるとメリットの多いSSDですが、もちろん短所もあります。まず、最も大きなデメリットは価格の高さです。SSDは容量に対する価格が高く、HDDと比べると2倍以上の値段がします。記憶容量を増やす取り組みは日夜行われているものの、技術が成熟したとはいえない状況です。

    また、書き込み回数の寿命が短いのも短所です。これは、フラッシュメモリの構造が原因で、数百回程度の書き込みを行うと、素子の劣化が始まると言われています。現在では、書き込み回数の少ないメモリを優先的に使うなど、実質的な寿命を伸ばす技術が発展していますが、それでも一定期間で寿命が訪れることは承知しておかなければなりません。

    SSDの低価格化は進んでいる

    SSDはHDDと比べると高価ですが、以前と比べると低価格化は進んでおり、置き換えのハードルは下がっています。その理由は、フラッシュメモリの高密度化が進んでいるとともに、1つのメモリ素子に2ビット以上の情報を入れる「MLC技術」が発展しているからです。

    どちらの技術も発展途上であるため、SSDは今後さらなる大容量化が期待できます。近い将来では、HDDではなくSSDが当たり前に使われているかもしれません。

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    まとめ

    今回は、HDDとSSDの違いに焦点を当て、それぞれの原理や特徴について解説しました。HDDは磁気を使った記憶装置で、コストパフォーマンスが高い反面、物理的な制約による性能・耐久性の限界があります。一方、SSDはHDDを置き換えるために生まれた記憶装置で、読み書き速度の速さ、耐久性の高さなどが魅力です。現在では記憶容量が少なく高価格ですが、将来的にはこれらの欠点も改善することが想定されています。

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