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  • 電気自動車はガソリン車とどう違う?メリットとデメリットを解説
  • 電気自動車はガソリン車とどう違う?メリットとデメリットを解説

    2024.08.06更新

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    この記事を書いた人

    機電系専門ライター Div.長谷川

    長谷川

    FREE AID編集部 機電系専門ライター Div.
    アナログ回路設計・営業を経験した後ライター&ディレクターとして独立。
    電気電子・ITジャンルを得意とし、正確で分かりやすい情報の発信を行っています。

    最近は環境保護の観点から電気自動車に注目が集まっており、各自動車メーカーも我先にと開発を行っています。「燃費が良い」「排気ガスを出さない」など、電気自動車はクリーンなイメージが強いですが、実際にはどのようなメリットがあるのでしょうか。

    今回は、電気自動車をガソリン車やハイブリッド車などと比べた時のメリット、デメリットについて詳しく解説します。

    電気自動車とハイブリッド車などとの違い

    まずは、電気自動車が他の自動車とどのような違いがあるか解説します。

    電気自動車(EV)

    電気自動車はガソリンの代わりに電池を搭載し、電気の力のみで走行する自動車のことです。エンジンの代わりにモーターを搭載するなど、自動車としての構造が大きく異なっており、排気ガスが出ない、振動が少ないなどの特徴があります。

    走行距離を確保するため、大量の電池がシート下などに敷き詰められており、家庭用の電源や公道に設置された球速充電器で充電します。

    ハイブリッド車(HV)

    ハイブリッド車は、小型の電池を搭載し、アシストに電気を使う車のことです。ガソリン車の燃費を良くすることが目的で作られたため、ガソリン車が苦手な発進時や低速時のみ補助的に電気を使うシステムとなっています。

    また、ガソリンで発電を行うため、電池を直接充電する機能は持っていません。あくまでガソリン車に近い構造です。

    プラグインハイブリッド車(PHV)

    プラグインハイブリッド車は、電気自動車とハイブリッド車の両方の機能を持つ車です。バッテリーを持ち外部から充電して走りますが、ガソリンを入れて走行することもできます。

    普段は電気自動車として使い、遠出する場合はガソリンを入れて使うといったように、両方のメリットを活かせるのが特徴です。多機能な分価格も高くなるので、近場でしか使わない場合はあまりメリットはないでしょう。

    電気自動車のメリット

    このように、自動車を電気で動かすのが電気自動車の特徴ですが、従来のガソリン車やハイブリッドと比較してどのようなメリットがあるのでしょうか。

    排気ガスを出さない

    ガソリン車の場合、ガソリンを燃焼させて動くため必ず二酸化炭素などの温室効果ガスを排出します。現在は能力の高いマフラーにより、大部分の物質は排出されないようになっていますが、全てを取り除けるわけではありません。

    その点、電気自動車は電気を使うため、排気ガスを出さずに走行できます。温室効果ガス以外にも、排気ガスによる大気汚染が問題となっている大都市においては、電気自動車の採用により周囲環境が劇的に改善するでしょう。

    走行が静かで振動が少ない

    ガソリン車はエンジンでガソリンを燃焼させることから、どうしても振動や騒音が発生します。しかし、電気自動車はエンジンが存在しないので、振動がほとんどなく静かに走行できるのもメリットです。音もほとんど発生せず、高級車のような心地よさを味わえるでしょう。

    また、モーターはエンジンと違って急な加速・減速も行えるので、アクセルの操作で自由自在に速度を変えられることも特徴です。

    燃料費が安い

    電気自動車は電気を充電して使いますが、その時にかかる費用はガソリンと比較して安くなる傾向にあります。

    電気代は料金プランによって大きく変わりますが、夜間の電気料金を利用するなど、工夫すればガソリン代の1/9程度に抑えられるとの意見もあります。

    各種補助金が受けられる

    近年では、政府が電気自動車の購入を後押ししているため、電気自動車の購入に伴って様々な補助金が受給できるようになっています。2022年1月時点における主な補助金は以下の通りです。

    ・環境省補助金
    ・経済産業省補助金
    ・クリーンエネルギー自動車導入事業費補助金

    これらは毎年増額されていることから、今後もさらなる補助金が受けられる可能性は高いでしょう。ただし、それぞれ政府の予算額が決まっており、年度の途中で受付終了している場合もあります。

    非常用電源として使える

    地震などの災害が起きて、大規模な停電が発生した時、電気自動車を非常用電源として使えるのもメリットです。電気自動車の中には100V出力のコンセントが標準搭載された製品も増えつつあり、幅広い機器の電源として使用できます。

    2人世帯の平均的な電力消費量は1日10kWh程度なので、非常時に停電しても数日は電気自動車の電力で生活できるでしょう。

    また、政府の補助金制度には、大規模な災害が生じて電気が止まった時、災害時に非常用電源として給電活動に協力することが条件となっているものもあります。

    メンテナンスの手間が少ない

    ガソリン車はエンジンだけで1万個、車体全体では約10万個と、多数の部品で成り立っています。対して電気自動車はバッテリーとモーターで動くシンプルな構造であることから、全体で約1万個と部品点数が圧倒的に少なくなります。

    オイルやフィルター、タイミングベルトなどの交換も必要ないので、メンテナンスの手間が大幅に削減されるでしょう。また、日常点検や定期点検の内容がシンプルになり、部品交換によるコストも低減できます。

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    電気自動車のデメリット

    このように、電気自動車には様々なメリットがある反面、デメリットも存在します。

    車体価格が高い

    まず、最も大きなデメリットは販売価格が高いことです。電気自動車は電気を充電して走るため、大容量の電池を搭載する必要があります。ただ、電池の価格が高く、どうしても車体の販売価格も高額になります。

    電池のコスト削減や新しい電池の開発なども盛んにおこなわれていますが、短期間で大幅にコストを下げるのは難しいのが現状です。

    航続距離が短い

    ガソリン車と比べると、一回の充電による航続距離が大幅に短くなることもデメリットです。電気自動車のバッテリーはサイズ上の限界があるため、航続距離は200km程度であることが多いです。

    ガソリン車は一回の給油で600km以上走れるので、特に普段から長距離を走っている人だと、充電が気になる方が多いでしょう。夏や冬などでエアコンなどを使っていると、さらに航続距離が短くなります。

    充電に時間がかかる

    一度の充電に時間がかかるデメリットもあります。家庭で充電を行う場合、家庭における充電スピードは3〜6kWh程度と言われており、日産リーフ(電池容量40kWh)をフル充電する場合、10時間ほど必要となることが分かります。

    外出先では急速充電ができるためより早く充電が可能ですが、それでも80%の充電に30分〜40分は必要です。また、現在は充電スタンドの数も少ないことから、外出先では充電が難しかったり、探すのに時間がかかる場合もあります。

    現状では「エコ」とは限らない

    「電気自動車はエコ」というイメージが強いですが、実はエコとは言えない側面もあるのが現状です。

    まず、電気自動車は製造に大量の電力が必要で、製造段階での二酸化炭素排出量はガソリン車の2倍以上だと言われています。また、排気ガスの排出こそありませんが、電気は主に火力発電で作られているため、電気を使うことで間接的に二酸化炭素を排出しています。

    電気の発電方法や電気自動車の車種によっても変わりますが、「10万キロ以上走行して初めてガソリン車よりエコになる」とも言われており、逆に環境に悪くなってしまう可能性もあることに注意しましょう。

    こちらの内容についてさらに詳しく知りたい方は「電気自動車は本当にエコなのか?環境に悪いと言われる理由を解説」をご覧ください。

    関連記事:  ETECとはどんな資格?

    電気自動車にはまだまだ将来性がある

    現状ではデメリットも多い電気自動車ですが、電気自動車は新しい技術であり、今後の将来性は大きいと言えるでしょう。

    世界では電気自動車へのシフトが進んでおり、日本でも「2035年までに新車販売を電気自動車のみとする」計画が進んでいるため、電気自動車の普及に伴い、急速にデメリットが改善されることが期待されます。

    電気自動車の今後の展望について知りたい方は「なぜ電気自動車は日本で普及しないのか?現状と将来像を解説」をご覧ください。

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    まとめ

    今回は、電気自動車のガソリン車との違いや、メリット・デメリットについて解説しました。

    電気自動車はエコな面があるのはもちろん、振動が少なく高級車のような走行が行えるなど、ガソリン車との構造の違いにより様々なメリットがあります。

    ただし、充電時間の長さや航続距離の短さなど使用上のデメリットもあるため、使用状況に合わせて購入を検討すると良いでしょう。

    将来的にデメリットが改善される可能性は高いので、今すぐ購入を検討されていない人も、動向をチェックしてみてはいかがでしょうか。

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