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  • リニアモーターカーはどうやって動くのか?仕組みを簡単に解説!
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    2026年2月27日更新

    この記事を書いた人

    機電系専門ライター Div.長谷川
    「FREE AID」編集部:長谷川

    大手メーカー「コマツ」、「オムロン」などで7年間、アナログ回路エンジニアとして設計・評価業務に従事。
    ECU、PLCなどのエレキ開発経験を多数持つほか、機械商社での就労経験も有する。
    株式会社アイズ運営の機電系フリーランスエンジニア求人情報「FREEAID」専属ライターとして、
    機電分野の知識と実務経験を活かし、専門性の高い記事執筆を行っている。

    リニアモーターカーはどうやって動く?

    リニアモーターカーは、リニアモーターを超電導状態にして超強力な磁石とすることで、磁力によって車両を浮かし、動かします。リニアモーターとはモーターを直線状(リニア)に伸ばしたもののことで、通常のモーターのように電流を回転力に変えるのではなく、直線的な推進力に変える機能を持ちます。また、同時に車両を浮かせる方向にリニアモーターを配置することで、従来の鉄道のように車輪で走るのではなく、車両全体を浮かせて高速な移動ができるようにしています。

    リニアモーターカーの仕組み

    リニアモーターカーの仕組み

    それでは、リニアモーターカーが浮いたり、進んだりする仕組みをより細かく説明します。

    リニアモーターカーが進む仕組み

    まず、リニアモーターカーを動かすのには、磁石のS極・N極が、異なる極性の磁石に吸い寄せられ、同じ磁石とは反発する力を利用します。リニアモーターはS極とN極を交互に配置した電磁石の列が、いくつも平行に配置された構造をしています。このうち、電車側には超電導磁石を、地上側の磁石には通常の電磁石が配置されています(電車側は車体の両側面に、地上側は電車の両脇に設置されたガイドウェイに磁石が配置されます)。

    ここで、両方の磁石を近づけると、同じ極性から反発し、違う極性に引き寄せられることで、電車は一方向に少し動きます。そのままだと少し動いて止まるだけですが、地上側のコイルに流す電流の方向を反転させることでS極・N極を切り替えられるので、電車はそのまま一方向に進み続けるようになります。さらに電流方向の反転を少しずつ速くすることで、電車に一方向の力が働き続けるので、電車の速度はどんどん速くなり、時速数百キロメートルまでの加速が行えます。なお、この推進用に使われる地上側のコイルのことを「案内コイル」と呼びます。

    リニアモーターカーが浮く仕組み

    リニアモーターカーが浮き続けられる仕組みも、同様に磁石の力を使っています。地上側には8の字型の「浮上コイル」が推進用のコイルとは別に取り付けられています。このコイルには電流が流れていないため通常時は何の働きもしませんが、リニアモーターカーの超電導磁石が通ると、磁石の動きによって浮上コイルに誘導電流が流れ、浮上コイルが磁石として働くようになります。この磁石は超電導磁石と干渉し、車体を浮かせる方向に力を与えることから、リニアモーターカーが浮くようになるのです。

    なお、浮上コイルの磁力は超電導磁石が通り過ぎる速度が速いほど強くなるので、リニアモーターカーが時速150km以下の低速では車体が浮きません。そのため、時速150kmまでは車輪走行を行い、それ以上の速度になってから車体を浮かせるようになっています。

    リニアモーターカーが壁に当たらない仕組み

    リニアモーターカーを浮かせる浮上コイルは、リニアモーターカーを壁の間に維持し、壁にぶつからないようにする役割も果たしています。リニアモーターカーは車体の両側から浮上コイルによる反発・引き合う力を受けています。

    ここで、車体が中央からずれると片方の浮上コイルからの力が弱まり、もう片方からの力が強くなるわけですが、そうなった場合に車体を中央に戻すよう、力がかかるようになっています。これにより車体を常に真ん中に維持することができるため、リニアモーターカーは壁に当たらず走行し続けることができます。

    リニアモーターカーの核となる超電導技術とは

    リニアモーターカーの核となる超電導技術とは

    ここまでリニアモーターカーの浮上・走行の仕組みをお伝えしましたが、その技術的な核となる超電導についても解説しておきましょう。超電導とは、一部の物質が極低温環境下で電気抵抗がゼロになる状態のことを指します。「物質には必ず電気抵抗がある」という常識を覆した画期的な発明であり、大電力を扱う際に大きなメリットが得られるほか、「完全反磁性」という性質を活かした利用なども進んでいます。

    リニアモーターカーにおいては全く発熱を起こさずに超強力な電磁石を作れる点を利用します。具体的には、車体に取り付けたコイルを‐269℃の極低温に冷やして超電導状態を作り出し、そのコイルに大電流を流すことで超強力な電磁石を発生させています。これにより、車体が動くほどの浮力・推進力を生み出し、リニアモーターカーを実現しています。

    リニアモーターカーの実用化状況

    リニアモーターカーの実用化状況

    このように、革新的な技術を使って動くリニアモーターカーですが、実用化にはまだしばらくの時間が必要な状況です。現在は、品川-大阪間の実用化が計画されており、品川-名古屋間については2027年に、その後名古屋-大阪間は2045年に開業できるよう工事が始まっています。ただ、現在は様々なトラブルが発生しており、品川-名古屋間の開業が2034年以降になるとも言われています。実現すればさらなる移動の高速化が叶いますが、まだその恩恵に与れるまでには長い時間が必要となるでしょう。

    まとめ

    今回は、リニアモーターカーがどうやって動くのか、基本的な仕組みを解説しました。リニアモーターカーは超電導磁石を使い、磁力を活かして走行する電車です。超電導によって作られる超強力な電磁石が技術の核であり、車体の超電導磁石と、線路側壁(ガイドレール)の浮上コイル・案内コイルによって時速500kmまでの高速走行を実現します。

    私達が実際に体験できるにはまだ一定の時間が必要ですが、東京-大阪間が1時間で移動できるようになるなど、大きな恩恵も期待できます。今後の進捗を楽しみにしておきましょう。

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